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Weps うち明け話 #1000

シーズン最後の大会(2020年1月8日) 

 

 2019シーズンが終わった。

 

 は? 年も明け、大槻毅監督の2020シーズン始動会見もあったというのに何を今さら。

 

 トップチームは昨日が始動だったけど、浦和レッズ全体としてすべての公式大会が終わったのは昨日だ。

 大阪、J-GREEN堺で行われていた第23回全日本女子U18選手権。浦和レッズレディースユースは昨日の最終日で3位決定戦を制して終了。優勝は、6日の準決勝でレッズレディースユースを3-2で破ったジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18だった。これで浦和レッズの2019シーズンがすべて終わった、という気持ちになる。

 たまに関東予選で敗退して出場できないシーズンもあったが、レディースユースは2007シーズンの第11回大会で3位になって以降、3位が今回で4度目。準優勝が4回あり、優勝は2009シーズンの1回だけだ。

 

 年末の#998「数年後の楽しみ」で書いたようにU-15のカテゴリーでレッズは他クラブを上回る優勝を数えているが、U-18のカテゴリーになると上位の常連ではあっても優勝の常連ではない。今回の準決勝でもジェフに3点を先行されたが2点を返し、なおも追いつきそうな勢いを見せた。しかし届かなかった。

 試合を見て感じたのは球際、とりわけフィジカルコンタクトで相手に上回られていたのと、スピードでの勝負になると分が悪いなということだった。メンバーは替わっていくので毎年同じようなチームになるとは限らないが、レディースユースがフィジカルとスピードで全体的に強い、という記憶はない。もちろんパスの正確さやアイデア、気の利いたプレーなどで他を凌駕しているから全国上位に来られるのだが。フィジカルやスピードで鮮明に覚えているのは、現在レディースで活躍している遠藤優、清家貴子、高橋はな、ぐらいか。今度、ジェフレディースから移籍してくる上野紗稀も速かったイメージがある。いずれも各学年に1人だ。

 

 だからといって、育成時代にフィジカルコンタクトを鍛えることを最優先すべき、とは思わない。レディースユースの第一の課題は、なでしこリーグで活躍する選手を育てること。現在レッズレディースに在籍する選手の半数近くがユース出身であり、試合のメンバーでは半数を越えることもある。年末の皇后杯決勝では先発のうち7人がユース出身者だった。またレッズユースを出て他クラブでなでしこリーガーになる者、レッズレディースでから移籍した先で活躍する者も少なくなく、育成組織の役割は十分果たしているのだから、やり方を大きく変える必要はないと思う。

 

 ただ優勝、それも育成時代最後の全国大会での優勝というのは、選手たちにとって一生の宝物だろうし、卒業記念に持たせてやりたい栄誉だ。後輩たちの励みにもなる。U15の全日本で最多優勝回数を誇るレッズレディースがU18では、日テレ・メニーナに水をあけられ、セレッソ大阪堺ガールズ(2回優勝)、ジェフレディースU18(同)の後塵を拝しているのは何とも悔しい。

 年代でいうと、この4月で高校3年生になる9人は2017年の全日本女子U15選手権で優勝したメンバー。そして昨年の同選手権優勝メンバーのうち7人が高校1年生になりレディースユースに入るという。高校2年生になる8人は、中3生でのU15時代全国優勝はないが、全日本女子U15選手権ベスト4、関東女子U15リーグ優勝などを経験しているし、中学2年生のとき3年生がユースの試合で不在だったなでしこアカデミーカップ決勝で主力メンバーとして戦いJFAアカデミー福島を破って優勝している。

 

 2020シーズンのレディースユースをこれまで以上の期待を持って見ていきたい。

EXTRA

 キリ番の千回目がトップチームでなくレディースユースの話題というのも、ある意味では清尾らしい、と自分では思っている(単なるめぐり合わせだが)。

 いま大阪から浦和へ戻る途中で、午後の練習には間に合いそうだ。そこで大槻監督や選手たちと今年の初顔合わせをしてから#1001に何を書くか、じっくり考えよう。

 

(文:清尾 淳)

 

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