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Weps うち明け話 #1001

何しに沖縄へ?(2020年1月17日) 

 

 明日から沖縄キャンプに行く。

 1月14日から始まったキャンプの取材に、18日から行くのは遅いようにも思えるが、2月9日のラストまで沖縄にいると23日間だ。連日、練習リポートを書く仕事を与えられているわけでもないのに、そんなに行ってどうする? という自問の方が強い気もする。

 

 しかし改革元年、と言われている今季、そのスタートのキャンプで、チームがこれまでとどういう違いを出して行くのかは知っておきたい。キャンプで自分が感じ取ることができるのかどうかわからないが、浦和にいたのでは絶対にわからないだろう。浦和でやるべき仕事は、多少不便になろうと沖縄でもできる。それならば行くしかない。そんな理屈を自分に言い聞かせている。

 

 大原での練習を見ていると、どの選手も始動前に十分な準備をしてきたようだ。身体が重そうな選手は見当たらなかった。

 と同時に、ゲーム形式の練習では、どの選手にも開幕出場を目指す意欲と昨季の国内大会での不甲斐ない成績を払拭する決意が伝わってきた。

 もちろん、そう思いたい、という意識が僕にあったことは否めない。この時期になってチームのアラを探すのではなく、期待する拠り所を見つけるのが自分の役割でもあると思っているからだ。

 

 そういうポジティブ思考で言うと、今季の補強についてもこう考える。

 レッズは期限付き移籍から復帰の伊藤涼太郎、J3とJ2で得点王になったレオナルド、そして高円宮杯U18プレミアリーグ優勝・高校選手権準優勝の青森山田高校のキャプテン、武田英寿の3人だけが新加入となる(今のところ)。どのチームも景気よく新戦力を招き入れている中、これは寂しい。

 だが昨季、移籍で獲得した新戦力の選手たちが全員、本人の実力をいかんなく発揮したかというと、そうではなかった。彼らがレッズでの1年を経て、本来期待された活躍を今季してくれればどうだ。1年遅れではあるが、補強としては十分だと言えないか。そうなることで新たな競争もチーム内に生まれるだろう。

 

 年末から先日まで、サポーターと話をする機会が何度かあったが、みんな不安の方が大きかったのは間違いない。期待して裏切られるよりは、という先回り思考で、多くを期待しないということもあるだろう。

 サポーターから大槻監督が今季も指揮を執ることの感想を聞かれて僕はこう答えた。

「大槻監督に一番期待する拠り所は、2019年に失敗したこと」

 それぞれの試合で自分が描いていたプランで、うまくいったものもあるが、いかなかったことの方が多かった。だから負けが込んだ。なぜ、うまくいかなかったのか、という分析は昨年のうちに済ませただろうが、それを踏まえて今季、どういう手を打つのか。まずはシステムを4バックにするようだ、と言われているが、それは昨季の失敗を成功に変えることにどうつながるのか。そういう部分に期待している。

 一昨年は暫定監督という立場で公式戦4勝2分けという成績を収めたが、昨季のように暫定ではなく長い期間、チームを預かるのは初めての経験。しかもじっくりトレーニングする期間は交代直後はもちろん、途中にもほとんどなかった。そこで味わった苦杯を、絶対に今季のうまい酒に変えていって欲しい。

 

 そんな思いを携えて、明日沖縄に向かう。

 キャンプで感じたことをここで報告していきたい。

 

(文:清尾 淳)

 

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