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Weps うち明け話 #1015
埼スタの桜(2020年3月24日)
久しぶりの光景に出くわした。
朝、大原に行くとき、数人の小学生の集団が学校に向かって歩いて行くところだった。それも何か所かで見かけた。
ということは、今日は24日か…。
公式戦という基準があるシーズン中は、○○戦の何日前、あるいは何日後というふうに計算する習慣がついており、今日は何日の何曜日、というのをカレンダーや腕時計を見なくてもわかる。だから、ふだんなら「一昨日が名古屋戦だったから、今日は3月24日の火曜日」と考えついただろう。しかし今は全然ダメで、今日が何日かすぐ頭に浮かんでこない。
だけど、さいたま市内の小学校の卒業式が24日だということは知っていた。はっきり覚えている理由は、#1014で書いた卒業お祝いビデオメッセージに絡む話で、レッズの広報から「卒業式は小学校が一番遅くて、24日」だと聞いたばかりだからだ。
いつもの年なら「今日は24日だから小学校の卒業式」という発想になるはずが、「今日は小学校の卒業式だから24日」という思考の順番になっている。お、てことは、来週で僕も63歳か。
昨日、#1014を書き上げたとき、思いついて知り合いの教師に電話した。ビデオメッセージについて、学校や保護者、生徒・児童の受け止めが知りたかったからだ。その人が現在赴任しているのは旧浦和市の学校ではなかったが、その伝手で、ある小学校の6年生女子の感想を聞くことができた。
心温まるメッセージへのお礼。
今年の卒業式が例年とは違うものでがっかりしたが、ビデオメッセージを見て元気が出たこと。
中学生になることへ不安もあるが、友達と協力して頑張るという決意。
それらが述べられた後に、「私たちもサッカーの試合がふだんどおり行われるようになったら、がんばって浦和レッズを応援します!」という、うれしい言葉で結ばれていた。全文はクラブに伝えた。
制約が多い中での卒業式は運営する先生たちも大変だっただろう。広い体育館(講堂?)が寒々と感じてしまうような人数だったかもしれないが、心温まる式になるよう、工夫を凝らしてくれたのではないかと想像する。
あるべきものがない違和感。今日、そんな思いを味わった人たちが市内のあちこちにいたはずだ。
そんなこんなで今日、大原の午前練習が終わってから、埼スタへ桜を見に行った。
卒業式と言えば桜、例年ならはホームゲームで埼スタの桜を満喫している時期だな、という発想だった。
満喫と言っても、この時期、桜はそこにあるのが当たり前の風景だし、試合日は埼スタに着いたときから試合モードなので、あまり桜を楽しむ余裕もなかったことに気がついた。
試合日の風景を写真に撮ったとき、そこに桜が写り込むことはあっても、意識して桜を撮ったことってあっただろうか。もしかしたら今日が初めてだったかな。
そして、この写真には、本来ここにいるはずのものが写っていない。
僕が味わった、あるべきものがない違和感だった。
EXTRA
と締めてみたが、当初予定されていた今年のホームゲームは3月18日(水)と4月4日(日)で、今日はその間だ。もしかしたら18日ではほとんど咲いておらず、4日ではほとんど散った後だったかもしれない。
それと今日は風が強くムチャクチャ寒かった。もし今日が試合だったら、外で開門を待つのに難儀しただろう。
(文:清尾 淳)