レフェリーが選手に警告するとき、Jリーグではイエローカードを出してから記録するが、イングランドでは順番が逆のようだ。その訳を知りたくてJリーグに電話し, 理事の藤口光紀さんに聞いてみた。
「うん?イングランドでは本当にみんなそうしているの?」
っと、と、「みんな」と言われると確信がない。僕がイングランドで試合を見たのはいろいろ合わせても8試合。全部のイエローカードについてそうだったかどうか、覚えていない。これからテレビで見るときはそれに注目していよう。
「Jリーグでは、カードはすみやかに出すようにしているんだ。今の行為が警告に値することだということを選手にも顧客にもまずわからせる、ということなんだな。もちろん威圧的にしろとか派手にやれとかいうことじゃないよ。でも今の日本の状況では、カードを出すのを遅らせると、よけいに混乱することが多い。最初に判断を示すことが必要だということだな。」
なるほど。あとから出すと、選手があれこれ言ってよけいに混乱するかもしれないな。
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「イングランドではフェアプレーということを選手も顧客も大事にしているから、そういう行為があった時点でみんなわかっちゃうんじゃないかな。だから急いでカードを出す必要もないし、出し方もさらっとしているんだと思うよ。だけど順番が決まっているのかどうかはわからない。レフェリーに任されてるんじゃないかな。」
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99年11月3日、横浜マリノス-浦和レッズ戦では両チームあわせて6枚のイエローカードが出た。
ペトロヴィッチ「ようよう、あいつ2枚目じゃねえか。ちゃんとつけてる?」
モットラム「あんたに言われたくないなあ」
・・・んな訳ないか
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はあ。日本では選手にも顧客にもまだまだフェアプレーの精神が浸透していないという
ことか。なんだか寂しい気もするが、確かにそうかもしれない。ルールを守ることが常識
になっていれば、処罰も必要ないということか。でも、あのリスタートを止めるのはいただけないんじゃない?
「別にすぐに記録しなければいけないという訳ではないよ。状況によってはそのままス
タートさせて、後で書く審判もいるはず。でも、新しい人なんか忘れちゃうといけないから、すぐに記録するようだね。」
そうだったのか。記録を付けるのは決まっていないのか。たしかに、すぐに試合を再開させるシーンも見たことがある。できればリズムは崩してほしくないなあ。
ところで、Jリーグに97年の途中からレスリー・モットラムという審判がスコットランドからきている。今年も笛を吹くそうだ。この人が好きな人は多いだろう。試合の流れが止まらないし、選手もやりやすそうである。何せ”あの”ペトロヴィッチが「グッド・レフェリー」と言うんだから。この人も先にカードを出して、後から記載していた。スコットランドがどうなっているのか知らないが、もしイングランドと同じだとしたら、Jリーグに来たときに「日本ではこうですから」と説明したのだろうか。今年スタジアムで会ったら聞いてみよう。
(1999・2・9)