コラム

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「彼が試合を見ずに寝た理由」
清尾 淳
 


 5月27日の未明(日本時間)に行われた、ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグの決勝、マンチェスター・ユナイテッド(以下、マンU)対バイエルン・ミュンヘン戦のハーフタイムで、大のマンUファンである佐藤仁司さんが意外にも寝てしまっていた。試合が終わってしばらくして僕が電話したときに、彼はまだマンUの劇的勝利を知らなかったのだ。どうして?その理由を聞いたのはその日の夕方だった。

 「実は準決勝のユベントス戦のとき、つい僕が寝てしまった間に点が入って同点になったり逆転したりしたんです」。
 準決勝のマンU対ユベントスの2試合はいずれも、マンUが先行されておいついたり、終了ギリギリに決勝点を入れたりしていた。その瞬間、佐藤さんはたまたま寝てしまっていた、というのだ。

 だからって、眠くもないのにハーフタイムで寝るか!決勝だよ、決勝。信じられないよ。
 ゲンをかつぐことは誰しもよくある。僕も今年のレッズ戦をテレビ録画するときに、延長まで計算して予約すると延長になってしまうから、わざと2時間で終わるようにセットしたり(そしたら延長にはならなかったけど、広島に負けた)、そもそも録画予約自体をしなかったり(そしたら鹿島に勝った)した。

 でも試合そのものを生で見ない、というのはびっくりした。あの試合は前半の早い時間にバイエルンに点が入った。その後同点にもならず、バイエルンに2点目が入る訳でもなかった。守りの強いバイエルンが守備的になるだろう後半は、ますますマンUの得点が難しくなる。そう読んだ佐藤さんは、自分のジンクスに思いをたくしてベッド(布団かもしれないが)に入ったのだろう。

 自分が生で試合を見ることより、好きなチームが勝つ可能性が少しでもあるほうに(それもまったくの神頼みだよ)賭ける。熱狂的なファンとはこういうものか。少し自分の認識を広げなくちゃいけない。「ふつう、あのハーフタイムに寝るか?」などと思った自分が恥ずかしい。
 だったら5月29日の瑞穂でもハーフタイムに寝てもらえばよかった?

 ところで99−68=31。誰だ?37なんて思ってたのは。前回の原稿でマンUのヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグ(昔はカップ)優勝が37年に1回なんて書いてあったけど、31年の間違い。もう直しましたけど。

(1999年6月1日)