コラム

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僕の「小野像」はこうなんだけど
清尾 淳 


 「暴行事件」報道は、小野伸二選手のふだんのイメージからは誰も信じないだろう、と書いた。でも本当のことを言うと、あの週刊誌(名前は絶対に宣伝してやらない)の記事と似たようなことがあったとしても、僕の中の「小野像」は変わらないのだ。というより、その方が僕の知っている小野選手らしい。

 誤解されると困るのだけれど、小野選手に暴力的なイメージがあるというのではない。絶対にうぬぼれ過ぎないが、逆に謙遜しすぎることもない小野伸二は、自分からケンカを売ることはあり得ないが、理不尽に売られたケンカに逃げることもなさそうだからだ。

 9月7日、国立で行われた五輪代表壮行試合「日本−韓国戦」に出場した中田英寿選手の印象を聞かれて、小野選手はこう答えた。「今の僕がかなうはずはありませんから」。たしかに「リハビリ中の」小野選手を中田選手と比べることはできないし、ケガをしていなくても、セリエAで1年以上もまれている中田選手より小野選手の方が上ということはないだろう。しかし、この言葉には「いつか追いつき、追い越します」という自信を感じた。何とも彼らしい言葉だと思う。レッズに入ってから、彼のこういうさりげなく自信にあふれたコメントをずっと聞いている僕は、思わずニヤリとしてしまった。

 有名人をからかってやろうと因縁をつけてきたヤツに制裁を加える。痛くもない腹を押さえて「殴られた」と騒いでいるヤツに「痛いんだったら病院行けよ」と言う。有名人だからって、やられっぱなしでいる訳じゃないよ、という方が僕の知っている小野伸二らしい。そして、そんなことで彼の素晴らしさはいささかも傷つかない。

 でも残念ながら(?)「友人の肩にかけた相手の腕を振り払おうとしたはずみに、腹に手が当たった」というのが本当のようだ。制裁を加える価値もないヤツだったということかな。

(1999年10月13日)