さいたまと
ワールドカップ





COLUMN●コラム


#042
今回こそレッズの在り方を考えるとき


 レッズの中川、横山両氏の代表、GM留任が先に発表されたことで、2000シーズンのレッズをみんなで考えるタイミングが遅れてしまった、と前回書いた。

 本来、大事なことは「誰が代表やGMをやるか」ではなく、「代表やGMがこれから何をやるか」のはずだ。フロントは「変」わらなければならないと僕も思うが、フロントが「替」わらなければ駄目だ、とは思わない。人が替わったら良くなるという保障はないからだ。

 今しなければならないことは、レッズにとって何が良くないことで、何が良かったことなのかを検証し、新しいシーズンに臨む方針をフロントが打ち出すことだろう。その方針がレッズを1年でJ1の復帰させ、その後優勝争いに加わるチームに引き上げるに十分なものなのか。その方針はどういう体制で遂行することが可能になるのか。根を詰めた作業を急いでやっていかなければならない。

 そういう中で、天皇杯が終わった後のレッズサポーターがやるべき、最も大事なことは、これまでレッズが犯した失敗を全部洗い出すことだったと思う。シーズン中は、ぐっと我慢してきたことがずいぶんあるはずだ。「今は闘いの最中だから、言うのはよそう」、そう思って腹に収めてきたことを、言えばいい。けっして「フロント留任反対」という言葉だけに集約されてしまうほど単純なものではなかったはずだ。その中にはクラブ自身がよく自覚しているものもあれば、失敗とは言えないものもあるだろう。しかし、いずれにしても、そういう作業を経て新生レッズを誕生させる青写真ができるのだと思う。

 思えば、これまでレッズの在り方まで含めた議論がサポーターを巻き込んで行われたことは、ほとんどなかった。そういう議論の契機は94年、97年、そして99年という成績低迷の後にきてしまうのだけれど、どうしても監督やフロントの責任問題=退陣要求というわかりやすいことが前面に出てしまった。

 Jリーグの他クラブの事例が豊富にある現在、レッズがクラブ作りの議論を地域ぐるみで行える材料はあるし、今はその議論を巻き起こさなければならない時期だ。

 それは可能だ、と確信している。大晦日から元旦にかけてのテレビ埼玉の討論会を終えて、ゲストコメンテーターでレッドダイヤモンズ後援会運営委員の福田知孝さんと、フリーライターで「レッズと浦和〜サッカー純愛物語」著者の山岡淳一郎さんと感想を語り合ったときに、山岡さんが言った。「フロント辞めろ、という声がなかったね」。

 なるほど、確かにそうだった。続出したレッズのフロントへの批判の中にそのことも含んでいたのだろうけど、「フロント辞めろ」というより、「レッズにこうあってほしい」という思いをみんな言いたかったのだろう。テレビではどう伝わったかわからないけれど、スタジオの中にいた僕には、そう伝わってきた。

 今はレッズのことを地域ぐるみで議論し、大きく変えていける絶好のチャンスだ(「絶好の」というのが悔しいけれど)。

 そのためには、耳の痛い言葉にも真正面から向かい合い(決して頭を下げて嵐が静まるのを待つのではなく)、その中からレッズの進む道のヒントを見いだしていく。それが一般スタッフも含めたレッズのフロントが責任を取る第一歩だ。

 MDP増刊号への意見もお願いします。1月7日ごろまでに。

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(2000年1月3日)