さいたまと
ワールドカップ





COLUMN●コラム


#053
  「レアもの」マッチデー・プログラム


97年の3月4日、ロンドンで1部リーグのチャールトン・アスレチックの試合を見 た帰り、ショップでとんでもないものを発見した。古いマッチデー・プログラムらしきものが10数冊、ビニール袋に入って売られている。チャールトンのものだけでなく、他のチームのものもたくさん入っている。値段は何と3ポンド半!こんなことしていいの?と思いながら3セット買ってきた。

 バラして時代の匂いがするプログラムを並べてみた。最も古いものは1964年4月25日のレイトン・オリエント(ロンドン)のもの。B6判16ページ、表紙のみ2色で中はモノクロ。値段は6dとある。これ、日本円でいくらだ?

 そうかと思うと、ウエスト・ハムの試合の日には、スタジアムのそばに「マッチデー・マーケット」(命名・清尾)があるのだ。露店なのだけれど、ウエスト・ハムのバックナンバーはもちろん、イングランド、スコットランドのほとんどのチームのマッチデーを売っている。希少価値がありそうなものには、たった4ページのモノクロのプログラムなのに、「20ポンド」(!)とかいう値段がついている。どうして、そのプログラムが「レアもの」なのか、知識の乏しい僕にはわからなかったが、マニアから見れば、それなりの「お宝」なのだろう。

 サッカーの試合にはマッチデー・プログラムがある。生まれたときからそれが当たり前のこととして育ってきたサポーターにとって、プログラムはチケットと同じように試合の必需品なのだろう。親父と息子が並んで歩きながら読んでいる姿、体と声がデカいアンちゃんのジーンズの尻ポケットに、丸めて突っ込まれている姿、イングランドの試合の日におなじみの光景を見るたび、うれしく、そしてうらやましくなってしまう僕なのだ。

 レッズのMDPで、最初に「レアもの」になるのはどの号だろうか。


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  1. 有名チームのプログラム。左から、上段はトテナム、リーズ、アストン・ヴィラ、中段がチェルシー、シェフィールド・ウエンズデー、リヴァプール、下段は全部今シーズンのもので、マンチェスター・ユナイッテッド、ウエスト・ハム、ウインブルドン、アーセナル。
  2. プレミアリーグだけじゃない。ディビジョン1から3まで、すべてのチームがプログラムを出している。中央の赤いのがチャールトン・アスレチックのもの。同チームは98/99シーズン、プレミアに上がった。1年で落ちたけど。
  3. チェルシーのプログラムの歴史。上段左から76/77シーズン(15p)、77/78(20p)、78/79(25p)、88/89(2£)、91/92(1.3£)、96/97(2£)、98/99(2.5£)
  4. マンチェスター・ユナイテッドのプログラムの歴史。上段左から78/79シーズン(12p)、88/89(60p)、96/97(1.5p)、97/98(1.8£)、98/99(2£)、99/00(2£)
  5. リヴァプールのプログラムの歴史。上段左から80/81シーズン(30p)、81/82(30p)、91/92(1£)、95/96(1.6£)、97/98(2£)
  6. 20年以上前のプログラムを集めてみました 上段左から63/64シーズンのレイトン・オリエント(6d)、66/67のクイーンズ・パーク・レンジャーズ(9p)、67/68のストーク・シティ(9d)、72/73のミルウォール(7p)、73/74のミルウォール(7p)、73/74のレイトン・オリエント(10p)
 ※p・ペンス=約1.8円/£・ポンド=約180円(いずれも現在のレート)//d・この貨幣単位はわかりませんでした。どなたか教えてください。
(2000年3月2日)