さいたまと
ワールドカップ





COLUMN●コラム


#073
  「語る会」のリハーサル(その1)


1・モンテディオ山形には、5月7日の1回戦で、90分守られ、最後にスキを突かれて負けた。

そして7月1日の2回戦でも、同様の作戦に出た。まず耐えに耐えて、レッズのあせりを待つというものだ。

 レッズとしては、まず1点を取り、相手のゲームプランを狂わせることが重要だ。ゴール前に人を固められているときには、流れの中で崩すよりも、セットプレーの方が有効のはず。今季、第23節までの49得点のうち、セットプレーからのものが3割以上の16点もあるのは、レッズの力が上がったからというより、J2だからだろう。

 そういう意味では山形に限らず、立ち上がり引いてくるチームに対しては、崩して得点という狙いよりも、セットプレーを重視した方がいい。今季はペナルティエリア近くでのFKやCKが少なくないのだから、これの練習にもっと時間を割いてもいいのではないかと思うが、どうだろうか。


2・アウェーでの立ち上がりの悪さは、もはや偶然ではない。

 4月23日の仙台が最初だった。その後はそうでもなかったが、6月1日の甲府、6月10日の新潟、6月24日の大分、そして7月9日の鳥栖。他のアウェー戦の立ち上がりが良かったという訳ではないが、この5試合は特にひどかった。暑いとか、デーゲームだとか、移動の後で体が重いとか、言い訳はいっぱいあるだろうが、いい加減に修正すべきだ。選手の気持ちの問題もあるだろうが、日ごろの練習のリズムなどに問題はないのだろうか。


 3・上記のアウェーの立ち上がりが特に悪かった5試合。共通していることがある。

それは相手が最初からガンガン攻めに来た、ということだ。

 J2では、レッズに対してみんな引いてくるから攻めにくい、なんて言われていたが、なんのなんの。仙台、新潟、鳥栖、大分、甲府。この5チームにはガンガン攻めに来られた記憶がある。特に相手のホームでは。

 開幕のMDP153号で僕は「TALK ON TOGETHER」にこう書いた。

 相手チームの戦い方については「ガチガチに守って、一発カウンター狙いだろう」という人が多いが、私が監督だったら「レッズには負けてもともと。ノーガードでもいいから最初からガンガン攻めて、うまく先取点を取れたら11人で守れ」と指示する。

 さすがにプロの監督は「ノーガードでもいいから」とはならなかったが、ガンガン攻めて来るチームが意外に多い。攻めに来る、というより「激しく動く」と言った方がいいか。選手の能力の差、いや給料の差を2倍、3倍の運動量で埋めようという気迫だった。そして、そういうチームにレッズは苦戦しているのだ。

 7月9日の鳥栖戦の途中、僕は取材ノートにこう書いた。「給料はレッズが5倍、運動量はサガンが3倍」。


 上記について、みなさんの意見を求めます。

HAG03546@nifty.ne.jp

 
(2000年7月11日)