さいたまと
ワールドカップ





COLUMN●コラム


#075
  うまい選手ばっかり並べても…
      ~「語る会」のリハーサル(その3)


5・今年のレッズについて「戦力から言えばJ1クラス」と言うのは、厳密には間違いだと思う。

 能力のある選手の数で言えば、浦和レッズは間違いなくJ2の中で群を抜いているし、J1のいくつかのチームよりも上だろう。しかし、それが「戦力」と呼べるものになっているかどうかは別だ。

 選手個人の能力がいかに高くても、それをきちんと発揮しなければ意味がない。さらに、サッカーはチームでやるスポーツだから、選手の特徴がチームとして生かされるような使い方をしなければ、選手の能力がチームの戦力になっているとは言えない。今のレッズはそう考えられないだろうか。

 トランプのAや絵札は強いカードだ。しかしポーカーで言うと、手のなかに絵札ばかり5枚あっても、スペードのKとQ、ダイヤのQとJャック、ハートのJだったら、単なるツーペアだ。2や3のスリーカードに負けるのだ。

 麻雀でも、1と9を三種類ずつ全部と東西南北、白発中の字を1枚ずつ集めると、国士無双という大変に高い手になる。しかし、この手はちょっと狂うとどうしようもなくなるのだ。

 まあゲームに例えるのはこれくらいにして、サッカーで選手を選ぶ場合、ただうまい順に11人選べばいいというものではない。GKやDF、MF、FWというポジション別の配置は当たり前だが、MFやFWの中でもバランスが必要なのではないか。これまでのスタメンを見ると、ときどきうまい選手を順番に選んでいて、汗かき屋さんや、二列目から飛びだしていく選手、ゴール前でつぶれる選手、という役割分担が二の次になっているように感じるときがある。

 斉藤監督は、よく取材で「能力の高い選手が多くて起用に迷いますね」と聞かれて、「調子の良い順に使っていきますよ」と答えている。こんな的外れの質問にまともに答える必要はないから、これが本音だとは思わないが、チームのバ戦術を重視すれば、能力の高い選手をはずす決断もたまには必要だ。逆に能力の高い選手をはずしたくないのだったら、違う戦術を採用することも必要だろう。

 将棋で飛車と角が2枚ずつあったら、鬼に金棒のような気がするけど、実際には桂馬や銀がないと、うまく攻められないのだ。


 上記について、みなさんの意見を求めます。

HAG03546@nifty.ne.jp

 
(2000年7月15日)