さいたまと
ワールドカップ


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COLUMN●コラム


#124
やっぱり埼スタでやるんだよね

 2002年ワールドカップのグループ組がいよいよ決まった。1日の抽選会を見ていたけれど、中央の司会者がいちいちガチャポンのボールみたいなのをもらいに行っているのが面白かった。やっぱり抽選者は地位の高い人だから、持って来させるなどとんでもないことなのか?でも、あの司会者の仕種が何となくマジシャンに見えて、途中ですり替えられてもわからないな、とか思ってしまった。


 さて日本と同じHグループに入った国についての興味はもちろんあるが、それと並んで、いやそれよりも気になるのは、イングランド、スウェーデン、カメルーン、サウジアラビア、それとベルギーだ。要するに埼玉スタジアム2002で試合を行う国のこと。今ごろ埼玉JAWOCのボランティア事務局では資料集めにおおわらわかもしれない。
 英語、アラビア語に、ベルギーはフランス語、オランダ語、ドイツ語かな?カメルーンはフランス語と英語で大丈夫そう。スウェーデンはスウェーデン語だけど「アバ」ってスウェーデン出身だっけ?じゃあ英語も通じるかな。向こうも埼玉のこと、とりわけスタジアムの情報を集めるだろうな…。


 ここまで考えて、さて埼玉スタジアム。ここで想像が止まってしまった。僕はNHK衛星で抽選会を見ていたのだけれど、スタジオゲストの森岡選手が埼玉スタジアムの感想を聞かれて無難に答えているのを見て、「半年で芝を何とかしてほしいです」と言わないかなあ、と思っていた。見かけよりフツーの奴だな、あいつ。
 あそこでやるのか、やってしまうのか。これから半年で、あのスタジアムはどう改善されていくんだろうか。


 11月7日、日本−イタリア戦の後で、朝日新聞が出した号外の2面(裏面)に、埼スタの特集があった。ちょっと原稿に補足してみよう。


(原文)
「スタンドは大きく分けて3層に分かれる。最上部の観客席は46mの高さにあるが、スタンドが大きく内側にせり出しているためにピッチまでの距離をあまり感じさせない」

(訂正後)
「スタンドは大きく分けて3層に分かれる。最上部の観客席は46mの高さにある(のでエントランスから自分の席を見つけた観客は、昇り降りにうんざりする)が、スタンドが大きく内側にせり出しているために(見る角度が急で、まるでテレビゲームを見ているようである。)ピッチまでの距離をあまり感じさせない(代わりに、試合になると選手の顔はわからないし、背番号も読めない)」


(原文)
「陸上トラックがある場所に、観客席1万6千人分がつくられているのも特徴だ。最前列からタッチラインまでが14mと、手が届くような近さだ」

(訂正後)
「陸上トラックがある場所に、観客席1万6千人分がつくられている(から下層部分の席から見る角度がなだらかな)のも特徴だ。最前列からタッチラインまでが14mと、手が届くような近さだ(が、当然のことながら後ろへ行くほど臨場感は薄れる)」


(原文)
「背もたれつきの席は幅も広く余裕を持って観戦できる。配置も全席からピッチの隅々が見渡せるよう計算されている」

(訂正後)
「背もたれつきの席は幅も広く余裕を持って観戦できる。配置も(自分の前に誰もいなければ)全席からピッチの隅々が(場所によっては選手が豆粒のように、あるいは横から見るようになるが)見渡せるよう計算されている」


(書き漏れ)
「ピッチの芝の状態は最悪」
「アクセスは、時間がかかることを覚悟しておけば、きちんとしている」


 なんて嫌な奴だろう、僕って。
 でもね。本当にメーンやバックのアッパースタンドは最上部の席に当たった人は気の毒なくらい急な階段を登らなくてはならない。コンコースに行ったり来たりするのは嫌になると思う。それにその場所から試合を見ると、誰が誰かわからず、まるでテレビゲームみたい、と言っている人が多い。
 下の席は下の席で、最前列は確かに臨場感があるけれど、角度がない分距離感がつかみにくい。それに後ろの方の席はやっぱりピッチからは遠ざかる。さらに、傾斜がなだらかだから前に座った人の背が高いと頭が邪魔になる。イギリス人なんてデカイぞ。みんな。たぶんスウェーデンやベルギーもオランダ、デンマークと近いから、大きいはず。


 埼スタの悪口を言う気はまったくない。ウソだろうって?違うよ。要するに、そういうスタジアムなんだってことをきちんと見つめた上でやっていこうよ、と言いたいだけ。
 たとえサッカー専用スタジアムでスタンドがピッチに近いからといって、6万3千人がみんな近くに座れる訳じゃない。やっぱり見にくいところは見にくいよ。
 アッパーの席は選手個々のテクニックは分かりにくいけれど、チーム全体の動きが一度に見渡せるから、特にボールのないところでの選手の動きとか、ラインの上げ下げなんかはよくわかる。下の最前列は逆にボールのないところのプレーとか自分の位置から遠いエリアは見にくいけれど、選手の顔はよく見える。それぞれに一長一短があるんだ。ちなみにどちらもまあまあ、というのは記者席だけどね。


 どこからでもピッチの隅々が見渡せる、なんてのはスタジアムの宣伝文句でしかありえない。6万3千人が入ったら必ず前にも人がいる訳で、アッパースタンドならともかくロアーそれも下の方は、やっぱり邪魔になるさ。そんなの当たり前。
 全席の3分の2を屋根が覆うったって、実際に雨が降ったら、まったくぬれないのは半分くらいじゃないか?もちろん半分の人は快適なんだけど。


 すべてに渡って素晴らしい、みたいなことを言うから、じゃあここはどうだ、という反発も強くなる。設計者や埼玉県の関係者の目ではなく、実際の観客の意見を総合して事実を見つめていった方がいい。もちろん埼スタは立派なスタジアムだ。こういう不便もあるし、ここは良くないけど、こんな素晴らしい部分がある、というふうに。いわば「真・埼スタガイド」みたいなものができていけば一番いい。それは口コミでもなんでも。できれば来年、レッズが使うまでにはほしいね。

(2001年12月3日)


(おまけ)
公式戦で使う前ならともかく、10月13日のレッズ−横浜M戦を終えた後でも、こんな宣伝記事を載せなければいけないなんて、ワールドカップのスポンサーになると配慮が大変だね、朝日さん。うち(埼玉新聞)はならなくて良かった。←イソップ「すっぱいブドウ」参照。