さいたまと
ワールドカップ


●INDEX

●バックナンバー
●ご意見・ご感想
COLUMN●コラム


#153
頑張れ仙台サポーター

 GKの1位が高橋範夫か、いいなあ。お、MFも岩本輝雄が1位じゃないか。ん?DFは小村徳男が3位、FWも山下芳輝が3位か。いかんなあ、もっと上に行かないと。おお!監督は清水秀彦が1位!やるじゃないか。頑張れ。目指せ、5部門1位!いや監督を除く各部門で2名当選だ!


 J1オールスター戦のサポーター投票は第2回中間発表でもベガルタ仙台勢が上位を占めている。他チームのサポーターや訳知り顔のジャーナリストは「仙台サポは何を考えているんだ!」と憤慨するかもしれない。あるいは「組織票による上位入りは意味がない」というかもしれない。
 だが僕はそうは思わない。オールスターのサポーター投票が現在の制度である限り、どのチームの誰が上位になろうと、誰も批判する権利はない。それは公職選挙法に基づく選挙結果と似ている。たとえ誰が当選しようと、それが「有権者の意思」であるのと同じように、誰が1位になろうと、それが「サポーターの意思」なのだ。


 ちょっと待ってくれ。それは「全サポーターの意思」ではなく、「仙台サポーターの意思」だろうって?おいおい、全サポーター>仙台サポーター、なんだぜ。そんなこと言ったら選挙で当選した人は「有権者の意思」ではなく「○○党支持者の意思」だって言われちゃうぜ。たとえ、そうであったにしてもそれは「民意」なのだ。
 例えばGK部門なら、間違いなく全国のJリーグサポーターの投票の中で、高橋の方が曽ヶ端よりも445票多かったんだ(第2回集計時)。「投票した人の数」ではなく「投票の数」というところが選挙との違いだがね。
 「オールスターの投票数=サポーターの数×サポーターの熱意」みたいなところがあるから、それが今回のミソだ。初のJ1昇格、しかも快調な勝ちっぷりを見せた仙台のサポーターは熱意たっぷりだろうから。


 誤解されてはいないだろうけど、念のため言っておく。僕は仙台サポーターをおちょくってる訳ではない。オールスターについての僕の考え方は、このコラムのNo92で書いた通りだ(そう言えば、あの文の中で本並健治に※がついているのは間違い)。付け加えて言えば、何も一体感を感じない東西の分け方では、プロ野球のオールスターの「セ・リーグ」「パ・リーグ」のような仲間意識すら持てない。たとえば大分と福岡がJ1に上がり、札幌と仙台が落ちたとしたら、今年西軍の横浜Mと清水は東軍になってしまう(ゴメン、札幌サポ&仙台サポ。地理的な関係で名前を出しただけ。他意はない)。そもそも、どう考えても関東の横浜Mが今回西軍に入っているのは違和感がある。


 今の仙台サポーターの気持ちはよく分かるし、何一つ間違っていない。ただ、96年に憤りを感じた先輩としてエールを送りたかったのだ。96年には、最終発表段階で、それこそ「組織票」による逆転なのか、何らかの「政治的判断」があったのかわからないけれど、途中まで10人がノミネートされて、ほぼ独占状態だったレッズの選手は、結局4人しか出場できなかった。そんなことにならないよう、仙台サポには投票締切りまで気を抜かないで頑張ってほしいのだ。


 それにしても見事なくらい、レッズの選手が3位以内に入っていないなあ。


(2002年5月27日)