●INDEX

●バックナンバー
●ご意見・ご感想
COLUMN●コラム


#164
スタミナ

 7月20日の国立2万8千人というのは、「浦和祭り」がかなり影響しているよ、と地元の関係者が言っていた。やっぱり年に一度の祭りを大事にする人は多い。国立に来た人の中にも「地元の顔役に謝って来たよ」と言う人もいたから、与野もこの日祭りだったことを合わせれば、日によっては1万人ぐらい違っていたのかもしれない。
 と思ったら24日は浦和競馬場の花火かよ。せっかく花火を見やすいところにマンションを買ったMさんたち、気の毒に。ん?アウエーだからって応援に行かずに花火見物ってことはないよね。


 ようやく勝った。最下位の札幌相手に勝ち点2、ということが納得できなかったのか、試合後はブーイングも飛んでいたけど、もし前々節で札幌が神戸に勝っていたら(勝ってもおかしくなかったらしい)勝ち点は6で並んでいたのだから、札幌をそんなに格下と見ることはない。
 テレビ埼玉の中継で上野さんが、「4試合連続延長」とか「3ヵ月ぶりの勝利」を連発していたけど、間にナビスコをはさんでいるので、あまりそういう実感はなかった。1stステージはチームの成長度合いを見るということで、どちらかというと前半7試合と後半8試合を完全に分けて考えていた僕だったが、言われてみてハタと気づいたのがリーグ戦9試合のうち半分を超える5試合が延長だということ。
 その5試合の結果は2勝1分け2敗で、今のところ五分。去年のリーグ戦の延長が1勝4分け4敗だったことを思えば、これは競り合いに強くなってきた、といってもいいのかな。


 チームの型が何も定まらなかった去年までと比べてどうこう言っても始まらないのかもしれないが、一つ確実に向上しているのはスタミナの点。札幌戦の延長はあの暑さの中でさすがにみんな疲れていたが、コンサの選手はもっと動けなかった。
 試合後、井原に「今日は終盤、ドリブルで上がっていく場面が見られたけど」と聞くと「みんなの脚が止まり気味だったので、動きを出したくていった。札幌もプレスにこなかったし」と答えてくれた。みんなが疲れているときに意識してそういうことができる、ということに井原のベテランぶりを感じたし、同時にタフさに舌を巻いた。攻め続けていた攻撃陣に比べればDFは運動量は少ないかもしれないが、攻撃で自分から動くのと守備で相手に合わせて動くのとは疲れ方が違う。
 井原は、再開前に「夏の試合は、これまでと同じにはいかない。走り負けしないようにしたい」と言っていたが、「走り負けしない」という決意だけではどうにもならない。ふだんの練習でいかにスタミナをつけるかが決定的だ。
 思えばレッズは7月の第一週の練習で、「おいおい、高校の部活かよ」というくらい走っていた。当然、選手はバテバテ。その週に行った拓殖大との練習試合には勝つには勝ったがヘロヘロだった。これに象徴されるように、オフトは就任以来、フィジカルトレーニングをかなり重視してきた。試合日程が詰まっているところでは無理だが、試合が1週空く8月17日以降あたり、また「地獄のフィジカル」が待っているような気がする。


 「厳しい競り合いになってきたら精神的な強さが要求される。しかし頑張ろうと思っても、体力がないと脚が前に出ないでしょう」
 就任当時のインタビューで答えてくれた内容だが、シーズン前のフィジカルトレーニングの成果は、まず16日間で6試合という無茶苦茶なスケジュールのナビスコカップで出たと思っている。
 次に成果を見るのがこの夏。特に20日、24日、27日の3連戦と8月4日、7日の2連戦はスタミナ勝負の要素もある。ステップ・バイ・ステップはじれったいけど、こういうことをバロメーターにするのもいいかも。だからって柏戦の延長はゴメンだけど。勝ち点3で、順位を一ケタに近づけてくれ。
 それとヘンな話だが、24日の柏戦は鈴木、27日の京都戦はエメルソンと路木。累積で休んだ選手には、他の選手以上に頑張ってほしい。
 だからって山田。柏戦で1枚もらって京都戦休むなよ。あんたは元々、人一倍タフなんから。


(2002年7月22日)