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COLUMN●コラム


#182
カゼでゾクゾク

 同年代の人なら分かるよな。
 昔、プロレスはほとんど3本勝負だった。どちらにも1本ずつは取らせて花を持たせるということだったのかもしれない。30年ほど前の日本でやっていたプロレスは、ほとんど日本人対外人(決して外国人とは呼ばなかった)の試合で、1−1から最後は日本側が勝つという展開が多かった。どちらかというと1本目は外人側、2本目は日本人がやられるギリギリになって取り返し、3本目もヘトヘトになりながら日本側が逆転勝ち。当時の日本人には、相手を最初から完膚なきまでにギッタギタにやっつける、というよりも、こういうギリギリの逆転劇がウケたようだ。


 最近のレッズはいろんなストーリーでわれわれを楽しませてくれる。10月19日のグランパス戦は、さしずめ昔のプロレスだ。相手のギチギチのマークに苦しむ若きエース、エメルソン。完全なファウルを見て見ぬフリするを凡レフェリー。思わぬ相手の先制点に万事休す。と思ったときに、帰って来たわれらがエース、福田正博。起死回生の同点ゴールの後は、勢いに乗ってよみがえった若きエースがVゴール。
 まったく、誰が筋書き書いてるんだ!と言いたくなった。というか、配役は違うけど、舞台は同じ埼スタ。2週間前のエスパルス戦の台本を使い回してないか?
 もちろん、たまにはサディスティックなまでに相手をやっつけるパターンで、われわれを楽しませてくれる。ヴィッセル戦のように。


 そんなことまで考えてしまう、今のレッズ。強い。というより、負けない。これでステージ開幕連勝記録を更新しているだけでなく、ステージをまたいだ連勝記録にも並んだ。埼スタでのリーグ戦勝率も五割を越えた。2ndステージで負けていないのだから当たり前だけど、今季一度負けた相手には必ず雪辱している。
 いろんな壁を破っている2002シーズン。2ヵ月前まで、レッズのこと、オフト監督のことを、誰が何と言っていたか思い出すのは次の楽しみにして、とにかく今はサポーターにとって幸せな日々が続いている。


 だが、これはあくまで小満足だ。小満足が次から次にやってくるから、下手をするとそれだけでお腹いっぱいになってしまうかもしれない。
 本当のわれわれの満足はタイトルだ。大満足はリーグチャンピオンだ。たしかに横綱相撲をするほどまだレッズは成熟していないが、たとえ来季、チームがもっと強くなったとしても、それだけで必ず優勝できる保障はない。試合の順番、代表の日程、出場停止、ケガ、そんなものも影響してくる。
 風。そう、風がどう吹いているかも、優勝の行方を大きく左右する。特に今のJリーグのような2ステージ制においては。それこそ今年のジュビロがいい例だ。磐田サポーターは順位表を見るたび「くそお、年間勝ち点ならダントツなのに!」と悔しがっているに違いない。


 今季はレッズに優勝の風が吹いている。こういうときに流れに乗らなくては、運を手放してしまうことになる。横綱相撲でなくてもいい。成長過程でもいい。レギュレーションに助けられたと言われてもいい。今季タイトルを取ることが、来季のステップアップに拍車をかけることになる。
 あと2試合。アントラーズとヴェルディにも負けずに、ナビスコ決勝に向かえば、小満足が満足に、そして大満足に変わる瞬間が近づく。
 今、みんなワクワクしているはず。来週の月曜日、2試合が終わった後にはゾクゾクしていることを信じている。


(2002年10月21日)


<追伸1>
  日曜日、こんなに力を入れてベガルタ仙台を応援するとは思わなかった。勝ち点2差のまま。あと6試合で、これは大きい。来週は逆にジュビロの試合が先にある。国立だからマリノスの応援に行こうかな。11月4日の下見も兼ねて。


<追伸2>
 11月4日のナビスコの決勝にMDPを発行してほしいというサポーターのみなさんの気持ち、十分いただきました。クラブ始め関係者は、その方向に向けて歩きだしています。クラブや僕に送られた、MDP発行を要請するメールなどは、もうその役割を十分果たしました。みなさんの熱意に、敬意と感謝を申し上げます。
 販売場所や販売方法についてまだ確定しないので公式発表はできませんが、遅くとも10月27日のMDP208号では告知できると思います。その際には、またご協力をよろしくお願いします。