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COLUMN●コラム


#190
気持ちはわかるがよく考えて

 試合の前からこんな準備をするもの変なものだが、準備しておかないといけないもの。「優勝報告会」が4日の夜、レッドダイヤモンズ後援会とクラブの主催で行われる。会場は駒場スタジアム。


 優勝の場所がホームでない場合、地元に帰って報告会をする。これは普通だろう。まだリーグ戦の最中だから、日をおかず、その日にやってしまう。これも仕方がない。
 問題なのは国立には4万人以上のレッズサポーターがいて、駒場のキャパが2万しかないこと。しかも昼間の間は駒場でパブリックビューイングをやっているのだ。どう詰めたって希望者全員が入りっこない。


 駒場のそういうイベントで思い出すのはワールドカップ中の6月9日。日本がロシアに勝った歴史的な日だが、係員を務めていた僕はその喜びもどこかへすっ飛んでしまった(詳しくはNo156参照)。
 今回もそういう懸念が話に上ったが、関係者はみんな即座に否定した。「レッズサポーターが駒場でそんな振る舞いをするはずがない」。
 もちろん僕もそう思う。しかし、キャパの関係はどうしようもない。何人かのサポーターに聞いてみると「入れなくてもいいから、近くには行きたい」と言う。
 すごくよくわかる。何にも悪意がないことも、もちろん知っている。みんなレッズの初タイトルを何度も何度も祝いたい。それだけなのだ。
 だけど考えてほしい。善意であろうと1万人が駒場周辺にあふれたらどうなるか。1万人では納まらないかもしれない。駅から駒場までの道がサポーターで埋め尽くされることにもなりかねい。「こりゃ駄目だ」と引き返そうにも身動きが取れないかもしれない。交通はマヒし、ケガ人も出るかもしれない。そうなれば選手のその後のスケジュールにも影響が出る。


 駒場が満員になったら、いろんな方法で(駅とか)告知されるはず。そうなったら、潔くあきらめてほしい。正直言って、企画の中身は「監督と選手代表のあいさつ」「花束贈呈」「グラウンド一周」。国立でやったことを短くしてやるだけだ。国立に行った人は二度見なくてもいいじゃないか。どうか協力してほしい。


(2002年11月2日)