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COLUMN●コラム


#194
本領発揮

 8月17日、1stステージの最終節。ジェフに負けて3連敗したとき、半月もたたないうちに8連勝が始まるなんて誰も予想できなかった。
 10月19日、グランパスに逆転勝ちして8連勝したとき、その後3連敗するなんて、しかもまたジェフが3敗目なんて絶対に想像できなかった。
 しかし、どちらも現実になっている。
 まったく今季は乱高下のシーズンだ。開幕3連敗(↓)から脱したと(↑)思ったらヴェルディにまさかの逆転負け(↑)。しかしナビスコの予選リーグはダントツで通過(↑)。期待のリーグ再開戦は勝ったり負けたりで、成長したかなと思ったら3連敗(↓)。そして8連勝に首位(↑)、ナビスコ決勝進出(↑)の後に決勝敗退(↓)とリーグ3連敗に優勝望み薄れる(↓)。
 そもそも今季は我慢の中にもチームの成長を見守りながら楽しむシーズンだったはずだ。「はず」というのは僕の勝手な言い分だけど、こんなに喜怒哀楽の激しい日々を送るなんて、話が違う。
 今季のスタート時点でのチームを30だったとする。1年でそれを60まで持っていく。60というのは、降格の心配はないよ、というくらいだ。それを来年は80、再来年は100まで上げるという、オフト監督のプランがあったとする(そんな数字では聞いていないが)。
 ところが試合の勝敗を見るかぎり、なかなか30~40から上がらないと思ったら、あれよあれよという間に80を越えて、もしかすると100まで?というところまでグラフの線が跳ね上がった。そしてまた急降下している。
 もしかしてチームの成長度合いは、最終的にやっぱり60くらいで落ち着くのかもしれない。犬飼社長が「3年待てない。2年だ」と言ったおかげで、来年は80でなく100にしなければならず、そのため今年は65か70くらいまでは上げておく必要があるのかもしれないが、いずれにしても当初のプランを7月時点で急に大幅上方修正することはオフト監督でもできないだろう。


 いいだろう。それは大いにやってほしい。レッズを強いチームに底上げしてもらわないことには始まらない。
 だけど実力と結果が必ずしも一致しないのがスポーツだ。今年の優勝の可能性が完全にゼロになった訳じゃない。もちろん天皇杯もあるけど、まだ始まってもいないカップ戦の5連勝を目指す前に、リーグで残り3戦全勝しよう。ジュビロやアントラーズに何が起こるかわからない。何よりも、ここで失速してしまったら、今季は記録の数字をいくつか塗り替えただけで、大きな変貌はしていないことになる。
 レッズが常に優勝に絡むチームになるために、もっとメンタル的に強くならなければいけないのなら、今こそそういう時期じゃないか。連勝しているときだけワッショイワッショイやるのか?決勝に行ったときにだけ応援に来るのか?それもいい。それも必要だし、ありがたい。でも、それだけじゃ済まないのがレッズサポーターだと思っていたけど、違うか?


 9日の試合前、国立競技場で金子勝彦さんにお会いした。
 「レッズはこれまでサポーターがチームを引っ張ってきたけど、ようやくチームが先行するようになりましたね。だからMDPも『よし、よし』だけでなく、もっと戦術批判や意見などを載せるようにしたらどうですか?」
 金子さんにはMDPを毎号お送りしていて、よく読んでくれている。僕は、よく考えて答えた。
 「おっしゃる通りだと思います。でも、まだチームが完全に引っ張っていくようになったとは思えません。シーズン中に戦術批判をするより、今はもう一段階上に上げることを考えます。上位に定着するようになったら、MDPでもそういう部分を増やそうと思ってます」
 大ファンの金子さんに少し逆らってしまった。しどろもどろだった。思い出すと顔が赤くなる。


 そうなんだ。まだレッズはサポーターが引っ張らないといけない部分がいっぱいあるんだ。特に今はそういう時期なんだ。2002年。この年をレッズとレッズサポーターが変わる年にするんだったら、ナビスコ準優勝とかステージ開幕8連勝だけじゃなくて、谷間に落ちかけたときに踏ん張る精神的強さが生まれた年にしたくないか?
 本領発揮。レッズサポーターにとって、そんな言葉が似合う今度のガンバ戦だ。


 そんなにテンション上げなくたって、わかってるよ。それより、こんなにリキんじゃって、MDPに書くネタは残ってんのか?
 そう、最近それが心配で。でも、ためておけないの…。俺って器が小さいから。

(2002年11月11日)

<追伸>
 10月27日のヴェルディ戦が終わった後、東側ゴール裏のサポーター、清水さんが「ガンバ戦には紙吹雪をいっぱい持ってきてください!」と叫んでいた。昨年6月のコンサドーレ戦を上回る「史上最大」の紙吹雪で選手を鼓舞したいと言っていた。ジェフ戦に負けた後、「厳しくなったけど、紙吹雪はどうするの?」と聞いたら、「やります」ときっぱり。このコラムでも呼び掛けてほしい、と頼まれた。
 紙吹雪の材料になる古新聞などを土曜日、駒場に持ってきてほしい、というお願いもあるが、それより来場する人がそれぞれ家で作ってきてほしい、という。他人が作ったものを「ハイ、お願いします」と配られて撒くよりも、自分で思いを込めて作って持って来てほしい、と言っている。自由席だけでなく、メーンを含めた指定席の人にもぜひ、とのことだ。大きさはハガキ大がおすすめ。スーパーの袋に1杯もあれば十分だろう。
 それとは別に、材料提供もよろしく、とのこと。運搬手段のない人は、土曜日の朝から市内を回収に回るそうなので、連絡を。彼を直接知らない人は僕の携帯メールmdpseio@ezweb.ne.jp へどうぞ。