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COLUMN●コラム


#202
はみ出し総括


 No202か。MDPが今年200号を越えるのはわかっていたけど、このコラムは1月7日がNo129だったから、ここまで多くなるとは思っていなかった。「週1宣言」した2001年の4月17日以降、その年の更新ペースが6.1日に1回。今年は平均4.8日に1回のペースで更新したことになる。
 No1が98年の4月28日。Jリーグ開幕10年の後半ずっと拙文を載せてきたのだけれど、「週1宣言」してからは、我ながらちゃんとやっていると思う。月曜更新が祝日以外でも火曜になったりするときもあるが、あれも何とか月曜中には管理者に送っているのだ。言い訳だが。


 何だか「ねえ、ぼく頑張ったよねえ」と親にほめてもらいたい子どもみたいになってしまった。そんなことではない。
 このコラムもMDPと同じでシーズン中は走りっぱなしだ。載せてから「ちょっと、まずいかな」と思うこともある。読者から指摘を受けて「なるほど」と気がつくこともしばしば。ほかのサイトで話題になっているのを見て、反省することもある。
 誤字、脱字の類は、直してもらうが、内容を変えるのはルール違反だと思うので、そのままにしておく。次の回で補足したりする場合もあるが、簡単には言えないこともあるからだ。
 だから年に1回ぐらい今季の自分の仕事をきちんと振り返って、自分なりの総括をする必要があるかな、と思う。自分の総括を他人に見せてどうする、と言われるかもしれないが、それがまたネタになるのもこのコラムの特性だ。という訳で、2002年の総括あるいは言い訳の長文コラム、始まり始まり。いつもの(いつもって?)倍以上あるので携帯で読んでいる人は注意を。


●No154(6月3日)「祭りの初日」
 〜No162(7月8日)「壁のサイン」


 時節がらワールドカップに関するものが9回続いた。
 途中、6月9日、駒場スタジアムで行われた日本−ロシア戦のパブリックビューイングの混乱について、びっくりするほどの反響があった。この期間は比較的時間に余裕があったので、なるべく返事を書いたが、アドレスも名前もないものには書きようがない。そういうものはたいてい、イチャモンである。出すほうも返事を期待している訳ではないのだからほっといてもいいのだが、少し一般的なテーマかなと思って紹介した「怪文書」(内容を問わず差出人不明のものを僕はこう呼ぶ)がNo159(6月17日)「『俺たちのもの』とは」だ。
 さて、このときの最後に「ようし、みんな。レッズが優勝した、そのときこそ、日本中がうらやましがるような、そんな喜び方、騒ぎ方を使用じゃないか」と書いた。正直言って4ヵ月後にその可能性で舞い上がってるとは思わなかった。じゃあ具体的にはどんなやり方だ、と言われても説明できない。
 ただ、今でもこう思う。周りで見ている人が「ああ、あの人たちは心からレッズの優勝を喜んでるな。あんなに喜べるなら自分も早くレッズサポーターになれば良かったな」と思えるようなものにしたいと思う。「あんなことするならレッズサポーターになりたくない」と思われるようなことだけはしたくないし、目の前でしていたら止めるだろう。
 レッズサポーターであれば何でも許されると勘違いしたような騒ぎ方はしたくない。本当に6月9日はいい経験をした。


No169(8月21日)「ホームスタジアム移転?」
 +No173(9月4日)「綱引きの応援団」


 朝日新聞に載った記事がきっかけになって「ホームスタジアム」移転問題が浮かび上がった。駒場か埼スタか。さいたま市と埼玉県の綱引きは度外視できない問題だし(押しつけ合いでなくて良かったね、ホントに)、入場料収入はクラブ経営の根本でもある。
 だがサポーターにとって大事なことはアクセス、チケットの取り方、スタジアムのムード、そしてチームの勝敗だ。
 チームの勝敗はともかく、アクセス、チケット、スタジアムのムードについては、個人の状況によって意見は千差万別だ。住んでいる場所、シーズンチケットを持っているかどうか、自由席か指定席か、ゴール裏かバックスタンドか…。結論が出るはずがない。最終的にはクラブが判断することだが、どういうことが起こりうるのか、今はどういうことになっているのか、より多くの声を聞くことが必要だ。
 そのための取材、意見の募集が今季は少なかった。もう少し時間をかけて取り組むべきだったか、と思う。なぜだろう?
 非難を恐れずに言えば、僕自身がスタジアムヘ行くのにアクセスやチケットの問題を感じていないからかもしれない。「自分自身、サポーター」と言いながらホームスタジアムには駐車場を確保してもらえるし、チケットを買うことはない。アウエーゲームへの交通費も宿泊費も経費で出る。並びの抽選にも当日の並びにも参加することはない。
 チームの勝敗や応援については人一倍敏感なくせに、スタジアム問題に身を入れなかったのは、そんな苦労知らずのサポーターだからなのかもしれない。
 朝日新聞の記事が「裏取り」なしの「トバシ」気味であったことは否めないが、それをきっかけにサポーターの間でスタジアム移転が話題になった。後を追うべきだったか、と思う。来季の課題にしよう。
 この件で、付け加えておくこと。それは、「浅い」新聞という表現についてだ。犬飼レッズ代表が相川さいたま市長と高校時代の同級生だったという記事は確かに誤りだが、新聞に対して「浅い」とか「不快」などという悪罵を投げつけたのは良くなかったと反省している。
 心情を吐露すれば、ワールドカップのスポンサーになって「オフィシャルニュースペーパー」などという報道機関としては考えられないような肩書をつける朝日社に対する不快感が根底にあった。そしてもっと胃の底まで吐き出せば、全国紙に対する零細地方新聞紙社員の嫉妬があった。「鬼の首でも取ったように言わなくても…」というメールが来たが、まさにその通り。巨人の鬼の首でも取った一寸法師の気持ちだったのである。


●No174(9月9日)「会食の相手」

 びっくりした。「清尾さんのコラム読んで、永井が移籍する、って言ってるサポーターがいますよ」と言われたからだ。
 読み返してみた。自分としては、とてもそう読めない。でも書いた人間と読む人間は違う。知り合いのサポーターに感想を聞いてみた。みんな、これが永井移籍を匂わしているとは思えないという。
 「もしかして、『まさか移籍?』と書いた後の『励まし、ハッパ、そういうことだろうと思っていた』という否定が不十分だったのかな?」
 「清尾さん、よく『思っていた』と書いた後に違う結論を持ってきますからね。強いて挙げればそこかな。でもこれは『永井が森さんや中村さんにハッパかけられて頑張って結果だした』と読むのが普通でしょうけど…」
 話が大きくなったのは、そう「深読み」した人が大野勢太郎さんのラジオの番組に「清尾がこんなこと書いてたけど、どうなんですか」と質問し、大野さんがはっきりと否定しなかったこともあるらしい。大野さんにとっても「寝耳に水」だったと思うから否定も肯定もできなかったのだろう。
 その後、しばらくして大原で、「清尾さん、『永井が移籍するって清尾がコラムで書いてる』ってFAXが来ましたけど、『清尾はそんないい加減なことをいう奴じゃない』って否定しておきましたから」と大野さんに笑いかけられて、お礼を言っておいた。だけど、そこまで言ってくれるなら、そのFAX読む前に僕に確認の電話くれたら、もっとありがたかったんですけどね(笑)。
 たとえ少人数でも誤解する人がいたのは僕の筆の不十分さだろう。あのVゴールの後の永井の表情を見て、こういう背景もあったんだよ、と言いたかったのだが、あまり凝るとこういう結果を生んでしまうのか。
 ただ、今後のために断言しておくけど、僕は選手の移籍に関して、正式発表前に匂わせたり、波紋を呼ぶ書き方で終わるようなことはしない。したこともないと思う。


●No181(10月15日)「首位」

 浮かれていた。でも、やっぱり恥ずかしくはない。浮かれていいときだっただから。試合で浮かれようとは、選手とサポーター自身が思っていなかった。試合の合間は浮かれてよかった。だって気持ち良くなるために応援しているんだから。
 総括すべきは、ここで書いた一言。「(いま楽しんでも楽しまなくても)駄目だったときの悔しさなんて、実は同じだよ」が当たっているかどうか。もし、あのときあそこまで喜んでいなければ、シーズンが終わった後の悔しさは少し軽減されていたのかどうか。みなさんどうですか?
 僕は、あの時点で浮かれていたことを全く反省していない。「思えば、サポーターもクラブもMDPもはしゃぎ過ぎましたね」と書いたハガキが来たけど、はしゃいでいたことは事実だが、そのことがナビスコ決勝敗退、リーグ戦6連敗という結果を招いた訳ではないから、「過ぎた」とは思っていない。近くで見ていて、それがチームに悪影響を与えたと思えないからだ。
 じゃあ周りが淡々としていたら、ナビスコは優勝していたのか。リーグで1敗しても立て直せていたのか。そういう問題ではないだろう。大原の取材陣の数はずいぶん増えたが、選手への取材が極端に長くならないように広報は気をつけていたし、前祝いで選手をあちこち引っ張り回した訳でもない。優勝したときの計画はしたが、それは必要なことだし選手に事前に言った訳でもない。周りが騒がなくても選手は「決勝」や「首位」、「初黒星」を意識しただろう。それが結果に影響したとしても、「サポーターやクラブやMDPのはしゃぎすぎ」のせいではない。選手自身の問題だ。
 では最後の一言はどうか。「結末は去年の阪神とは違うはずだ。だってレッズはまだ成長中なんだから」。
 2ndステージ8位というのは、去年の阪神の最下位よりはいいのか、それとも6位より悪いのか。うーん。


●No183(10月23日)「フライングMDP」
  〜No190(11月2日)「気持ちは分かるがよく考えて」


 「どうしたんですか。最近、しょっちゅう更新されてますけど」と言われた期間だ。たしかに多い。11日間で8回。ただ伝えたいことが多かったから仕方がない。ここで気がついたことを一つ。
 MDP特別号への投稿をこのコラムで募集したのは、通常号だと遅すぎると思ったから。しかし、いただいた約200通のメッセージのうち、半分が初めて拝見するお名前。つまり通常の投稿はしないが、この特別号にだけは思いを載せたい、という人が多かったのだ。これは初の決勝MDPだからというより、このコラムで募集をしたからだろう。通常のMDPは読まないが、このコラムは読んでいるという人が多いということだろうか。ありがたいけど、MDPを読んでないとわからない内容が多いでしょう、ここ。
 特別号を出してほしい、というメールをいくつもいただいたし、ホームページまで作ってもらった。クラブも発行を渋っていた訳ではなく、どうやってサポーターの手元に届けるか、そのことで最後まで悩んでいたのだった。ただ「初めての決勝を戦うアイテムとしてMDPが欲しい」というみなさんの熱意で出来たことは間違いない。僕はそれに乗っかって淡々と仕事をこなしたに過ぎない。苦労したのは、いただいたメッセージの4分の3を載せられないということで、産みの苦しみなどは全くなかった。
 だけど今のうちに断言しておく。「天皇杯でも決勝で特別号を」と何人にも言われたが、絶対に無理です!ナビスコは1ヵ月前に決勝進出が確定していたし、時期も普通のときだ。だけど天皇杯は28日に決勝進出チームが決まる。そして例えば今年は27日に多くの会社が御用納め。28日から1月5日まで、特定の業種を除いて仕事は休みなのだ。そして印刷会社というのはその特定の業種に入っていないんだから。MDPを印刷している会社も27日には機械を掃除して新年を迎える準備をする。デザイン会社ももちろんお休み。もちろんJリーグ主催ですらないのだから、国立で売るのはナビスコより難しい。僕やクラブ関係者がいくら頑張っても物理的に不可能なものは無理なのだ!

 (だけど1月1日も新聞は出てるじゃない)

 うん?

 (MDPって埼玉新聞社が編集してるんでしょ?)

 いや、そうだけど。デザインや印刷は別のところだから…。

 (でも、何とかなりそうな気がするけどなあ)

 もし埼玉新聞社で新聞チックなものを印刷するにしても、28日に勝ったら急に準備して元旦に出すなんて無理だよ。

 (でもMDPは水曜に試合があって土曜に出てるじゃない)

 あれは最後の部分だけ残しておいて他はほとんどできてるの。

 (じゃ、天皇杯もそれでいいじゃない)

 リーグ戦は出すことが決まってるから、他の部分を作っておくけど、天皇杯は決勝に行けるかどうか、準決勝が終わるまで未定でしょ。無駄になるかもしれない部分を作っておくのは難しいよ。

 (あれ?自分もサポーターだと言ってる人がそういうこと言うの?決勝に行くことを信じてチケット全部勝ってるサポーターが何人いると思うのさ)

 …。

 (まあ、来年のために研究してよ。デジカメも買ったんだし)

 想定される問答を書いてたら墓穴を掘ってしまったか。


●No193(11月8日)「その人たち」

 何かサポーターに伝える言葉はないか。どうやって、ナビスコに負けて下を向いているサポーターに顔を上げさせたらいいのか。そんなことを11月5日からの数日間考えていて。そして大原で坪井の言葉を聞いた。ジェフ戦はMDPはない。書くならこのコラムしかない。
 そう思って書いた。書いたことに後悔はしていない。最後の、「僕には似合わない」ぞんざいな口調も、その方が言いたいことが伝わると思っていたからだ。それも恥じてはいない。
 しかし、このころから少しおかしくなっている。この前のNo191(11月5日)「煮込み料理の味」からNo197(12月2日)「我慢の成果」を読み返すと、「お前、何リキんでんの?」と思う。ナビスコ決勝の前あたりからだが、自分をオピニオンリーダーか何かと勘違いしているのか、それともクラブの代弁者になったつもりか、という内容が多い。僕は実際にあったこと、選手の話などを基にして自分の感想を書けばいいのであって、サポーターがいま感じていることすべてを想定して、このコラムでそれにこたえるなどという大それたことはできない。
 スタジアムに行けばサポーターのリーダーがいて、みんなをあおったり納得させたりしてくれるし、試合では選手たちが自分のプレーでメッセージを送ってくれる。その領域に踏み込む必要など何もないのに。
 人前で話しているうちに熱くなって来る人がいる。僕も今年70回という、適正回数を越えたアップをしたため、熱くなりすぎたようだ。それとも、今年は多くのご意見、ご感想をいただいたために、読者を意識しすぎたのかもしれない。読み手を意識するのはいいが、書いているのはたかが僕。自分の容量を越えて熱くならないように気をつけよう。


●来年もやります

 僕は人からほめられるのが大好きだ。自分の悪口を言わない人と話したい。ほめられるとつけあがるのが得意だ。
 この年齢になると仕事でも付き合う人は年下が多くなる。サポーターになると8割が年下だ。こういう仕事をしていると、頭を下げるより下げられる機会が多くなりがちだ。必然的に僕の批判をする人は年々少なくなっていく。
 そうして駄目になっていく。
 前にも書いたが今年はコラムのご意見、ご感想をいっぱいいただいた。全部(たぶん)保存してある。「感動しました」「その通りだと思います」「清尾さんみたいな仕事をしたいです」…。身が引き締まる思いで読ませていただくが、気分はいい。自分が有名人になった気分である。
 一方、2割くらいある「勘違いしてるんじゃないですか」「思い上がりも甚だしい」という批判。そして1割くらいの「何言ってんの?」という無署名の怪文書。頭に来る。不快だ。指摘に納得することもあるが、気分は悪い。
 だからください。批判や文句。
 もちろん普通の感想もいただきたいが、来年も批判や文句を受けながら、このコラムを続けさせてもらうことにした。
 僕はいつも誰にも相談しないで、思ったことを書く。書くときは絶対にこれが正しい、と思い込んでいる。指摘を受けて初めて言葉足らずや言い過ぎに気がつくことも少なくない。ただし題材にした事実は実際にあったことだ。それに対する感想が清尾流なだけ。読まされる方は迷惑かもしれないが、それくらいの奴が書いていると思って勘弁してください。
 そして批判や文句を重ね合わせながら、もしかするとレッズを強くするためのヒント、サポートのヒントが生まれていけば結構なことだ。そのためのきっかけにこのコラムがなれば、くらいに考えて。
 この年齢になると自分を批判する人こそ大事にしなければならない。今年の春、親友と言い合いになって殴られアバラにヒビが入ったが、そこまで自分のことを思ってくれる彼に感謝している。あまり殴られたくはないが、僕に批判、文句を言ってくれる人、不快になりながらも歓迎します。
 来年もよろしく。

(2002年12月27日)

<追伸>
次回更新は2003年1月6日の予定です。