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COLUMN●コラム


#222
シーズンチケット


 会社(埼玉新聞社)に入って6年目、販売局というところに異動した。その中の埼玉新聞を増やすための仕掛けを作り実践するセクションに入った。そこで仕事をするうち、あることに気づいて憤った。
 読者が埼玉新聞をやめたいとき、普通なら集金のときに販売店に言ってもらえばいいのだが、たまに本社に電話してくる人がいる。それは僕の隣の販売部に回ってくるのだが、対応した人が「じゃあ郵便受けにその旨張り紙しておいてください」と言う。
 それだけ?うちの商品を買っていたお客さんが、もういりません、と言っているのに、そんなにあっさりしてるの?販売部ってそれでいいの?
 まだ若かった僕は噛み付いた。それ以来、販売部では購読中止の電話に対してはなるべく理由を聞くようになった。本当だったら「そこをなんとか」と食い下がるべきなのかもしれないが、そこまではしない。でも埼玉新聞の購読をやめる理由を聞くことは今後の参考になるはずだ。でも、うるさい僕が販売局からいなくなったらもうやらなくなったようだが。
 また自慢話みたいになってしまった。いかん、いかん。ホームゲームのチケットに関してクラブに意見があったんだった。


 僕の知り合いで、Jリーグ開幕のころから両親と息子の3人分、A席のシーズンチケットを持っている家族がいた。当時その息子は小学生だったから、A一般2枚とA小中1枚ということだ。その子はやがて中学生になり、そして今は専門学校生になっている。
 中学を卒業したのは、5年前だった。子どもが中学を卒業するころは、シーチケの更新時期でもある。もうA小中のチケットでは入れないから、A一般に変えてもらおうと頼んだところ、「席種の変更は出来ない」と断られた。
 その年は仕方なく息子はA小中のチケットと1000円札を持って試合に行った。国立の入場口で3回止められた。1回は訳を話したら入れてくれた。2回は差額の1000円を出してもだめだった。
 翌年、もう一度変更のお願いをしたがだめだった。結局A小中1枚を手放した。その家族のシーチケはA一般2枚だけになり、あとは一般販売で買う努力をしている。このことを聞いたのは、つい先日の金曜日(14日)だ。


 そういうものなのか?
 僕は、シーズンチケットは指定席しか買ったことがなかったので、中学生の自由席シーズンホルダーが大人になるときにどうなるのか知らなかった。僕のエアポケット分野だ。反省した。
 「そんなはずはありません。確かにシーズンチケットは席種の変更はお断りしていますが、中学生が卒業して一般になるときはOKしています」。
 その話をしたら、クラブの担当スタッフは即座にこう言った。でも、僕の知り合いが今更嘘を言っても仕方がないだろう。その更新のときには、中学生が卒業して一般になる、という事情を説明してもだめだったそうだ。
 シーチケ購入の手続きはクラブのスタッフが直接にやるのではなく、「シーズンチケット事務局」としてチケット会社が代行している。その段階で齟齬があったに違いない。クラブのスタッフは電話の向こうでひたすら恐縮していた。彼が誠実な人であることは知っているし、クラブがそういう方針であるということも理解した。しかも4〜5年前の話である。今は完全に徹底されているかもしれない。その上で、はなはだ心苦しかったが、こう言わざるを得なかった。
 「レッズのシーズンチケットにはキャンセル待ちがいっぱいあって、1枚や2枚更新されなくても、どうせすぐに埋まってしまう。そういう気持ちがあるんじゃないの?たとえ相手が詳しい事情を抜きに、ただ小中を一般に変更してほしいと言って来たにしても、本当に1人のお客さんを大事にする気持ちがあるなら、そのケースでは『もしかしてお子さまが卒業されるんですか?』とそちらから聞いてしかるべきじゃない?それが、相手の方からそう言っているのに、ただ『席種の変更は出来ません』と断るのは、3枚持っている人に、1枚は買わなくていいです、と言うようなもの。他のクラブじゃ考えられないでしょ。『殿様商売』と言われても仕方がないよ」
 担当者は「清尾さんのおっしゃるとおりです」というしかなかった。
 反論できない相手に、さらに追い討ちをかけるのは嫌いだ(かつて快感だった時期もあったが)。自分の立場が強いことを知った上で言いたいことを言うのは卑怯のような気がするからだ。
 でも、このときは苦痛を感じながらもあえて言った。そして直接スタッフに言ったにも関わらず、ここにも書いた。1人のお客さんを大事にする、クラブのスタッフにその気持ちがあることは信じているが、さらにそれを痛いほど感じてもらって初めて、協力会社のスタッフ1人1人にまで真意が伝わると思うからだ。


 減っているとは言え、まだキャンセル待ちがあるほどのレッズのシーズンチケット。空きを待っている人にとっては、僕の意見はよけいなことかもしれない。でも、1人のお客さんを大事にしないがために出たキャンセル。それでシーチケを得ても、その人も大事にされないかもしれないじゃないか。


(2003年3月18日)

<追伸>
 昨日「文句はあとで」と言ったが、ナビスコの2試合については、負けたことが最大の不満であって、試合内容についてこの段階であれこれ言う気はないのだ。強いて文句を探せば、チャンスが少なすぎる、ということか。たしかに2試合とも惜しいチャンスは何度かあった。しかし三度のうち一回決められるなら三度でもいいだろう。でも、それが無理なら五度、六度とチャンスを作っていくしかない。どうやってそれを作っていくか。もちろん、それは監督と選手たちが考え、実践していくことだ。