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COLUMN●コラム


#226
エの字(名前も出したくない)


 どうすりゃ良かったんだろう。
 こういうとき、いつも自分に責任はなかったか、と考えてしまう。
 「浦和は優勝する気になっている。自分を呼んだのがその表れだ。優勝するために頑張る」
 ホントか!本気でそう思ってるのか!
 来日したときの記者会見でそう聞けば良かったのか?


 ウソついたら針千本飲ます


 契約書にそう書かせておけば良かったのか?


 この世界は信頼関係で成り立っているところがある。
 選手は「自分のステータスを上げ、高い年俸をもらいたい」という本音があるだろうし、監督は「自分の実績を作りたい」とか「来年も契約してもらいたい」という思惑もあるだろう。フロントにしても自分の生活が心配でないこともないはずだ。
 そういう自分本位の部分がありつつも、「チームのために、サポーターのために優勝したい」という思いは口先だけでなく必ずある。それがなくてはチームスポーツで戦えないだろうし、ある意味それがプロ選手の本能みたいなものだろう。
 サポーターがチームを応援するのはほぼ百パーセント信頼関係だけだ。選手の本音も感じつつ、「チームのために」という部分を信じて応援する。スタジアムに行くのは、もちろん「いい試合を見たい」「レッズの勝利を見たい」というのが目的だが、底流には「選手や仲間のサポーターと心を通わせたい」という思いが流れているはずだ。
 自分は違う?アンタが気づいてなくても、どこかにそういう気持ちがあるんだよ!じゃないと、こんなに弱いチームをいつまでも応援しないでしょうが!あ、これはレッズサポーターのことね。他所は知らない。勝って当たり前、常に優勝しないといけない、みたいなチームのサポーターはだんだん変わってくるかも。それでも本当に応援していて楽しいのは優勝を見ることそのものより、チームと気持ちが同じになることのはずだ。そのチームが優勝するから喜びが倍増するのだろう。ああ、うちも早く倍増したい。


●浦和の為にやってくれるやつだけが残っていればいいです。私は浦和レッズというクラブを愛してくれる選手しか応援したくありません。エジムンドの今回の行動には愛が感じられません。取りあえずフロントはしっかり金を取り戻し、このままでは選手の数が少なすぎるので、レッズを愛してくれる選手を補強してもらいたいです。

●なめんなよって感じです。いいや、長谷部がいる。山瀬がいる。ただ!いやな気分…私の作ったエジのフラッグにはポルトガル語で「信じてる」って入れました。彼はそれみて「かっこいい」ってサイン入れてくれたんです。どんな噂があっても信じたかった。理由が知りたいです。

●今の気持ち。「フロント最低!ふざけんな!トゥットかえせ!」舐められまくってる!悔しくて今夜は眠れません。

●私も、そんないい加減な気持ちで居るのなら、居ない方が良いと思います。その分、選手達が危機感を持って試合に臨んでくれるのを期待します。この事がレッズにとって良い方向へ行く事を祈っています。

●エジ帰っちゃった。「まーしゃーないかな」といった感想です。鹿島での長谷部をTVで見て「エジ出てきたら出られない。もったいないなー。このまま経験積めばすばらしいパサーが育つのに。」と思っていたので好都合と切り替えてます。山瀬も戻ってくるみたいだし。
クラブに対して言いたいことは、一言。「信じてるよ」

●大事なのはもちろん今後の事。過ぎたことを責めても仕方が無い、しかし失敗を次に生かすのは当然のことであり、そのために問題点を把握し、認め、繰り返さないと公言してもらいたいとは思う。クラブがどのようなコメントをするかは分らないが、「エジがわがままだった」「それを予測できなかった」というようなコメントで済ませない事を願う。人と人との相性の問題は仕方がないかもしれない。しかし、フォローできる事はなかったのか(例えばビザの問題)、エメの騒動を見てフロントが愛想つかされてしまったのではないか、トゥットを移籍金なしで移籍させたことによって金銭的になめられてしまったのではないか、フロントは問題無いもしくは仕方がないと思ってるかもしれないが、他のクラブだったとしても避けられなかったことなのか自己を分析し改善してもらいたい。

●どんな理由があるにせよ、レッズを出たいと思う人には出て行ってもらって結構って感じですね。外国人、日本人は問わないけど、レッズを心底愛する選手にレッズでプレーしてほしいし、そんな選手達でレッズを優勝&強いチームに導いてほしいですよね。私達サポは試合中はとにかくピッチの選手を全力で応援するしかないですけど…。

●なにも敗けがこんでるこの時期に更に追い討ちをかける様に問題を起こさなくても良さそうなモノを。一度はさいしんコラムを読んで「あ、大丈夫なんだなぁ」と思ったんですけど。来週月曜日のさいしんコラムで詳細が明らかになるのを楽しみにしています。しかしなんか悔しいですね〜。

●達也、千島が頑張ってくれますよ。意識を共有出来るほうが長期的にみれば良いはずです。

●エジムンドのプレーをもう見られないのは残念ですが、そもそもエジムンドを中心にしたチーム作りはして来なかったし、エジムンドというピースが欠けたからといって、チームが「約束の地」にたどり着けなくなる事はないはずです。ただし、大きなピースが欠けたのは確かで、チームの成熟速度は一旦鈍るかも知れませんが、ゆっくりでも前進出来ればいいと思います。今はまだ土台作りの途中。手順を省く事なくコツコツと。

●こういうときにこそ真価を発揮するべきなのがサポーターだと思います。この前の鹿島戦後半見てれば心配はありません。魂入ってましたもん。あとは駒場で周りに伝えて空気を作っていくのが重要です。しかし愛着感じる間も無く居なくなったのは逆によかった。魂感じないんだったらマラドーナだって勘弁ってのがゴール裏の住人じゃないでしょうか。まだまだこれからですって!エジのリスクは前から分かってたわけだし、クラブの危機管理手腕のお手並み拝見です。


 情報が解禁になった(リリース)のが金曜の夜で、このコラムがもう更新できないのが悔しかった。どうしても何か一言言いたかったので、アドレスを知る限りのサポーターに携帯メールで、僕の率直な思いで「いねえんだったらいない方がすっきりしていいや」と送ったら何通も返事が来た。なんだか勇気をもらったような気がした。自分ひとりで見ているのはもったいないので、一部を紹介する。自分に都合のいいものばっかり紹介してるだろ?そんなことないよ。絞ってはいるけど。


 たしかにオフトのやり方が自分の好みではなかったかもしれない。しかし初めて学校に行く1年生じゃないんだ。オフトは去年からレッズで指揮を執っている訳だし、自分だって日本で1年半プレーしている。レッズとオフトがどんなチームで、どんなサッカーをするのか見当がつかないはずがないだろう。周りの誰もが「レッズとエジムンド?大丈夫なの?」と思ったくらいなのに、当人は何も心配がなかったのか?それとも「俺の力で監督のやり方も変えてみせるさ」とでも思っていたのか?
 日本での練習にはほとんど参加せず、オーストラリアで本格的に合流したのは2月22日ごろだったはずだ。そのころブラジルのテレビで「日本はあまり合わないのでブラジルに帰りたい」と言っているという情報が入ってきた。しかし26日ごろ、オーストラリアで行われたサッカーマガジンの取材では「あれはだいぶ前の取材。今はレッズと契約しているんだから」と答えていた。
 ところが日本に帰ってきて、ナビスコ開幕の直前、3月6日に行われたサッカーダイジェストの取材には「チームのやり方が違う。このままやっていていいのか不安だ」などと言っている。僕がそれを読んだのは当然発売日の3月11日だったが「なんだあ?マガジンと言ってることが違うじゃねえか。メディアによって分けてんのか?」と思った覚えがある。それにしても自分の都合でキャンプに遅れてきて、練習に合流して10日ほどしかたっていないのに「練習のやり方が自分の考えと違う」。なんてエラそうなヤツだろう、という印象だった。
 実は森GMも心配して、12日ごろ本人と話した。しかし、そのときは「やり方は違うがレッズにいるのだから、これでやっていく」という返事だったらしい。ところが今度は15日、ホームの試合の日に通信社のサイトに「エジムンドが帰国希望」とか載ってしまう。ブラジルの新聞の電話取材に本人がそう答えているということだった。月曜日に森さんが質したところ「レッズをやめたいなんて言っていない」と否定し、悩んでいる理由として家族がまだ来ないことを付け加えた。このあたりのことは本コラムの#223に書いた。僕もとりえあず安心した。結果としてやっぱり「とりあえず」だったのだが。
 森さんも一抹の不安を抱いていたらしい。しかし本人が「やめない。レッズでやる」と言っているのに、それ以上どうする?パフォーマンスが100%でない理由として家族のことまで持ち出されているし。ウソ発見器にかけるか?
 そして鹿島戦をケガで休んだあとの24日。「帰りたい。レッズをやめる」と申し出があったという。なんじゃそりゃ?ふざけんなよ。
不満はあるだろう。家族のことでイライラしているのもわかった。しかし「やめない」と言った一週間後に「やめる」?僕には理解できない。常識ある大人のやることか?「野獣」というニックネームをつけた人、間違ってるよ。「野獣」じゃかっこ良すぎる。単なる動物。人間ではないという意味なら言い当ててる。日本語なら「ケダモノ」か?


 彼がケダモノでなく人間だとしたら、今回の行動を合理的に説明できる視点はただ一つ。初めからレッズとの契約を全うする気はなかった、ということだ。ブラジルのチームが決まるまでの腰掛け、滑り止め、小遣い稼ぎ。あるいは新チームとの交渉を有利に進めるための材料。そういうものにレッズが使われたとすれば、すべてが腑に落ちる。マスコミ向けには不満を小出しにしておいて下地を作っておき、しかしGMに聞かれたら「やめる気はない」と答えておく。そして向こうのチームとの話がこのたび無事決まったので「晴れて」やめる、と。
 こんなことがあった。クラブが彼の住む家を決め、基本的な家具をそろえてやる。しかし本格的な家具は奥さんが来てから選んでもらうというので、カタログだけ渡しておいた。ところがオフト監督には「まだ家具もそろえてもらってないんだ」と愚痴をこぼしている、とか。こうなると「お手伝いさんへのビザの発給が遅れて家族がまだ来日できないので寂しい(だからうまくいかない)」と言っていたのも、実は「ブラジルのチームとの話がもうすぐ決まるから、ちょっと待ってろ」、と本人が止めておいたのではないかと疑いたくなる。試合に負けてから「周りの選手がもっとうまくならないといけない」とコメントしていたのも、自分が真面目にやっていないことを覆い隠すための言い訳だったのか、とも。
 もういい。彼が最初からレッズとサポーターをだます気だったのか、それともケダモノ並みに信義も何もなく突然やめたくなったのか、そんなことはどうでもいい。はっきりしているのは彼にはレッズを大事にする気持ち、いや大事にしようとする気持ちすらなかったのだろうということだ。それを見抜けなかったフロントにも、乗せられた僕にも責任はあるが、その責任はこれからの動きで取っていくしかない。
 気持ちの入っていないビッグネームの外国人より、気持ちの入っている日本人選手(外国人でもいいんだけど)。僕たちが本当に見たいのは、仲間と呼べるチーム、心を通わすことができる選手たちが必死にプレーする姿だ。「一緒に戦う」とはそういう意味だろう。


 エジムンドはやめるときにこう言ったそうだ。

 「自分のサッカー人生の最後は優勝できるチームでやりたい。レッズはその可能性がない」

 大きなお世話だ。アンタがいなくなってくれたおかげでレッズは優勝できたよ!
 そう言ってやりたいもんだ。今は強がりにしか聞こえないかもしれないが、サポーターのみんなもそう思っているだろう?その気持ちは何物にも代えがたい力だ。

(2003年3月31日)


<追伸>
  4月6日のMDPにこの問題を載せるため、土曜日、森GMに緊急にインタビューをお願いした。今日のコラムを書いた根拠もその中で生まれたものだ。しかし、クラブとの信義上、その内容をMDPより先にここで紹介する訳にはいかない。決して「MDPを買え」とあおっている訳ではないので、46歳の誕生日に免じて、理解のほどを。でも、みんなが気にしていそうな、お金のことだけ簡単に。契約上、いわゆる「違約金」をエジムンドから取ることはできないし、ムカッ腹は立つけど2月、3月の給料は支払わなくてはならないそうだ。森さんは「返せ!」と言ったそうだけどね。