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COLUMN●コラム


#232
カウント4


 負けた言い訳じゃないぞ。でも言っておこう。
 レッズのリーグ戦第2節は6日前の4月6日、ジュビロのリーグ戦は5日。インタバルが1日短い。
 そして間の水曜日にナビスコカップが入っている。レッズはアウエーの神戸、ジュビロはホームだった。今回のリーグ戦第3節も、レッズはアウエー、ジュビロはホーム。
 つまりレッズは日、水、土で3試合、しかもホーム、アウエー、アウエー。ジュビロは土、水、土で3試合、アウエー、ホーム、ホーム。この日程は初めからレッズにきつい。他のチームはどうなのか調べていないが(すまん。怠慢かも)、少なくとも12日のジュビローレッズ戦ではレッズが不利だ。でも言い訳じゃないぞ。指摘しているだけだ。


 本当のテーマはこっち。
 レッズの12日の先発メンバーと、9日の先発メンバーは11人まったく同じ。ジュビロは12日の先発メンバーのうち、福西、名波、中山の3人が9日に出ていなかった。「主力温存」と言われた。この3人は1週間たっぷり休んでレッズ戦に出たわけだ。ズルい?ズルいとは言われないだろう。ジュビロだから?いや、そうじゃなくてJリーグの規定には抵触しないから。
 Jリーグの規定では、「(公式戦には)最強チームで臨まなければならない」「(最強チームとは)先発メンバー11人のうち、直前のリーグ戦5試合で1試合以上先発した選手を6人以上含まなければならない」となっており、ジュビロが水曜日のナビスコ東京V戦で主力3人をはずしたことは全然規定に触れない。たとえそれが土曜日のレッズ戦でリーグ初勝利を挙げるための作戦だとしても、何も非難される言われはない。レッズだって同じことをやれば良かったのだ。主力を3人替えても神戸に勝てるのなら、だけど。


 この規定は、拙コラムの#59にもあるが、2000シーズンのアビスパがナビスコカップで「メンバーを落として」試合に臨んだとされて問題になったことがきっかけになり、それまで「最強メンバーで臨むこと」という規定だったのが、具体的な人数を盛り込んだ規定に変わったのだと記憶している。
 この規定ができて「主力温存」がしやすくなったと思うのは、皮肉が過ぎるだろうか。プロレスの「5秒以上反則をすると負けになる」という規定は=「4秒までの反則は許される」ということなのだ。同様に「先発メンバー11人のうち、直前のリーグ戦5試合で1試合以上先発した選手を6人以上含」んでいれば、他は誰でもいい、という意味に解釈しても違反ではない。
 紳士協定として守るべきことを明文化すると、その瞬間から紳士協定ではなくなってしまう、ということはよくある。今の世の中、決まりの裏をかこうとする人が多すぎるからだ。「ルールに書いてないじゃないか」と。「書いてあることは守ってるぜ、文句ないだろ」と。政治家や有名人がその手本みたいになっているのだから、そのことを批判するのもだんだん気が重くなってくる。かくしてますますルールは細分化されていき、ルールの前にあったはずのマナーだの精神だのというものは影も形もなくなってしまう。


 今回はジェフもメンバーをだいぶ変更してナビスコカップに臨んだようだが、それも問題はなかった。セレッソに引き分けたところを見ると、最強メンバーでないとは言えないし、若手がかえって張り切ることは十分考えられる。この規定が悪いと言う訳ではないが、将来そんなこと(スポーツ精神軽視)になっていく可能性があるように思う。


 今回のことで思い出したから言うんで、決してレッズが負けたから言うんじゃないぞ。レッズがメンバー替えようにもほとんど無理なことをひがんで言うんじゃないぞ。


(2003年4月14日)

<追伸>
 永井、永井。うん、もちろんレッズから代表選手が増えるのはうれしいが、「京都戦はスタメンのうち3人が韓国帰りの疲れがあるのか‥」という気持ちがどこかにあるのも確か。勝っているときはイケイケの気分なんだけど、勝っていないときは「代表召集1人1回につき勝ち点1くれねえかな」なんて思ってしまうのが情けない。
 でも実は、「うそ!永井、木曜までいないの?MDPの取材どうしよう‥」と思ったのが本音。自分の仕事の都合しか考えていないやつ。