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COLUMN●コラム


#240
代表モード


 実は、代表の試合にカメラマンとして取材に行ったのは初めてだ。ペン取材?はあったような気がする。でも駒場でやった試合だけかな。僕はサッカー担当ではなく、MDP担当だから、フル代表も五輪代表も、それ自体を仕事にすることはあまりないから。でも、レッズからそんなに選手が選ばれていなかった、というのも正直な理由だ。もちろんゼロではなかったけど、たとえば小野伸二1人の写真を撮るために、カメラマン1人分のスペースをもらっていいものかどうか、気弱な僕はいつも遠慮してしまうのだ。
 今回は、レッズからU−22代表が3人選ばれたから?じゃ2人のときは?試合に出るか出ないかわからないA代表の試合だったら?なんで東京でやった五輪予選でなくて、神戸なの?
 う〜ん。いろいろあるが、それは別のテーマ。とにかく僕は21日、神戸ウイングのU−22日本代表対同ニュージーランド代表の試合にスチール写真取材の申請をして出かけた。そこから始めないと話が進まない。


 僕のようなクラブの広報誌関係の取材は日本サッカー協会から嫌がられる、と聞いた。それも仕方ない。僕が担当者でもレッズの3人だけを写しに来るヤツより25人全員を撮りに来る方のほうが大事に思えてしまう。でも新聞なんかも結局使うのは2〜3枚だったりするんだけど。そういう問題じゃない?でもクラブあっての代表でしょ。自分の応援するチームの選手が代表で頑張っている姿をクラブの広報誌で見る。それが、代表の試合に行くきっかけになるかもしれないじゃないか。親善試合を「結果なんてどうでもいい。うちの選手がケガさえしなければ」と祈りながら見ていたのが(そりゃ、もしかしてお前?)、ファイトを望むようになるかもしれないじゃないか。


 そんな言い訳を心の中でしながらゴール裏でカメラを構えた。スタメンは啓太だけ。1人だけ追ってればいいから楽だと思うでしょう?でも、やっぱりボールがゴールに近くなると、そっちを狙ってしまった。啓太が後ろに備えていて、他のメンバーがゴール前に殺到するときはいいが、啓太もペナルティエリアの近くで構えているときの方が難しい。啓太がいつ飛び込むかわからないから、クロスが入ったのに、カメラはペナの外を狙っている、なんて間抜けなことになってしまうのだ。まあ、僕の動向に注目している人なんている訳がないから気にすることはないのだが。
 そういう撮り方だから、後半の森崎のゴールのときも僕は達也を狙っていた。まあ打って正解だったのだが、僕は「森崎、出せよ!」と心の中で叫んでいた。ボールを追っていればそこに目当ての選手がいるというのが僕にとって理想的。だから山瀬のゴールのときは、達也の左クロスも山瀬のシュートもちゃんと写っている。


 前半はほとんど啓太を見ていたことになるが、ずっと怒鳴っているようだった。レッズでも周りに指示することはあるが、昨日は顔は怖いわ、口はでかいわ‥。まさかTBSのキャッチフレーズに合わせてないよな?最近増えてきたとは言え、まだ試合中の声が少ない気がするレッズ。ちょっと25日の横浜国際でも「ワイルドボランチ」を見てみたい気がした。
 後半、ボールが中盤より後ろにあるときは山瀬を狙うことが多かった。ふだんはボールと他の選手の位置を見て移動しながら様子をうかがっている。そして、ここぞというときに素早く動く。マイボールのときにはもらえるスペースへ。相手ボールのときはボールへ。ダッシュしてボールを奪取(大爆笑)。山瀬のメリハリの利いた動きはレッズでも感じていたが、目を山瀬モードにすると、いっそうわかりやすい。そして山瀬が楽しそうだったのが印象的。僕もうれしくなってしまった。
 達也の狙い方は決めていた。絶えず達也の位置を意識しながらボールがどういう状態にあるかを見る。ハーフウエイラインを越えてラストパスの状況になったら、ボールが来ようが来まいが構わず達也にピントを合わせる。そうするとボールをもらうときの動きがよくわかった。なるほどボールの位置、オフサイドライン、その関係でいつ飛び出すか狙っているのがよくわかる。チャンスは多かったがゴールにならなくて残念だった。「清尾が珍しく代表なんかに行くから達也が決められなかったじゃないか」とメールしてきたヤツがいた。俺のせいにするな!


 とまあ、取りとめもないことを書いたようだが、ポイントは選手1人に絞って試合を見ると面白いよ、ということ。それが僕にとっての「代表モード」。貴重な発見だった。テレビじゃ駄目よ。ボールがないところでの動きや表情が興味深いんだから。でも、みんなレッズ戦じゃそんなことやってられないよね。代表の試合ならでは、でした。

(2003年5月22日)