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COLUMN●コラム


#264
札幌旅情


 サテライトリーグの取材で札幌に行ってきた。3−0という結果はもう知っているだろうから後にして、驚いたことをいくつか。


 まず2,877人という観衆の数。これが関東地区だったら、レッズサポーターが相当来ているなあ、ということにもなったかもしれないが、見る限りこちらの仲間は推定50人。何よりも知り合いのスポーツ紙の記者に聞くと「サテライトは毎回これくらいですね」ということだった。ちなみに大人1,000円と、有料である。
 宮の沢白い恋人サッカー場というのが、駅からも近く(地下鉄から徒歩7分)、ある程度駐車場もあり、選手を間近で見られるということも要因だろうが、第一には札幌のファンの熱意、ということになるだろう。いまJリーグ関係で入場者が多いという話を見聞きすると、他人事でもうれしく感じる。
 そして次に驚いたのが、試合が終わってしばらくしてピッチを見ると、50〜60人の人が散らばって何かしている。「おら!札幌じゃ試合の後にファンにピッチを開放してるのか?」とんでもなかった。試合で痛んだ芝を修復する手伝いをしているのだった。手伝いというか下ごしらえというか、まず大勢のファンの手で、削られた部分を元通りにし、それから専門家が最後の手入れをするのだそうだ。試合のときはこれくらいの人数だが、毎日の練習の後も10数人がそういう活動をしてくれるという。もちろんボランティアで、登録とかはしていないそうだ。このサッカー場は公営ではなく、クラブの代表の会社のものだから半ば以上「自前」と言っていい。札幌ドームや厚別競技場とは違うが、こんなふうに大事にしていたら、ピッチに物を投げ込むなんてできないだろうな、と思った。
 驚きはしなかったが、試合後すぐに札幌サポーターが0−3で負けた選手に声援コールを送っていたのも、僕には印象的だった。先週、9月8日の試合でFC東京に1−3で敗れた後、サテライトの試合にしては大きなブーイングが鴻巣陸上競技場のスタンドから飛んだのを覚えているからなおさらだ。どっちがいいとかいうのではなく、はっきりと「違い」を感じた。
 最後に、柱谷哲二元監督、つまり現浦和コーチに対するレッズ向けの中傷メッセージがゴール裏に堂々と張られていたこと。内容は、Jリーグの常識ではちょっと許されないもの。サテライトだからいいということはないはずだ。前半ずっとそのままで、後半ふと見たらはずされていた。柱谷さんへの札幌サポーターの気持ちは僕たちにはうかがい知れないところがあるから、軽々しくどうこう言えないが、上記3つのことと併せると、そういう行動が不思議には思えなかった。「浦和よ」という呼びかけが、大きなお世話に感じたところはあるが。


 さて内容は、今週のGGRでも流れるだろうが、ここ数回のサテライト(7月21日の札幌戦を除く)リーグの中では段違いの攻勢だった。相手へのプレッシャーも強く、逆に寄せられたときの球離れも早い。1点目のCKを含めて3点ともクロスに頭で合わせたゴール、というのも見ていてスカッとするものだった。前日のマリノス相手の0−3が帳消しになる訳ではないが、少なくとも僕の気分的に、思い出してはため息、というのがなくなった。ちなみにサテライトは2勝2分け5敗。無失点も初めて、3点取ったのも初めてだ。残り3試合(大宮×2、仙台×1)に全部勝てば星が五分になる。今回、正直言って相手が札幌だった、という部分はあるかもしれない。しかし、相手に寄せること、球を動かすこと、タイミングよくクロスを放り込むこと、チャンスに飛び込むこと‥、こういうことの大事さをあらためて体で感じ、かつ自信にはなったはず。サテライトで勝つことが目的ではないが、そこでいいパフォーマンスを見せ、シーズン終盤、あるいは天皇杯でトップに絡んで来る選手が1人でも増えてほしい。


(2003年9月16日)


試合後ピッチの修繕を手伝う札幌のファンたち
 
宮の沢白い恋人サッカー場は三方に観戦スタンドがあり、キャパは3,500〜4,000人ぐらいか。これはメーンスタンド側。スタンドの上方はレストランになっていて食事しながらピッチを見られる
 
まとまって応援していたレッズサポーター集団。これ以外にチラホラと知った顔を見たので、推定50人かな、と