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COLUMN●コラム


#276
夢見事じゃない


 あと3試合で2ndステージ優勝が決まる、というところで首位奪取。混戦ぶりから言って、3戦全勝の勢いでいかないとリーグ初Vは厳しいかもしれない。残り3試合すべて決勝、「FINAL 3」ではなく「3 FINALS」ということだ。
 ナビスコカップ決勝の前は、去年のこともあるので、僕も取材のときなど、選手によけいなプレッシャーを与えないように極力気をつけていた。それは、今回も同じかなと思うのだが、ちょっと、いや、だいぶ違うのは、選手たちが一度優勝を経験しているということ。しかも、つい最近。
 優勝というものが未知の世界だった去年と、優勝経験済みの今年とは、選手たちの受けるプレッシャーがずいぶん違うと思うのだ。いや、逆に一度優勝を味わうことによって、モチベーションがさらに高まっているのは間違いなさそうだ。また今後、長谷部、永井らの先発が予想されるが、あの国立の場にはいたものの、プレーした時間が物足りなかった彼ら(もちろんベンチに入って出場していない三上、堀之内、山岸も、国立まで行ってベンチに入らなかった千島、土橋も)は、今度こそ自分の力で優勝を引き寄せたいと思っているはずだ。
 僕はあと3試合、優勝をどんどん意識しても悪い方には転がらないと思う。だから言うまでもなく、サポーターのベクトルも優勝に向かって一つになるべきだ。いま話題になっていることで、言いたいことも言わなければならないこともあるけれど、それによってサポーターのベクトルが分散されるとすれば、今は優先順位が上ではない。
 最終節までMDPがないので、このコラムでチームのようす、サポーターの声をなるべく逐一紹介していきたいと思う。投稿感覚で何か言いたいことがあれば、送ってほしい。ただし、MDPに準じて本名無しはご遠慮を。


 11月5日。ナビスコ優勝から1日休みをおいた練習再開の日、大原で僕は帰り際のオフトに歩きながら話しかけた。
 「明日、マッチデープログラム用のインタビューをお願いしたいのですが」
 「いいよ。じゃ正午に」
 「あと3回ですね」
 「3回?」
 オフトは立ち止まって指を折り、けげんそうな顔をした。8日と29日、2回じゃないのか?と言いたげだった。
 「横浜マリノス戦、チャンピオンシップがありますよ!」
 オフトはニヤッと笑って親指を立てた。
 「オーケー」
 オフトに優勝と言って、夢見事の話をするな、と言われなかったのは初めてだ。その日の午後、記者に囲まれたオフトは、僕の知る限りレッズの監督就任後初めて「もちろん優勝を狙っていく」と宣言したのだった。

(2003年11月10日)


<追伸>
  11月4日のコラムで募集した「根付プレゼント」には締切の5日午前9時までに348通の応募があった。20人にプレゼントというつもりだったけど、せめて応募者の1割ぐらいは、ということで34人に当選者を増やすことにした。僕のポケットマネーではこれが限界なので、申し訳ない。当選者は本日抽選で決定したが、ここで発表すると名前がバレて当選者が狙われるかもしれないので、本人には本日中にメールで返信する。メールが行かなかった人は残念ながら、ということで、16日発売のオフィシャルのストラップを買ってくださいませ。