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COLUMN●コラム


#277
代表選出


 都築が代表に復帰した。
 10日、彼が発したコメントの中で、特に注目したのは「新しいチームで代表に復帰したということは、これまでやってきたことすべてが間違っていなかった、ということ」というところ。「これまでやってきたことすべて」の中には、レッズに来てから、特にリザーブだった時期の努力などいろいろあると思うが、まず「ガンバからの移籍」という決断が最初に来るはず。はっきりと口に出しては言えないだろうが、移籍決断が、レッズでのレギュラー出場、カップ戦タイトル、そして今回の代表復帰につながったのだから、あれが再スタートの合図だった。
 もちろんこれからも代表での出場、レギュラー獲得、ワールドカップ出場と目標は先へ先へと長いから、過去をしみじみ振り返るにはまだ早いが、もしも彼が2006年、ドイツで日本のゴールマウスを守っていたとしたら、2002年12月の中村修三CMとの話し合いが人生の大きな転機として、忘れられない出来事になるだろう。もちろん、そうあってほしい。
 それにしても都築が出場したら、前6人がヨーロッパ組、後ろ5人のJリーグ組のうち3人が浦和レッズかよ。


 田中が代表入りを取りざたされながら、今回は入らなかった。聞いた話によれば、代表発表の記者会見では「浦和の田中はなぜ選ばれなかったのか」という質問も出たそうだ。10日は達也も記者から囲まれていた。
 「(選ばれなかったのは)残念というより、まだまだチームでやることをやっていない」
 「代表は夢ではあるが、いま目標にはしていない。(目標は)チームでレギュラーを取って活躍すること。それはクリアしていない。まだレギュラーじゃないと思っている」
 なんだか、持ち上げられれば持ち上げられるほど、謙虚に謙虚になろうとしている達也が見える。それとも彼のスタンスは変わっておらず、周りが上に見よう上に見ようとするから、相対的にそうならざるを得ないのだろうか。前に、「まだまだ」発言が出ている限り、達也が勘違いをして自分をスポイルしてしまうことはないだろうとMDPにも書いたが、ナビスコカップでニューヒーロー賞+MVPを獲得した後も、謙虚な姿勢は変わっていないようだ。
 得点後の達也のガッツポーズが、得点したときの状況によって、まったく違うことに気づいている人も少なくないだろう。幸いなことに、僕は彼がゴールを決めた後に走ってくる方に座っていることが多いので、表情までよくわかる。
 ナビスコ準決勝第2戦で、先制したときにはわき目もふらずボールを取りに行った。その試合の2点目ではサポーターの方に駆け寄ったが笑顔は見せず「よし、とりあえずこれで1点リード」というふうだった。ナビスコ決勝の3点目を挙げたときは大事な試合で自分もゴールを挙げられた喜びと、これで勝負を大きくレッズ側に傾けた、という気持ちがよくわかった。先日のヴェルディ戦の後半34分に4−1となるゴールを叩き込んだ後は、めずらしくベロを出して喜んでいた。その前の山瀬のゴールで、勝ちをだいぶ引き寄せた感じだったから、気持ちに余裕があったのだろう。でも、そのあと姿勢を正してサポーターにペコリと一礼したのが、いかにも達也らしい。
 こういうときに、正直に気持ちを表しているのだから、記者からの質問にも正直なところを答えていると思う。このまま謙虚に点を取り続け(アシストも)、謙虚に2ndステージ優勝を果たし、謙虚に五輪に出場して、謙虚にアテネで活躍してほしい。五輪と言えば、得失点差で負けているグループリーグの最終戦で、1点取って悦に入ってしまった選手のようになる心配は、田中達也に関しては今のところなさそうだ。
 その達也に「まだレギュラーじゃないと思っている」と言わせているのは間違いなく永井雄一郎。アウエーで2試合スタメンが予想されるが、その言葉がお世辞ではないことを証明してくれ。


 坪井からも一言。
 アフリカ勢との対戦には慣れた?という記者の質問に、アフリカの選手の身体能力の高さを挙げたあと、「うちにもケモノが1人いますから」。本人に言ってやろ。

(2003年11月11日)


<追伸>
 昨日のコラムを読んで、新たに「根付プレゼント」に応募してくる人がいるのは、僕の書き方が悪かったから?当選者20人を34人に増やしたのは、応募者が予想よりはるかに多かったから。もう一度募集している訳ではありません。ナビスコ決勝の翌日に、このコラムに来てくれた人たち限定の「お土産」です。いちいちお断わりのメールを返信する時間がないので、これをもってご理解をお願いします。


<追伸2>
 サッカーマガジンの今週号の「サッカーの素」に出し損ねたネタ。

「森GM、優勝おめでとうございます。いの一番に優勝の報告をしたい人は誰ですか」
「エジムンド」