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COLUMN●コラム


#281
おまけ


 「ナビスコカップ優勝はおまけみたいなもの」


 もし、レッズサポーターではない人からこのセリフを聞いたらどうだろう?「何だと?おい」と聞き返したくなるよね。いやレッズサポーターであっても、11月3日の前にはこんなフレーズ、頭に浮かびもしなかった。
 ところが今はうなずける部分があるから不思議だ。一度優勝したから?もちろん優勝しないと言えないセリフだが、それだけではない。決定的な理由は昨日わかった。埼スタでの練習の後、選手たちにMDP230号向けのコメントを求めたときのことだ。複数の選手から、この言葉が出てきた。


 おら?死力を尽くして戦ったはずの選手の口からこんな言葉が!4−0で勝ったとは言え、そんなに余裕かませる立場か?
 一瞬、そう思ったが、そうではなかった。今季の自分たちの足跡をきちんと認識しているからこその言葉だった。
 2003シーズンの課題は、昨年1年間で築き上げた土台に上積みをすること。「勝てるチーム」から「勝つチーム」に成長していくことだ。どこまで積み上げるかは、ファジーだった。犬飼代表のように「優勝」(屋根)と言い切る人もいれば、「2年目は柱」と言う人もいただろう。妥当な線で言えば、来季に屋根を乗せられる(常に優勝争いができる)までにしておく、ということだろうか。柱はもちろん、梁(はり)もきちんとしておかなければならない。と言っても僕は大工仕事に詳しくないので、順番がそれでいいかは定かでないが。そして目標は年間トップ5で、優勝に絡むこと。
 どうだろう。この課題と目標の達成に向かってレッズは着実な道を歩いてきたと言って間違いないはずだ。この清水、名古屋に連敗したことで、リーグ優勝はなくなったが、それまでの戦いを見れば、もう少しで屋根を乗せられるところまでは来た。そういう実感が選手たちにはある。
 その過程で得たのがナビスコカップのタイトル。決してそれが最終目標ではなく、成長段階での力試しのようなもの。その後も自分たちは歩き続けている。そういう思いが「おまけ」という言葉を生んだのだろう。


 11月9日ごろは「優勝間違いなし」みたいに言っていたマスコミが、23日には手のひらを返したようにレッズを批判している。まるで自分が「優勝だ」と言ったことの照れ隠しのようだ。
 ナビスコカップでは優勝し、リーグでも終盤首位になるほどの成長を見せたものの、優勝するまでには至らなかった。ただ、そういうことだったのに、実力以上に持ち上げたり、必要以上に貶めたりするマスコミの論調に惑わせれても、何も良いことはない。そういう僕も10月末からは毎日のようにスポーツ紙をほとんど全部買っていたのだけれど。


 確認しよう。浦和レッズと、それを支えるサポーターはこの2年間で強くなった。まだ常勝チームには遠いが、そこに進む準備はできた。ナビスコカップは、その証の一つだがすべてではない。僕たちは常勝チーム目指して、さらに歩みを続ける、と。
 大事なことは、屋根を乗せるための最後の準備はまだ終わっていない、ということ。最終戦に勝ってこそ、準備が整ったと言える。
 鹿島の優勝の可能性を潰す?それもあるが、相手より自分たちのこと。2ndステージ2位の可能性、年間5位以内の目標。そのために今季のレッズのサッカーをして勝ってほしい。


 22日の名古屋戦、後半30分ごろから「プライド・オブ・浦和レッズ」コールを、4点目を取られても、試合が終わってもやめなかったサポーター。ゴールラインではなく、まるで勝ったときのように看板ギリギリまでスタンドに近付いて挨拶したイレブン。そして、コールに合わせて手拍子を打っていたオフト監督。あれは、リーグ優勝に向けた今季の戦いをお互いに確認し合うとともに、次を目指していくという気持ちが通い合った瞬間だったと思う。


(2003年11月25日)


<追伸1>
  22日の試合直前まで「目指せリーグ優勝!」モードしか考えていなかったMDP230号。気持ちの切り替えはできても企画の切り替えが難しく、この連休の間、唸っていた。「リーグ優勝」の看板ははずしても、最終戦に向けたモチベーションは下げない。そういうあなたの今季最後のメッセージをMDP(この「はみ出し話」じゃななく、本誌だよ)に送ってください。
 必ず氏名、住所、電話番号(できれば年齢も)を添えて、26日(水)24時までに、よろしく。
 あて先は、HAG03546@nifty.ne.jp


<追伸2>
 下の写真は、MDPには載せ切れないと思われる、22日、試合前の瑞穂陸上競技場。グランパスの横断幕がなければ、知らない人は「今日はレッズのホームゲームか?」と勘違いしてしまいそうだ。投書、来てないですか?今度は中日新聞かな。