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COLUMN●コラム


#282の1
俺たちは何をやってきたか(その1)


 俺たち、と言う資格が僕にあるのかどうかわからないが。

<11月1日(土)>

・6時10分
 車で家を出る。別に俺が行く必要はない。呼ばれた訳でもない。野次馬根性?そういう言い方もあるな。かっこ良く言えば、この歴史的な事業のヤマに立ち会いたいという意識か。
 吉野家に行こうかと思ったが、3杯で1杯プレゼントキャンペーンは昨日で終わっている。まっすぐ国道463号線バイパスを東へ向かう。土曜の早朝にしては車の量が多い。そして一般に流通している比率よりは三菱車の割合が高いようだ。自分もその1台だが。
 新見沼大橋に入る。当然だが料金所は1カ所しか開いていない。車が列をなす。係員はびっくりしているだろう。俺もそうだ。ここで150円を払うのに5台も待つなんて経験はない。どうやら、もう1カ所のゲートも開ける算段をしているらしい。料金を渡して、埼スタ東駐車場に向かう。


・6時32分
 わっ、すごい!予想を超える車の数。それほど渋滞はしていないが、前には空きスペースを探す車がうろうろ、後ろからは続く車がゾロゾロ。そして、あちこちから1人、2人、3人と人が降りて北門に向かう。ようやく空きを見つけた。この分だと、後続車は入りきらなくなる。どうするんだろう?
 「清尾さんも抽選ですか(笑)」
 知り合いのサポーターから声をかけられる。俺は抽選しなくても入れる。いつも感じている、その引け目もここに来た理由の一つだ。体が空いているときは少しでも他のサポーターと同じことをしたい。逆に邪魔かもしれないが。
 バックスタンド側には美園駅から歩いてきた人の群れ。まさに「群れ」だ。SRの職員もびっくりしただろう。「今日、試合だっけ?」そんな会話がかわされたかもしれない。
 北門に近づくに連れ、両方からの流れが重なり、人が密集してくる。トラメガで誘導している人がいる。シミズスポーツの係員ではない。いつもは西側にいるサポーターだ。あのトラメガは自前だな。
 
埼スタ、東門近くの駐車場。午前6時半で、すでに満車に近い状態だった   バックスタンド側まで列は続いていた
 
 
・6時50分
 北門に着く。後ろの方とは違って、いくつかの列がきちんとできている。仕切っているのはやはりサポーター。何人かと握手を交わす。彼らはこれからが本番だ。
 「抽選は1グループ代表者1名1回。胸を張って国立へ乗り込もう」
 手書きの横断幕が前に出される。1グループで何人かが違う名前で抽選し、一番若い番号を生かす。いわゆる「マルチ」と呼ばれているやり方はやめよう、という呼びかけだ。いつもの駒場や埼スタでの抽選とはケタが違う。1,000組が3人ずつ人を出したら3,000人。1人ずつ引いていったら、どんなに手際が良くても6000秒?2時間かかる。さらに当日、並ばせる準備をするときに、実際は何組分のスペースを用意すればいいのかわからない。
 有名な女性サポーターが前に出てトラメガで話し出した。「確認しました。不正はありません」。
 不正?そうか。前の方の番号札をあらかじめ隠しておくということもできるか。だが抽選を呼びかけた中心のURAWA BOYSは、抽選の最後尾の後から入場するって言ってるんだろ。不正のしようがないはずだが。ああ、顔を知られてない仲間を先に入れて場所を確保しておくこともできるか。俺は考えもしなかったが、疑心暗鬼になる人はいるのだろう。
 
前の方から整然と列を作っていた   この呼びかけにこたえて、列から離れる人もいた
 
 
・7時
 抽選が始まる。北門からメーンの方に続く柵に、「1番〜50番」「51番〜100番」…と張り紙がしてあり、係が1人ずつ立っている。抽選を終えた人は自分の番号のところに行って、グループ名を登録して帰る。登録場所は「3451番〜3500番」が最後だったかな。登録係だけで70人か。
 抽選場所に戻ると、列はだいぶ減っている。開始30分ぐらい。これなら1時間ぐらいで終わるな…違った。列はバックスタンド側の方へずっと続いている。訂正。2時間はかかるな、こりゃ。
 雨が降り始める。列はまだだいぶ残っている。悪いけど、先に帰らせてもらう。車で、来たほうと逆の正門の方を回っていくと駐車場が3つ満杯になっている。
 その後10時過ぎに電話で話を聞いた。抽選に参加したのは3,061組。してみると埼スタに来た人は5,000から7,000人ぐらいの数になるのだろうか。しかし番号とグループ名を登録して帰ったのは2,497組だという。この時点ですでに約500本の抽選番号が捨てられたことになる。抽選番号を捨てるだけならいいが、抽選券まで捨てていっていないか。それとタバコの吸い殻。
 たぶん多くのサポーターはふだんの抽選や試合前の並びと同じに考えているだろうが、決定的に違うのは、いつもはレッズがスタジアムを借りて主催(主管だけど)する試合の一環として行なわれている、ということ。今回は、埼スタで試合がある訳でも、クラブが抽選を呼びかけた訳でもないが、それだけの人数が一堂に会せる場所がない、ということで、埼スタが使用を快諾してくれたもの。厚意をゴミの山で返すことにならなければいいが。
 
抽選を済ませた人は自分の番号を持ってグループ名を登録にいく   途中、雨が降ってきた
 
 
(続く)

(2003年11月27日)