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COLUMN●コラム


#285
12月6日


 6〜7日の土日は、体験して感じたことと体験せずに感じたことがあった。回りくどいな。


 まずは体験して感じたこと。
 札幌(および近郊)在住のレッズサポーターの忘年会に呼ばれて、土日は北海道へ行った。かつては20人近くでやっていたこともあったが、コンサドーレができて「移籍」したり本人が転勤したりでだんだん少なくなり、今回集まったのは9人だった。
 でもうれしいことに、新しい人が増えていた。正直言って、ジュビロやエスパルスのマッチデー・プログラムを見てサポーターの投稿コーナーに埼玉在住の人の名前を見つけると「なんだよ、この人は」と思ってしまうが、逆もあるんだから仕方ないよなあ。
 試合のないときに札幌まで行くのは難しいけど、たまにはホームタウンのサポーター何人かと交流できないかと思う。彼ら、彼女らがたまにホームゲームに来たときに、みんなで囲んでもいいのだけど、それより向こうの懇親会に乱入(?)できればもっと盛り上がるだろうに、といつも思う。


 ところで帰りの千歳空港でのこと。搭乗待合室で飛行機を待っていたら、耳に入ってくるオルゴールの曲。何気なく聞いているうちに「なんじゃ、こりゃあ」と少し驚いて音の出所を探した。あった。売店の一角、札幌の銘菓「白い恋人」のコーナーから流れていた。その曲は…、タイトルは知らない。でもレッズサポーターの何割かは聞いたことのある曲。歌詞を書くと「俺たちの誇り、赤黒の勇者 勝利をめざし、さあ行こうぜ…」。コンサドーレ札幌の代表的応援歌だ。


 「白い恋人」はコンサドーレのスポンサー、石屋製菓の大ヒット商品。カミングアウトすると、僕も大好きだ。え?他チームのスポンサーの商品を好きとか言うな!って?でもレッズのスポンサーとそんなに競合しないじゃない?車とか電気製品は1つ買ったら2つは買わないけど、お菓子はあれとこれ2つ3つを食べるし。ちなみに車は三菱、ビールは(ナビスコ優勝でビール解禁しました)キリン、コンビニは(できるだけ)ファミリーマート、預金(の1つ)は埼玉縣信用金庫、靴はプーマ…(以下、略)。
 このご時世に、Jリーグのチームをあそこまで応援してくれる企業は、他チームのスポンサーとは言え、大事にするべきだと思う。
 じゃあ、お前、家を改築するときの水回りのメーカーは?カー用品は?うーん、そのチームに関しては即答に詰まる。俺って正直者。


 「白い恋人」の販売コーナーで、コンサドーレの応援歌が流れていること。そして確かオリジナルだと思うこの歌がオルゴール化されていること。この2つに感心しながら飛行機に乗った。
 帰ってきてからも気になってしょうがない。石屋製菓に電話してみた。ところが広報担当者がなかなかつかまらない。コンサドーレに電話すると、月曜日はお休み。ようやく今日、両方に連絡が取れた。


 「そうか!それで更新が火曜になってしまったんですね、清尾さん。決してサボってた訳じゃないんだ!信じてましたよ」


 そうです、その通り。ありがとう。


 件(くだん)のオルゴールはコンサドーレのグッズではなく、石屋製菓が作ったもの。昨年の3月14日、ホワイトデーのノベルティグッズとして1万個製作したらしい。曲はフランシス・レイの「白い恋人たち」、桑田佳祐の「白い恋人たち」、そして「赤黒の勇者」の3曲が入っている。だから空港で聞いたのは3分の1の確率で「赤黒の勇者」が流れていたのだ。でも、もしかして僕の耳に引っかかったのがそれだけだったのかもしれない。
 「白い恋人」=「赤黒の勇者」ではなかった訳だけど、メジャーな2曲(ワールドワイドとドメスティックの違いはあるが)の中に交じってこの曲が選ばれたことに、やっぱりうれしい驚きを感じるな。まあ2002年の3月14日と言えば、コンサドーレもJ1での躍進に希望を膨らませていたころ、ということもあるのだろうが。


 さて体験しなくて感じたこと。
 これは上に書いた忘年会のお誘いが22日の名古屋戦以降だったこととも絡む。そう、6日はもしかしたら横浜国際でチャンピオンシップ第1戦を行なっていたかもしれない日だ。レッズの2ndステージ優勝がなくなって、忘年会の日程が「晴れて」(心は曇ってたけど)正式に決定したということか。
 他のチームが試合をしているときにレッズが試合のないことほど詰まらないものはない。いや、Jリーグの土日開催とかそういうことじゃなくて。今年で言うと、スーパーカップがあり、ついでA3があった。どちらも過去の公式戦を勝ったものだけが出られる試合だ。つまり負けたレッズは出られない試合。スーパーカップやA3のようにシーズンをまたいでいるものはともかく、そのシーズンのうちに上の試合があるもの、たとえばナビスコカップの決勝トーナメントがそうだし、天皇杯の4回戦以降がそう(くっ。去年…)。そしてチャンピオンシップもそうだ。


 一昨年まで、チャンピオンシップのときはどうしていただろうか。タイミング的に無理せず見られればテレビで見た。そんな感じかな。93年、94年あたりは2試合とも見たように思うが…。
 もし今年、2ndステージでレッズかマリノス以外が優勝していたら、僕はどういう気分で6日を迎えただろう。おそらく、過去のチャンピオンシップとは違う気分で見ていただろう。札幌で忘年会があったにしても、早く行ってホテルで見たはずだ。そして悔しさを滲ませていたに違いない。
 かすりもしなかった、これまでとは違う。手が届く紙一重の差ですり抜けていった。横浜国際の、あの場にいるのはレッズの選手たちで、ゴール裏の2階席では最高の応援が展開されて、僕はゴール裏でカメラの場所を争っていて…。空想ではなく、想像。現実に一歩近付いたからこその悔しさ。去年から今年にかけて何度も味わってきた、新鮮な悔しさ。それを12月6日にテレビの前で、もしかしたら横浜国際で噛み締めていただろう。


 今年のチャンピオンシップがなかったこと。2週間前までは自分たちが出場するものだと思っていたものがなかったことに、気づいたのは7日の朝になってからだった。レッズ以外どこが優勝しようが関係ないが、思えばマリノスが完全優勝して唯一良かったのは、自分たちが出ないチャンピオンシップを見ずに済んだことだなあ。


 天皇杯。いつも決勝の時間は、ほろ酔い気分だから何となくNHKを見ているけれど、素面だったらどんなつもりでテレビの前にいるだろう。それも02年や97年の元旦と、今年の元旦では悔しさが違っただろうな。


(2003年12月9日)


<追伸>
 チャンピオンシップで思い出した。93年のチャンピオンシップで忘れられないのが、ヴェルディのPKのとき、セットされたボールにジーコがツバを吐いて退場を食らったシーン。今季の最終戦の後半3分ごろ、PKボールをセットするエメルソンを鹿島の曾ヶ端、秋田、大岩、池内が取り囲み、何やら言っていた。池内にいたっては肩をポンポン叩いていた。それがPK失敗にどう絡んだのかは知らないが、いい影響があった訳はない。たぶんジーコのサッカー論では「マナー違反はルール違反ではない」「ルール違反も咎められなければ構わない」のだろうから、彼らは教えを忠実に守ったのだろう。ん?この東アジア選手権の間に、坪井がズル夫クンに変身してたりして。