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#292
今年こそリーグ優勝



 ヤマぁ?山田暢久が陶芸教室ぅ?トオルはわかるけど、なんでヤマなの?


 キリンビールが昨年行ったキャンペーン、スタンプラリーの一環でサポーターと選手が一緒に陶芸をする、という面白いイベントが1月10日に行なわれたのはオフィシャルホームページでも紹介されている。でも、それに参加するレッズの選手が山田暢久と千島徹というのがどうも腑に落ちなかった。千島は陶芸の経験があると聞いているけど、山田って飽きっぽくないか?大丈夫か?
 そう思いながら当日の朝、会場の「むさしのクラフトワークス」に出かけたのだけど、どうしてどうして。まず、始まるのを待っていた山田に「ヤマは、陶芸とか得意なの?」と聞くと、「どちらかと言えば」と自信ありげな返事。決してジョークで言っているのではなさそうだった。
 で、始まってみると、実に手際がいい。題材は「ビアマグ」。まあ大き目のコップと思えばいい。厚めの円盤型に整えた土を底にし、ヒモ状にした土を丸く重ねて積み上げていくのだけど、その形が実にきれいだし、ヒモとヒモのつなぎ目を指で平にしていく作業もうまい。第一、速い。向かいでやっている千島もていねいで上手なのだけど、ヤマの方がグングン上に積みあがっていく。この日、用事があって最後まで見ていられなかったのが残念だ。


 いやあ、疑ったりして申し訳ない、山田選手。考えてみれば、試合の前にMDPのクロスワードをロッカールームで全部解いているんだから、飽きっぽい訳じゃないんだよね。ただ、このビアマグが完成するのは1ヵ月後らしいので絶賛するのはそれまで待とう。

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 さて本題。上記は本来追伸ネタだったけど、写真入りだし、二人に敬意を表して最初に持ってきた。


 とっくに松も取れたというのに年賀状の話で引っ張って悪いが、多くのサポーターが今年の年賀状に書いてきてくれた一言。
 「今年は(今年こそ)リーグ優勝を!」
 去年まではたいてい「今年こそ優勝を!」だった。この微妙な言葉の違いに、去年の自分たちが到達した場所を再び思い出す。そうだよな、タイトルは一つ取った。リーグ優勝も、掴めはしなかったが指先に触れるところぐらいまでは届いた。次の目標はリーグ優勝しかない。新しい年に当たって思うのは誰もがそのこと。


 ただし勘違いしちゃいけない。昨年のナビスコカップ獲得は今年のリーグ優勝に関して何のアドバンテージにもならない。ナビスコの予選がシードされる訳でも、リーグの勝ち点があらかじめ何点かもらえる訳でもないのだ。もちろん選手の自信とか経験は積み重なっているが、それはレッズだけではない。他のチームは他のチームなりに経験を積み、モチベーションを高めてくる。レッズのチーム自体は昨年より成長しているかもしれないが、勝負に際して有利になる訳じゃない。
 これは去年オフトから教わったこと。僕は彼から「前の試合の勝利が次の試合のアドバンテージになる訳じゃない」と言われるたびに(でも波に乗るというのは大事なことだし、自信がつくということは有利でしょうが)と思っていたし、たまには口にもしたけど、オフトが言いたかったのは「勢いに乗るのも自信をつけるのも大事だが、それを次の試合へのアドバンテージだと思ってしまったら、逆にマイナスになるぞ」ということだったのかもしれない。まったく嫌になるくらい慎重な人だったけど、今になればそれもわかる。
 去年、ナビスコ優勝をはさんだ約1カ月半。9月20日の大分戦から11月8日の東京V戦までの10試合は、我々にとって至福のときだった。準決勝第1試合こそ0−1だったが、実質は負けじゃなかったし、ゴールシーンも30回あった。正直言えば、いつまでもその気分に浸っていたいが、それが今シーズンの開幕からまた見られると思ったら大間違いだ。あれはレッズの力のアベレージではなく、かなりピークに近い部分。2003年のアベレージはあくまで6位だ。カップ戦の準決勝、決勝がちょうどピーク時に当たったからタイトルを取れた、という要素はある(オフトがそこにピークを持っていった、とも言えるが)。


 オフトの3年目が見たかった。僕もそう思う。ただ、それが楽しい時間かというと疑問だ。オフトが2004シーズンも監督を続けていたら、どうしても昨年のピーク時を胸に抱いてしまうから、おそらく今の時期、サポーターの頭の中は期待度百%だろう。で、彼はきっと「ナビスコカップ獲得は去年のこと。今年のシーズンの成績には何の関係もない」と言うところから2004シーズンを始める。そして、「今年こそ」と力んで取材しようとする僕に「お前たちが浮かれると選手が勘違いをする」と言って、不愉快な気分にさせるだろう。まあ記者を気分良くさせることと、チームにタイトルをもたらすことのどっちが大事かということは、去年よっくわかったから不平は言わなかっただろうが。
 いない監督のことを言っても仕方がない。レッズの新監督、ギド・ブッフバルトに期待するところはもちろん大きい。だけど今の時点で、彼が新監督で良かったと僕が思う最大の点。それは彼の選手時代の人気や人柄などではなく「不安」だ。
 言い方ヘンか?
 監督が替わることによって生まれる緊張。ましてや監督としての手腕が未知数であることへの不安。それらが昨年の「至福の期間」を基にした「甘さ」を打ち消してくれる。圧倒的な力の差でもない限り、スポーツに百%の勝利などあり得ない。それは「今日は大丈夫」と思った試合で負けたことの多さを思い出せば十分理解できるはずだ。

 今年こそリーグ優勝。
 その合言葉に異存はない。それは去年ナビスコで優勝したからでもなければ、今年リーグ優勝できる百%の確信があるからでもない。我々がまだリーグ優勝していないからだ。

(2004年1月13日)

<追伸>
10日にはサポーター20数人の新年会に招かれて水上温泉へ。帰ってきて11日にも40数人の新年会。有意義に意見交換させてもらったが、これで正月気分は本当に終わり。今日は夕方に移籍選手の記者会見もあるし、来週には新監督も来日する。あと2週間で練習も始まる。緊張感を交えた期待の日々が始まった。


<追伸2>
で、申し訳ないのだけれど、年末に募集した「私のじゅうだいニュース」の紹介は正月を過ぎてしまったので、ムードに合わなくなったから取りやめます。送っていただいたメールはすべて興味深く読ませていただきました。全員にお礼を返送します。

<追伸3>
上記のヤマとトオルの陶芸、出来ました。

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