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COLUMN●コラム


#296
新校舎・その2


 必ず#295から読んでね。話が通じないよ。


 新しいクラブハウスの特長の一つはサポーターと選手の接点が広くなったこと。「接点」から「接面」になった、というべきか。今までは(工事に入る前)、道路に面した出入り口で「出待ち」する人が多く、危険だし、接点が少なかったが、これからは大原の敷地内で接する部分が大きくなった。選手は、サポーターが誰かに群がっている間に、すっと帰る、ということができにくくなったぞ。
 A面(クラブハウス側)のグラウンドを使用するときは約200席のスタンドで練習を見学できる。イスは駒場の席と同じものみたいだ。トイレも完備。もう障害者交流センターまで行く必要はない。
 そして目玉はサポーターズカフェ。クラブハウスの2階に作られた91㎡のこの部屋は、間違いなく快適な空間だ。41インチのプラズマビジョンで過去の試合(早くナビスコ優勝以外のソフトに替えてくれ)を見ながら、仲間と談笑し新しい仲間を作る。壁面のディスプレイにはナビスコカップを始め…他にはあまりないが、メモリアルが飾られている。いや、これからカップ類を置くスペースはたくさんある、と言い換えよう。
 グラウンドに面したバルコニーからは練習が上から見られる。練習試合のときなどはこっちの方がいい人もいるだろう。隣のプレスルームから出てきた記者とここでミックスされる。よろしく。
 部屋の中に飲食の自販機もあるし、外からの持ち込みもOK。自販機のデザインがまた泣かせるぞ。中央に作られた駒場スタジアムの模型を見ながらお手製のお弁当、というのもいいかもしれない。ただし、ガスコンロを持ち込んで焼肉パーティー…はNG。
 サポーターズカフェの開館時間は練習開始の1時間前から終了後2時間が目安。今季の練習開始は1月28日だから、その日がサポーターへのお披露目となる。
 他の選手関連の設備はある程度の指標があって作れたと思う。しかしサポーターズカフェはクラブのスタッフが設計者ととことん話し合ってデザインや機能を決めた。ここには管理人がいない。ここに来るサポーターはお客さんではなく、主人公だ。自分たちの家、と思ってもいいだろう(ただし自分だけの家、ではなくサポーターみんなの家)。自分の家の中にゴミは捨てないだろう。物をこぼしたら拭くだろう。傷つけたり落書きしたりしないだろう。
 新しいクラブハウスの中で、このサポーターズカフェはレッズが全国に誇れるものの一つ。しかし本当に誇れるのは1年たっても今と見た目が変わらないほど大事に使われたときだ。駒場スタジアムと同じくらい愛される存在になることを。

(2004年1月22日)