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COLUMN●コラム

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#299
今季の見どころ・その2「活性化」


 昨日、大原の午前中の練習はミニゲームだった。その前にもいろいろあったのだろうけど、僕が行った10時40分ごろからはずっと8人ずつのミニゲームだった。見ていて、「こりゃ、シーズン中の紅白戦か?」と思った。
 次のゲームの先発出場目指してしのぎを削る、そんな気迫があったのだ。いや、半ば先発メンバーが決まっているシーズン中と違い、この時期は選手全員横一線の感じが強いから、レギュラーの座がより近くに見えるはずだ。トライアウトで蘇った梅田、おひさの岡野、まだ高校生の新井、それぞれ見事なゴールを決めたかと思えば、室井、堀之内が相手のシュートを体を張って止める。啓太と酒井が激しくやり合う。いちいち全員の名前は出さないけど、本当に見ごたえのあるミニゲームだった。
 横で見ていたGGRの大西友子さんがポツリ。「みんな見てる…」。8人×3チームでやっているから1チームは休んでいる。その休んでいる選手たちも真剣な面持ちで横で行なわれているバトルを見ているのだ。

 なんてことはないのかもしれない。みんな練習中はいつも真剣だし、仲間の試合はじっと見ているもの。そう言われればそうだが、これまでより一回り違っていた。「おいおい、合宿前からそんなに飛ばして大丈夫か?」僕がそう思ったのもそれほどピントはずれではないはずだ。
 さっき言った、シーズン前のアピール、ということが大きいと思うが、それに加えて、新しい顔ぶれの存在も大きな要素だと思う。アレックスは代表合宿のためにいなかったが、新加入の2人も含めた6人が頑張っていいプレーを見せるから、他の選手たちもこれは負けていられない、と闘争心を燃やす。すると6人はふだんのレッズを知らないわけだから、「お、まだまだやらないといけないのか」とギアを上げる。負けてなるかと周りの選手が…。
 昨日のコラムで、書いた今季のみどころの2番目、「5人の移籍選手がチームにどういう影響を与えるか」は「7人の新戦力が」に訂正しなくてはいけないが、それがレッズを活性化させそうなことは間違いない。
 シーズン前ならどのチームでも当たり前?たしかにそうなんだけど、幸か不幸か今季は選手全員がそろわないことがたびたびある。そのたびにメンバーをガラガラポンといれかえるわけではないが、「プチシーズン前」みたいな時期がシーズン中にもあるのだ。そういう事情もあいまって、シーズン通してマンネリズムに陥らなくて済むのではないか。あの迫力あるプレーを公式戦で何度もみたいものだ。

(2004年2月4日)


追伸・ギド監督にミニゲームについて聞いてみた。この日は、経験や年齢がバランスよくなるようにチーム分けをしただけで、ゲームに当たって何の指示もしなかったそうだ。それによって、誰がどのポジションを取るのか、誰がチームを引っ張っていくのか見たかった、自分をアピールするチャンスを与えた、とのこと。新人2人についても「生意気に」良いプレーをしていた、と語っていた。