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#325
はるばる来たぜ


 夕方、道を浴衣姿の子どもたちが歩いている。夏祭りか?いや、今日は7月7日、七夕だ。何か催しがあるのか?しかし浴衣を着ているのは子どもたちだけだな。もう7時近いのだから、若い大人の女性の浴衣姿もあっていいんじゃないか?いや、別にどうしてもそれが見たい訳ではなく。
 それにしても子どもたちの動きが変だ。盆踊りみたいなイベントがどこかであるのなら、みんなが三々五々、ある方向に向かって歩いているはず。ところが3〜4人から5〜6人のグループが早足であちこちに向かって楽しそうに歩いている。まるで、それ自体が楽しいことのように。あら!郵便局に入っていくぞ?いや、ほかにも車のディーラーとか、道路沿いの会社に子どもたちが入っていく。ちょっと年齢に似つかわしくないな。なんだ、これは?


 ホテルに帰ると、ちょうどフロントから表に出て行く子どもたちのグループがいた。どう見ても泊り客ではなく、ジモティだ。
 「七夕ですから、子どもたちがお菓子をもらいに回るんですよ」
 今日は何かあるんですか?と聞く僕に、ホテルのフロント係はこともなげに答えた。
 お菓子?
 「うちも、品切れになったんで今買い足してきたところですよ」
 彼はカウンターの隅に置いた大きな籠に山盛りになった1個入りチョコレートをすくい上げた。
 「函館では七夕の夜は、子どもたちがあちこちでお菓子をもらえるんですよ。商店や会社だけでなく、個人の家でもどこでもくれるんです。私が子どものころからずっとそうですよ」
 僕と同年代のフロントマンがそう言うのだから、最低でも40年以上は続いている訳で、この辺ではもう普通のことなのだろう。函館の七夕はハロウィンなのか。
 という訳で、レッズの函館キャンプに来ています!


 7月6日の夜から9日まで、函館市の中心から車で約30分の亀田郡七飯町(ななえちょう)にある「大沼公園」付近で、レッズが短期キャンプを行うというので取材に行ってきた。もちろん7月17日のMDP240号に載せるためだが、1ページしかスペースがないので、そこからはみ出す写真を何枚か先に紹介しよう。ちなみに僕が取材した7日は快晴、8日は雨。9日はまだわからないが、現段階では準備のために6日から函館に入ったのは大正解だった。これで「6日は函館で遊んでたんだろう」と言われなくて済むな。


 キャンプには日本代表の坪井、アレックス、五輪代表候補の山瀬、啓太、達也、闘莉王、風邪気味のエメルソンを除いた22人が参加。実質初日となる7日は、朝8時からランニング。ゴルフコースを片道約12分間、やや速めのペースで往復した。6月28日から8日間
の休み明けだが、みんな自主的に走っていただけあって動きは軽やか。中でも7月から正式登録されたアルパイ・オザランは、スタートからゴール近くまでずっとトップを走る積極性を見せた。「ゴール近くまで」というのは、残り100mくらいになってチームナンバーワンの俊足を争う平川がスパートをかけてきたから。
 アルパイに感心したのはそれだけではなく、練習に出てくる時間がだいたい一番早いこと。さらに準備運動、クールダウンを念入りに行っていたことだ。やる気、というよりプロとしての当然の姿勢、みたいなものが伝わってきた。うーん、試合が楽しみだ。なお写真は、ゴルフコースを回るカートに乗って撮影したもの。疾走するカートのゴルフバッグ置き場に座って、選手たちを撮るのはなかなか爽快だった(疲れたけど)。協力してくれた函館大沼プリンスホテルさんに感謝。
 次の練習は11時から約2時間。4年前のシドニー五輪直前合宿に使用したという「トルナーレ」というきれいな2面のグラウンドでみっちり行った。念入りなアップの後、フィジカルトレーニング、シュート、パス出しと受け、2対2のミニゲームの4つのメニューを4〜5人のグループに分かれて行った。大原よりは長めだった。
 少し驚いたのは、駅前に「歓迎 浦和レッドダイヤモンズ」という横断幕がかかっていたこと。そして商店などにステッカーが張ってあったことだ。グラウンドにそういう掲示があるのは普通のことだが、七飯町をあげてレッズのキャンプに協力してくれているのを感じた。町の職員や体協関係者らしい人たちが大勢で運営に関わってくれてもいた。ちなみに初日の見学者は約70人だった。
 3回目のトレーニングはクロスカントリーばりのランニング。5時半から森の中のハイキングコースを約1時間走るハードなものだった。これは時間がなかったので、スタートして選手たちが森に消えていくのを見たところでキャンプ地を離れたが、朝のランニングよりは時間もコースもだいぶきついだろうことは、スタート前の選手たちの顔が固まっていたのを見て想像がついた。


 キャンプ地は、「11日にサテライトの試合がなければ、もう少しやりたいところだ」とギドが言うように、3日間で終わるのがもったいないほどの素晴らしいところ。当面控えたナビスコの2試合では日本代表が出られないし、2戦目は五輪代表もいない。連覇のためには1stステージで出番の少なかった選手の力が絶対に必要だ。さらにレギュラー争いがさらに激化することで、2ndステージ優勝に向けた底力が強くなる。3日間で何がどうなる、というものではないのかもしれないが、これから出番を目指す選手たちはシーズン半ばの再スタートのようなつもりで、レギュラー入りのきっかけにしてほしい気がした。

(2004年7月8日)

<追伸>
 函館では、GGRのキャスター水内猛さん、プロデューサーの出井さんと一緒だった。6日市内を一緒に回ったときに、全国ネットの番組に出演している水内さんの人気にあらためて驚いた。
 函館山の売店で、売り場の女性3人がひそひそ。いいトシをしてチョコレートチップスを食べながら新撰組グッズなどを見ている僕が奇異に見えたのかな、と思ったら違った。「あの人、元サッカー選手の人ですよね」「はい、水内猛さんですよ」「やっぱりそうだ!」。
 その売店では就学旅行中の高校生たちに写真攻めにあうし、市内では若者2人からやはり「あの、一緒に写真撮ってもらっていいですか?」と声をかけられたので、「プロとして」僕が「写ルンです」のシャッターを押してあげた。面白かったのは路面電車で料金を払って降りる水内さんに「あの…」と運転手が声をかけたこと。料金不足かな?と思っていたら「元Jリーガーの人ですよね」。「はい、そうです」「いや、いつも見てますよ」…。いいけど、お客さんいるんだから早く出せよ。
 GGRの取材だったし、水内さんとは近しすぎることもあるから、僕には有名人と歩いている意識がなかったのだけど、彼は全国人気のスポーツコメンテーターだった。失礼、失礼。
 そう思い直していたところへ、僕よりやや年上の女性グループ4〜5人。水内さんに向かって「写真撮ってもらっていいですか?」
 さすがタケシ!ファン層が幅広いなあ…と感心していたら、ホントにシャッターを押してもらいたいだけだった。
 7月9日(金)放送のGGRもお楽しみに。
 
朝8時からのランニングはゴルフコース   走ることならおまかせ、と楽しそうな岡野
 
出番を目指す若手たち   自動車事故では心配をおかけしました
 
内舘もポジション争いが厳しくなりそう   スタッフも一緒にランニング、おっと都築はやや遅れてます
 
長いリハビリ明けの小林にとっても仕切りなおしのキャンプ   1stステージでは結果が出なかった(チャンスも少なかったが)梅田。まず最初のチャンスはナビスコか
 
1stステージでは不本意な時期もあった山田   徳重もレギュラー争いに割って入りたい
 
アルパイはほぼ集団のトップを走り続けた   結構、起伏もありました
 
トンネル。アルパイ、大丈夫か?   自然の中を走るだけで健康になりそうです(俺はカートだったが)
 
ゴール近くで集団を引き離すアルパイを捕まえるべく飛び出した平川   もちろん監督も完走
 
「今は調子がすごくいい」という千島は表情に余裕   ランニング後、入念なストレッチをするアルパイ
 
大沼公園駅近くの施設に掲げられた横断幕   駅前はこんな感じ。レンタサイクルがたくさんあります
 
わざわざステッカーも作ってくれた七飯町   グラウンド「トルナーレ」にあるトルシエ前日本代表監督の手形
 
訪れたファンには選手ポストカードのサービスが   山岸は、コンディションを心身ともにいつでも出られる状態にしておくのが課題。簡単ではない
 
1stステージの活躍は誰もが認める長谷部と永井   アルパイの本格プレーを見るのが楽しみ
 
室井もうかうかしてはいられない(してないって)   三上がレンタル移籍し、堀之内も出場に向けてさらに燃えているはず
 
22人が参加した函館キャンプ。素晴らしい環境だった(リハビリ中の横山は別メニュー)   GGRのリポートをする水内さん