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COLUMN●コラム

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#336
しなる木の枝、あるいはマグマ


 おお。旧浦和市の郵便番号か(東西の一部を除く)。
 このコラムもよく続いたと思うけど、レッズのゴール量産ペースにはかなわないな。ホーム2試合で10点!3点取らないと勝てない守備力を責めるべきか、2点取られても勝つ攻撃力をほめるべきか。勝ってるんだからもちろん後者だよな。それと、3試合とも必ず比較的早い時間に2−0になっているということを見れば、つまり立ち上がりは失点していないんだから、失点は守備力というよりも集中力と言った方がいいのかもしれない(演出力?いや、それはないだろ)。磐田戦の同点弾は、福西の退場で「よし、これでなんとかなったな」という気持ちがなかったとは言えないだろう。ん?「来年はフェアプレー賞」宣言の福西、やけに素直に退場したと思ったら、1人足りなくなることでレッズの気の緩みを狙う高等戦術だったのか?肉を切らせて骨を断つという…、だとしたら大成功だな。ただ、あのエルボーをしっかり見ていなかったレフェリーが副審に聞きに行った。レフェリーとしては自分の行為で時間をロスしたという意識があるからロスタイムを1分増やして4分にした。その1分の差が、あの48分37秒の長谷部の決勝ゴールを生んだ…。う〜ん、奥深い。
 それにしても吉田主審が近寄る選手たちを手で制しながらバックステップで副審に近づき、顔を合わせずに事情を聞いている場面は面白かったぞ。あれが穴沢さんならピッチにケツを向けて副審と対面で話してただろうな。試合の緊張感を途切れさせないためには吉田さんみたいなやり方がいいと思う。主審はいかなるときでもピッチから目を離さないぞ、と。


 という訳でレッズのJ1通算GO!GO!GO!ゴール(555号)は長谷部誠!MDP241号(東京V戦)で出題したときは、まさか2試合で出るとは思わなかった。実は今朝、DVDを見直していて555点目が出たことに初めて気がついたのだった。3試合で13点のペースが15試合続いたら、あと52点。う〜ん、600号クイズをやるのも案外無茶じゃないかも。
 あ、そう言えば、昨日のMDPの表紙も長谷部だったじゃないか!持っている人は見てもらえばわかると思うけど、ヘアースタイルが今と違う。そう、1stステージの早い時間に撮った写真だ。それを今まで使わずに、あの試合に持ってくる俺って、やっぱりエスパーじゃないか(→#331)?神戸戦で2点取った後の東京V戦でも表紙候補として可能性があったけど「いや、まだだ」と我慢し、磐田戦ではアテネ五輪から復帰した闘莉王かな、と思いながら「いや、今日こそ長谷部」とひらめいたんだから。
 え?最近のハセの調子を見れば誰でも使いたくなる?まあ、そうとも言えるが。サッカーマガジンも先週大原でインタビューしてたから明日発売の号に載るんだろうし…、それとも最近レッズの表紙がないから(除く青ユニ)、売りを狙ってハセの表紙もあるか?


 これが前フリだと言ったら怒る?でも、今週書こうと思ってたことは違うの。だんだんMDPの製作がきつくなるから早めに書いておく。
 昨日の試合、もちろん楽しみだったけど、勝敗や内容の前に興味津々だったのはスタメン。エメルソン、永井、達也の3人のFWのうち誰が出るのか、ということ。一般的には3トップもなくはないが、ジュビロ相手に中盤の選手を減らすことはないだろうと思ったから、定員は2。2試合連続ゴールのエメルソン、前節ハットトリックの永井、そして試合への欲求がたまりにたまっている達也。誰が出ても活躍することは間違いないだろうから難しい。まあ、ふつうに考えれば、試合に勝っているし、前節点を取っているFWを替えることはないだろうけど、もし僕が監督なら迷ってしまっただろう(お前ならたしかに迷監督だって?まあね)。
 先週、埼スタで練習があった木曜日、選手の話を聞くのに待っていると達也が出てきた。長くはなかったが、いろいろ聞いて最後に「五輪で不完全燃焼だっただけに、先発への意欲が強い?」と当たり前のことを聞く僕に答えた言葉。
 「もちろん。もうベンチは嫌です」
 ああ、文字だと伝わらない。「もうベンチは嫌です」という言葉は、たしかにトーンが上がって聞こえたのだ。不覚にも言葉に詰まって「ありがとう、頑張って」と取材を終えるしかなかった。達也が語調を強めたのか、僕の気持ちが彼の言葉に色をつけたのか、それはわからない。でも、五輪の3試合で不本意な使われ方をしている達也、浦和に帰ってきてホッとした表情でファンにサインしている達也(→#334)を見た僕には「もうベンチは嫌です」という言葉は、特別な響があった。だから先発で使う、というのは監督としてはあり得ないのかもしれないが、ハットトリックの永井をはずしてもいいくらい大爆発する予感がした。


 結局、達也は実質8分くらいのプレーしかできなかった。試合の流れに乗るには短すぎたかもしれないが、激しく戦っていたし、エメルソンへの決定的なパスなど貢献していたと思う。だが、まだまだまだまだまだ。
 重い雪に覆われてしなった木の枝が元に戻るときの勢いはものすごい。石川県の冬では普通の光景だから何度も見たことがある。
 まだ直接見たことはないが、田中達也という地球の中にたまったマグマが噴出するときのパワーはどんなだろう。もしかしたら、そのとき僕は、山本さんという地殻にちょっぴり感謝するかもしれない。


(2004年8月30日)