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COLUMN●コラム
#342
画期的じゃないか2
やった、Jリーグ。
あ、これじゃ#340とおんなじか。でも、それくらい画期的なことなのだ。
レッズがナビスコの決勝に進出した場合、シーズンチケットのホルダーには決勝チケット優先購入の道が開かれた。早いところで7日、遅くても8日には「レッズが決勝に進んだ場合、決勝の自由席チケットを購入する引換券を後日送ります」という趣旨の案内がシーズンホルダーの手元に届くはずだ。実際に引換券が届くのは10月の14~15日になるだろうから(準決勝に勝ってから印刷、封入、発送だからね)、11日の一般販売開始には間に合わないが、その分のチケットは確保されているから、シーズンホルダーは10日の夜からコンビニに並んだり、休みの日の午前10時前からすべてのことをシャットアウトして電話に、パソコンに向かったりしなくてもよくなった。もちろん相手チームに対しても同様の措置が取られる。
人によっては文句もあるだろう。
「なんでシーズンホルダーだけなんだ?その他の常連は?後援会員は?オフィシャル・サポーターズ・クラブのメンバーは?」
・国立のキャパシティから言って、これくらいが限度でしょうね。抽選とかなしであっせんできるのは。
「俺は指定席のシーズンチケットを持っているのに何で自由席しか買えないんだ?」
・レッズの指定席シーズンホルダーの数が多すぎて、そこまでは配分されないようだ。相手とのバランスもあるだろうし。
「何でもっと早く告知しないんだ?」
・たしかにもっと早く決定されて、決勝のチケット販売概要と同時に該当者には連絡が行くと良かったけど、ギリギリ名古屋に行く前でセーフじゃない?
「一般販売より前に優先購入させるべきじゃないか?」
・これも決定時期の問題だろうね。シーズンホルダー全員が買うとは限らないから、余った分はどうするんだろう?でもJリーグに返す訳じゃなく、クラブで責任を持って売るんだろうな。ただ、シーズンホルダーで指定席が欲しい人は一般発売でチャレンジしてから駄目だったら自由席を買う、という手が使える。
「何で去年からやってくれなかったんだ?」
・…。
「・」の部分はオフィシャルな説明ではなくて清尾の勝手な言い分。まずは、Jリーグ主催試合で、両チームのサポーターに対してこれだけの配慮をしてくれることになった、ということを大いに喜びたい。#340で報告した、自由席のホーム&アウェーの区別をあらかじめ半々にしておくのではなくて、購入者の希望によりフレキシブルにしたという措置と含めて、一歩前進どころではない、一つ上の階に上ったほどの改革だと思う。
今後(来年に向けて)、解決すべき問題はまた出てくるだろう。購入可能な席種の問題、告知日の問題、販売時期の問題、優先購入者の選定の問題…。しかし二階に上がらなければ二階の住み心地はわからない。まず、ここまでの改革を決定したJリーグと、おそらく粘り強く交渉したであろうレッズの担当者に(もしかしたら他クラブも)敬意を表したい。
一つだけ自慢したい。自慢というのも変だが。
1992年 56,000人
1993年 53,677人
1994年 37,475人
1995年 28,232人
1997年 10,437人+14,444人
1998年 41,718人
1999年 35,238人
2000年 26,992人
2001年 31,019人
2002年 56,064人
2003年 51,758人
ナビスコカップ決勝の入場者の推移だ。97年は磐田対鹿島のホーム&アウェーだった。
2002年まで空席が目立っていたナビスコの決勝。
今回の、自由席ホーム&アウェーの購入者選択とファイナリストの常連サポーターへの決勝チケットを優先販売は、どのチームが決勝に上がろうが、有意義な方式だ。何も浦和がベスト4に入ったときだけ取られるものではないだろう。しかし、発売初日に短時間で完売してしまった昨年、一昨年の経験があって、今回の措置が取られたことは間違いないだろう。つまり今回の措置は浦和レッズがファイナリストになってことが契機で導入されたと言っていい。
将来、「へえ、Jリーグ主催の決勝でもシーズンチケットホルダー(クラブによってはソシオ会員とかファンクラブ会員とか)は優先してチケットが買えるんだ」と若いサポーターが言ったときに「ああ、2002年と2003年に浦和レッズが決勝に出たときに大変なチケット騒動があって、それをきっかけにこうなったんだよ」と答えてやりたい。
できれば「2004年に浦和レッズが連覇した年からこうなった」と言いたいものだが。
(2004年10月7日)
<追伸>
このことについて、浦和レッズから公式発表はないと思う。準決勝を前に「決勝のチケット云々」することがはばかられる、ということもあるだろうし、シーズンホルダーだけの優遇措置をファン、サポーター全体に告知するのもいかがなものか、という配慮もあるようだ。実際にシーズンホルダーに直接通知が行けばいいことで、みんなに知らせるのは「シーズンホルダーには、こ~んなに特典があるよ!」と言うようで嫌らしいかもしれない。
でも僕は、このコラムでクラブとJリーグに対してお願いしてきたことでもあるし、Jリーグに対して文句や批判ばかりでなく感謝も述べなくてはいけないと思うので、けじめの意味で載せた。
シーズンホルダー以外の方々、面白くないかもしれませんが勘弁してください。それよりも明後日の名古屋戦で勝たないと、せっかく二階への階段をつけたのに、他人が上がることになってしまいます。絶対に勝ちましょう。
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