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COLUMN●コラム

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#347
WE ARE REDS!


 もう一つあった。カシマスタジアムでの「久しぶり」。
 レッズが勝ったのが公式戦でそれまで2回しかなかったのはもう有名になっていたけど、鹿島サポーター側のゴールにレッズのシュートが決まったのも2回しかない、と試合前に言われた。そう言えばそうだ。その2回はすぐに浮かんでくる。93年6月9日の福田正博と、98年4月25日の福永泰。たしかに、それ以外は記憶にない。調べてみると、カシマスタジアムでレッズは15試合で12点しか取っていなかった。これ自身も少ないが、そのうちの2点というのは、たまたまではないような比率だ。レッズサポーターの目の前でネットが揺れるのは気持ちがいいが(もちろんレッズのシュートで)、鹿島サポーターに見せ付けるというシーンもたまには欲しい。
 そう思いながら前半ゴール裏に座ったのだけど、いきなりあっさりと決まってしまった。それも1点目は、永井のスルーパスに飛び出した達也がワンタッチでGKをかわして決める、という素晴らしい形で。さらに2点目は、シュートのリバウンドにいち早く反応したのが達也だけ、という鹿島守備陣をコケにするような形で。
 なんだよ、ジンクスなんて簡単に崩れるな。簡単でもないのだけど、今季の後半は確かに過去の悪例をいくつも打破しながら勝って来ている。FC東京に負けた後、ガンバに力勝ちしたのもそうなら、マリノスとスコアレスドローを演じた後も、今回鹿島に競り勝ったのもそうだ。好調は長く続くし、多少の不調があっても続かない。これが今季のレッズの強みだし、それは試合の中にも表われている。先制されても、追いつかれても、それでズルズルと崩れることがない。
 これでカシマスタジアムでの成績は16試合で3勝、15得点。そのうち鹿島側のゴールに入ったのは4点。まだまだ少ないけど、大事なのは道を開いたこと。新生レッズ元年の2002年から見ると対戦成績はこうなった。流れが変わっていることは明らかだろう。


 浦和   鹿島
  ○3−2●(ナ)
  ○3−2●(ナ)
  ●0−2○(J)
  ●1−2○(J)
  ●0−1○(ナ)
  ●1−3○(J)
  ○4−0●(ナ)
  △2−2△(J)
  ○1−0●(J)
  ○3−2●(J)


 しかし開始直後の鹿島側のゴール裏は煙かった。あれじゃ曽ヶ端GKも大変だったんじゃないかな。それが2失点の要因だとは言わないけれど、喉の弱い選手とかいたら影響あったね、きっと。
 煙かっただけでなく間違いなく火薬の匂い(僕は好きなんだ、あれ)がしたけど、あれは何だったんだろう?試合後の乱闘ばかりが注目されているけど、あの煙は公認だったのだろうか。ちょっと不思議ではある。


 試合のときは、いつも少しの不安と大きな期待を抱いてスタジアムに行く。今回の鹿島戦は2つの不安と大きな期待があった。試合そのものではなくサポーターに関して。
 大きな期待はもちろん3,000人60台バスツアー。3,000人という数字はレッズサポーターがアウェーに行く数としては別にびっくりするほどのものではない。しかし、それがまとまるとどうなるのか。考えただけで胸が躍った。
 2つの不安のうち、一つはツアーの仕切りや運行に際してトラブルが起こらないかということ。サポーターが2ヶ月間本当に一生懸命準備していたことは僕もよく知っているが、何といっても素人。予想外のことが起こったときの対応が心配だった。
 そしてもう一つの不安。それはカシマスタジアムに無事着いたことで安心してしまうのではないか、ということだ。これは遠いアウェーゲームのときによく見られる。いろんな方法で苦労して現地に到着する。スタジアムに入る。その時点で一つの大仕事を終えてしまい、ホッとしてしまうことがある。試合前にリーダーが人を集めたり、アジったりして(死語?)気合を入れ直すが、それまでの「まったり」感が完全に消えないこともある。
 「仕事で行っているお前が言うな」と思うかもしれないが、心理学的にも合致したことなのだからしょうがない。今回は、カシマスタジアムでレッズの勝利を、という大仕事の前に、3,000人を自分たちの力でスタジアムに運ぶ、というやったことのない仕事もあるのだから、僕の心配もむべなるかな、というものだ。


 杞憂でした。
 カシマスタジアムの駐車場にバスが1台到着するたびに「WE ARE REDS!」の雄たけび、そして全体がまとまって移動、入場。そして試合が近づく。3,000人の部隊は、それ自体がモチベーションだった。スタジアムに入ると他の手段で(後援会の400人列車貸切ツアーも話題になっていいと思うが、まったく霞んでしまったな)来たサポーターと合わさって、キックオフまで気持ちが緩み切ることはなかっただろう。
 鹿島サポーターのおかげも少しはあったかもしれない。何かというと、選手入場の直前、バックとメインの指定席に大旗を広げようとやってきてトラブルになったこと。バックスタンドで最前列にいた女性サポが手すりを握って旗の通行を「阻止」。頭の上から「こらぁ〜通させろぉ〜」と凄まれたが、手は放さなかった。そのうちレッズのゴール裏から励ましのコール。1人最後まで強行突破を図っていた鹿島サポーターもいたけど、身内からも止められた。結局バックスタンドの大旗は真ん中よりだいぶ鹿島側にずれて広げられた。
 件の女性サポはこう僕にメールをくれた。


 手すりをつかんだ私の手を放させなかったのはゴール裏のコールでした。メインスタンドで観戦の友人から「見ていますよ。頑張って下さい。」と電話がきたり、帰りのバスの中で後ろの方が「一番前で手すりを離さなかった人がいたよな」と会話が聞こえてきた時はうれしかったです。


 相手のファンもいるかもしれないスタンドでのビジュアルパフォーマンスについてはいろいろ意見があると思うが、ここでそれを展開していると長くなる。
 そしてメイン。こちらはいつの間にか一番前で大旗を準備してしまっていた。だから上げさせるか上げさせないか、という「闘い」。もめていたがキックオフ時間は近づく。ゴール裏のサポーターがメインスタンドに気を取られるところへ、リーダーから「試合に集中しろ!」の喝とコール。
 あの十数分の出来事は、スタジアムのレッズサポーターの気持ちを、スタンドの場所に関係なく固く固く一つにするのに絶大な効果があった。だから鹿島サポの「おかげ」なのだ。
 それにしても、選手入場のだいぶ前からスタンドに掲げ、選手が入ってくるとたたまれてしまう応援て…。あ、批判してるんじゃないよ。レッズとはコンセプトが違うんだなあ、と思っただけ。


 今回のバスツアーは、これがなければ試合には行かなかった、という人もいるようだ。また、ふだんなら友達と2人で行ってそのまま帰って来る、という人たちが少なくないだろう。その人たちも含めて、レッズサポーターの新しい結束ができた、という点で大きな意義があった。埼スタからの出発前、いつもはクルヴァで目を吊り上げている黒いサポーターが、白いTシャツを着て参加者の受付をかいがいしくやっているところは、それはそれで素晴らしいい絵だったぞ。「WE ARE REDS!」という言葉をしみじみとかみしめた日だった。
 企画、実行したサポーターに敬意を払うのはもちろんだが、大手旅行代理店に借り占められていたバスをなんとか都合してくれた各バス会社のみなさん、参加者に渡すグッズを格安あるいは無償で提供してくれた各社、早朝と深夜に駐車場を開放してくれた埼玉スタジアム、それらの橋渡しになってくれたクラブのスタッフ…。みなさんの協力なしには成功しませんでした。本当に感謝します。ありがとうございました。


(2004年10月1日)


<追伸1>
 個人的には、午後10時半ごろ僕のバスが埼スタに到着したとき、赤い誘導棒を振っていた埼スタのHさんを見て涙が出そうになった。朝ももちろん、7時前から駐車場に来て心配してくれていたし、本業(あの日は埼スタでイベントがあた)が終わってから何時間も待っていてくれたのだろう。仕事としては何の義理もないはず。僕らがスタンドで精いっぱい応援できたのも(お前はやってねえだろ!)、あなた方のおかげです。国立であるナビスコ決勝の抽選に埼スタを借りるのも、本当はおかしな話だけど、それもお世話になります。よろしくお願いします。サポーターのみんなも、「それは当然」と勘違いしないでね。


<追伸2>
 バスツアー出発前に携帯電話を落とした人がいる。埼スタには届いていないそうだ。MDPで出すのは遅くなるから、まずはここで呼びかけてみる。機種はJ-SH53、色はシルバーブルー。心当たりの方は清尾まで連絡ください。HAG03546@nifty.ne.jp


<追伸3>
 スタジアムの中で撮った写真はネット掲載できないが、これは大威張りで載せる(イバレるほどの写真かどうかはともかく)。
 
埼スタに昇る朝日を浴びる必勝ダルマ   バス60台は写しきれませんでした。すみません。
 
さわやかな白Tシャツが幹事役のサポ   みんな思い思いのお化粧をバスにしてました
 
カシマスタジアムの駐車場   バスが1台到着するたびに「we are reds!」
 
スタジアムへ移動。もう闘いは始まっているかのよう   入場ゲート前で
 
バス20号車の帰りの風景。みんなこうだったでしょ?    
 
 
<追伸4>
 そうだ、今日は2つの締め切りだった。一つはナビスコ決勝MDPへの熱いメッセージ投稿(#344追伸参照)、もう一つはそのMDPのまとめ買い注文(#345追伸参照)。よろしくお願いします。ちなみに後者は僕が個人でやっているもので、僕がクラブからまとめて買ってみなさんに配るという形です。発売当日に窓口で買う部数に制限はありませんから、僕に言わないとまとめ買いできない、という訳ではありません。趣旨をご理解ください。