Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#006
新しい家族
 僕は一人っ子で(48歳になって、この表現も変だが)、しかも父親が外国航路専門の船員だったから、母親と二人暮らしの時間が長かった。会社の規定によると、父親は1年のうち、延べ8カ月ぐらい家にいたはずなのだが、僕の記憶では3ヵ月留守にして2〜3週間家にいる、というイメージだった。僕が生まれたときからそうだったから、もの心ついたとき、僕の家族観は母親に対するものしかなかった。父親が帰ってくると、もじもじして数日間は、なつけなかった記憶がある。
 赤ん坊が生まれたのとは違い、しっかりとした自我を持った人間が家族として家の中に急に増えると違和感が生じる。親しくしないといけないのはわかってるが、どう接していいかまだわからない。昨日までは他人だった人が、今日からは家族。頭での理解と、肌での感覚は違う。実の父親に対してもそうだったのだから、たとえば親の再婚とか、事情があって親戚の子が一緒に住むようになるとか、そういう経験をした人はもっと複雑な思いをしただろう。

 いま僕は、浦和レッズレディースに対して、あの懐かしい感覚を味わっている。2月までは、地元のチームではあってもほとんど接触がなかったチーム。昨年のL・リーグ優勝のときも、「すごい!良かったね」ぐらいの思いだった。
 それが今はレッズファミリー。ユースやジュニアユースの選手には顔見知りも増えてきたが、レディースの選手でまだ直接話した人はいない。でも浦和レッズファミリー。もっと親しくならないといけないと思っても、女性でもあるし、なかなか打ち解けられない。
 みなさんの中にもそういう人いませんか。
 その、頭の理解と肌の感覚を一致させる一番よい方法。それは試合を数多く見ることだ。第2節で今季初白星を挙げた浦和レッズレディース。2回目のホームゲームは、4月24日(日)駒場スタジアムの第3節・スペランツァF.C.高槻戦。午後1時キックオフで、開場は12時。入場は西側ゲートから。入場無料。
 僕も大原の取材を終えて駆けつける。一緒にホーム初勝利を勝ち取ろう。
 そう。一緒に闘うことが、家族になる一番の手段じゃないか。
(2005年4月22日)
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