Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#053
「本気度」の理由
 シドニーキャンプから一足早く帰ってきた。恒例のMDP・EXTRA(増刊号)が2月24日(金)に発行される予定のため(そろそろ発表されるはずだが)、その作業にかからなければならないからだ。
 実は海外キャンプを取材をするのは、僕は初めてだった。初日の2月10日から15日まで同行したが、国内でのキャンプよりサッカーに集中できそうな環境だな、と思った。結束も深まりそうな気がした。要は他にやることがほとんどないし、話をするのは(言葉が通じるのは)レッズの関係者がほとんどだからだ。ギャラリーの数も、浦和はもちろん国内キャンプと比べればケタが2つか3つ違う。
 そんな中であらためて感じたのは今季の選手の「本気度」だ。1月28日の、大原での練習開始のときも少し驚いた。初日からいきなり8対8のゲームをやったギドにもびっくりしたが、ほとんどの選手が「予想外だった」と言いながら、ちゃんと体が動いていたことにも感心した。一対一の局面での当たりも激しかった。と、僕が言うのも偉そうだが。
 1月1日まで試合があって、なまじオフが短かったから体を完全に弛緩させることがなく、自主トレ期間で臨戦態勢に戻すのが楽だったのかもしれない。それはそれでシーズン通して体が持つのか、と心配になるが、今季はワールドカップ中の中断期間があるからそこで調整できるのかもしれない。
 シドニーキャンプでも、それは続いていた。たとえば14日の午後には、コンディションの良くない選手を除く全員が出場した紅白戦があったが、味方同士とは思えないほど激しい場面が何度もあった。「紅白」戦だから「味方」ではないし、そもそも今季はみんながチームメートでありライバルなのだ、ということかもしれない。
 団体行動だから、誰かが手を抜くとムードが伝染する可能性もある。逆に誰かが激しくプレーすると、浮き上がるかみんなが負けじと激しくなるか、どちらかになる。そういうことで言うと、手を抜く選手は見当たらなかった。一対一の当たり、フリーランニング、コーチングなどで頑張る選手が目立った。
 理由として考えられるのは2つ。1つは4人の即戦力選手の移籍加入だ。当然ポジション争いが激しくなること以外に、その新顔の選手が率先して頑張っているから、他の選手は負けていられない。キャンプ直前に合流したワシントンも、コンディションを早く100にしようと意識していた。
 もう一つは日本代表選手が5人になったことだ。これが、去年までのようにアレックスと坪井の2人だけだったら状況は違っていたかもしれないが、今は小野、長谷部、都築が加わり代表「組」と呼べるようになった。13日の朝、代表組が合流してからのムードは明らかに違っていた。代表選手が戻ってきたからって、ポジションは渡さないぞ、という気持ちだろう。そして代表組は代表組で、レッズで一緒にやる期間の短さに多少の危機感もあると見え、移動の疲れもあるはずなのに、紅白戦と翌日の練習試合は全力モードだった。
 そして若手は若手で、同年代の選手に遅れたくない、という気持ちもあるし、一口に「チーム内競争」と言っても様々な関係のそれが見られた。シドニーそのものにまったく未練はなかったが、最後までついていたかったキャンプだった。
 誤解されるといけないが、ギスギスした雰囲気はほとんどなかった。岡野を筆頭にムードをなごませる選手は何人もいるし、みんながそれを受け入れていた。で、プレーは真剣そのもの。オンとオフの使い分けが非常にうまくいっているな、と思った。
 ちなみに小野伸二は「即戦力の移籍」と「代表組」の両方に入っている訳で、そういう意味でも彼の復帰はレッズに大きな変化をもたらしたことになる。
(2006年2月20日)
〈EXTRA〉
 私事です。
 日付を打って気がついたけど今日は1年前、埼玉新聞社を辞した日じゃないか。フリーになってちょうど1年がたったということか。いろいろな人にお世話になりながら突っ走ってきた1年だった。「自分の存在がレッズの役に立つならば」という気持ちと「餓え死にしたくない」という危機感で手当たり次第に仕事をしてきたけど、とりあえず餓え死にしなさそうなので(少し太ったのはぜいたくしてるからでなく食生活が不規則だから。Y家、M屋、K苑、H屋にお世話になって、5〜10分で食べる毎日だ)、これからはクラブ、チーム、サポーター、スポンサー、ホームタウンなど広い意味での「レッズ」の役に立つために仕事の質を上げていきたい。
 仕事を選ぶのか?いやいや、そんなエラそうなことではない。いろいろな人とのネットワークを強めて、任せた方がいい部分は他の人に任せていこうと思う。それがフリーになった者のささやかな特権かもしれない。
 だから、これを読んでくれているみなさんと、いつかどこかの場面でジョイントする仕事があるかもしれない。そのときはどうぞよろしくお願いします。
EXTRA2
 フリーになってから始めたこの連載も11ヵ月で53回。途中、抜けた週もあったけど、平均すると週1ペースはなんとか保てた。と自画自賛したところで、更新の不定期に我慢しながら読んでいただいているお礼に「清尾淳フリー1周年記念プレゼント」。全53回のうち面白かったもの2つと(なくても無理に)、つまらなかったもの2つ(いっぱいあっても絞って)を教えてください。抽選で5人の方に「さいしん・レディア型貯金箱」を、30人の方に僕が今まで貯めたレッズグッズを何か差し上げます。応募要領は下記。本当にいつもありがとうございます。
(これって、事務所引っ越した後に出たものの整理じゃないだろうな…)

<応募要領>
あて先メールアドレス:HAG03546@nifty.ne.jp
締め切り:2月25日24時
・必ずメールのタイトルを「1周年○○○○」(○○○○は応募者の名前)としてください。
・〒、住所、名前、電話番号を添えてください(当選した場合の賞品発送以外の目的には使用しません)
・面白かった理由、つまらなかった理由も書いてもらえるとありがたいです。
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