Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#073
満貫
 ボーリングのスコアの付け方とマージャンの点数の数え方を知っているのが、ちょっと自慢だ。ボーリングは最近どこも自動カウントしてくれるが、マージャンの点数自動計算機はたぶん開発されないだろうし。
 マージャンの点数は、細かく数えれば1の位まであるのだが、切り上げて最少単位を百にし、3,900点とか5,200点という点数になる。そして、ある程度以上はリミッターがある。本当は10,400点なのが8,000点になってしまうのだ。これを満貫(マンガン)という。満貫ならまだ切り捨てられる点は少ないが、その上のハネ満貫になると、本来は41,600点なのに12,000点で我慢しなくてはならない。そういうルールなのだ。

 7月29日の甲府戦、終盤になって電光板に本日の入場者数が出た。17,000人。おい!なんだ、そりゃ。
 まあ千分の一の確率でこういう数字になることもあるだろうが、普通は考えられない。ちゃんと数えてるのか?概算じゃないだろうな。
 その後の場内アナウンスで、これが「今季最多入場者」であることがわかった。ははーん。もしかして規定のキャパを超えちゃったか?小瀬スポーツ公園陸上競技場のキャパは17,000人という記憶があった。それ以上の入場者があったとしても、たとえば17,523人とか発表する訳にはいけないんだろう。キャパ以上、何人入っても17,000人。要するに満貫だな。

 甲府の選手たちが、たとえ赤い部分がかなり多かったにせよ、満員のスタンドに闘志をかき立てられたことは間違いないだろう。オシム監督が「浦和の敵は浦和」と言った事はあるが、そういう表現もあたっているだろう。いまや日本で一番マスコミに取り上げられ、日本一で一番の予算を持ち、入場者数でもトップクラスのチームに対し、黙っていてもファイトを燃やす相手選手。その試合を見に、応援に来る通常よりたくさんのファン。そのファンの数がさらに選手の心に火をつけ…。
 僕の友人は「レッズ・ドーピングってあるよな」と言った。ドーピングという言葉が適切かどうかはともかく、意味は良くわかる。だからと言ってレッズが不利だという言い訳にはならない。相手の闘志をさらに上回る強さで勝たなければ王者にはなれないんだから。

 かつてレッズは、ヴェルディに対しては闘志を燃やした。頑張った。ふだんよりいい試合をすることが多かった。たぶんレッズだけではなく、どのチームもヴェルディと当たるときは同じように向かっていったのだろう。でも優勝するのはヴェルディ。そんな時代が続いた。相手を頑張らせて、いい試合をさせて、向こうのファンをある程度満足させておいて、でも勝つのはこっち。レッズもそんなチームになってほしい。
(2006年8月4日)
〈EXTRA〉
 6年前、2回訪れた小瀬とは様相が一変していた。甲府ファン、サポーターの多さと熱心さは、J2での戦い、3位、入れ替え戦の勝利、などを通じて培われたものなのだろう。正直に言えば、6年前は「レッズを見に来た」観客もいたと思うが、今回は「(甲府が)レッズ(に勝つの)を見に来た」人が多かったのだろう。たしかにレッズサポーターもかなり多かったが、スタジアムのキャパを超えるほどの人気だったことは間違いない事実。マージャンにたとえたのは失礼かもしれないが、「17,000人」の発表には、「甲府も17,000人のスタジアムではキャパが足りないくらいの試合をするようになりました」という誇らしさも少し感じた。あきらかに実入場者数より多い発表をして、関係者を白けさせるクラブもあるというのに。
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