Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#089
金持ち喧嘩する
 金持ち喧嘩せず。
 まあ、うらやましいことだけど、これが勝負の世界だとちょっと違うようだ。
 阿佐田哲也の小説で読んだのだけど、賭博の世界では、お金をたくさん持っている方が有利だという。たとえば100万円持っている人と10万円しかない人がいるとする。100万円あれば、10万円賭けて失敗してもまだ90万円残っているけど、10万円しか持っていなければ怖くて10万円は賭けられない。もし負ければすってんてんになるからだ。だからせいぜい5万円とか1万円とかチマチマ賭けていくしかないから、たとえ勝ってもなかなか儲からない。要は金持ちの方が勝負できる、ということらしい。

 レッズがガンバに2点差で負けても優勝。この有利な状況を特に意識せず「勝点差や得失点差のことは考えずに、普通に勝ちにいく」という選手が多い。その考えは間違いではないと思うし、ある意味で潔さみたいなものも感じる。でもロビーはこう言った。
「我々の方がリスクを冒して攻撃できるから有利だ」
 目からウロコ、と言うと自分の恥をさらすことになるのだろうか。少なくとも僕はこれを聞いたとき「ああ、有利な条件を生かすってのはこういうことなのか」と感心した。
 万一0−2で負けても優勝、だから有利。その条件を、そこで止めてしまったら終わりだ。少なくとも有利な条件を試合に生かしたことにはならない。優勝に生かすことにはなるだろうが。
 万一0−2になってもいいんだから、リスクを冒して点を取りにいく。これが有利な条件を、最終節に勝つために生かすことになる。

 逆に言うとガンバは3点差で勝つしかないのだからガンガン攻めてくる、とも言えるが、これ以上失点したら望みがほとんどなくなるのも事実。だから少なくとも序盤はリスクを冒しにくい、という見方もできる。これが中位のチームなら、失うものは何もない、とガンガン来る手もある。だがガンバには失うものがある。そしてそれは失いやすい状況にある。「3点取ればええんやろ」と強がっているが「1点取られたら終わりやで。リスクある攻撃はあかんで」と言ってやろう。
 レッズももちろん失うものはあるが、もし1点取られても全然平気だし、万が一2点取られても終わりじゃない。万万が一3点取られても1点取り返せばいいんだ。この試合、ガンガンいけるのはレッズの方じゃないか?金持ちだから無理しないんじゃなくて、金持ちだから思い切って勝負できるんだ。

 チームがどういう戦術を採るか、それは監督次第だし、最後はピッチの11人がやることだ。いずれにしてもサポートはチームがやることをやりやすいようにやらせるのが一番いい。だがサポーターは90分間ポジティブな気持ちでいてほしい。そう思う。

  なお賭博は違法なので、念のため。
(2006年12月1日)
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