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Weps うち明け話
#097
余韻
 だから違うって。「あのメンバーでよく優勝できた」と感心するのは間違いで、「天皇杯で優勝できるメンバーが、リーグ戦ではベンチに控えていた」んだってば。

 あけましておめでとうございます。あわせて天皇杯連覇、おめでとうございます。
2003年のナビスコカップ以来、これまでに優勝を決めた試合はいくつかあったが、今回の天皇杯決勝が一番苦戦だった。それだけにうれしい。
 ガンバの21本のシュートは1本もゴールを割れなかったし、レッズは6本のシュートのうち永井の1本がGK松代の手をすり抜けてラインを割った。もしかして、もう一度やったらガンバが勝つかもしれないけれど、天皇杯決勝はあの試合だったのだ。どんなに攻められても失点せず、勝たなければならない試合で勝ったレッズに、底力と勝負強さをあらためて感じた。
 そういう意味では今回の天皇杯は5回戦から楽勝の試合は一つもなかった。かつてのレッズだったら、たぶんどこかで負けていただろう。2003年から続く毎年の優勝で、レッズが強豪チームになったことを疑う人はいないだろうけど、この天皇杯優勝は最後の仕上げ。強さの証明のコンプリートだ。リーグ優勝が真のチャンピオンであることに間違いはないが、その直後の天皇杯優勝は、他のチームにグウの音も出させない駄目押しとなった。
 93年のJリーグ開幕以来、リーグ優勝したチームが天皇杯も制したのは、2000年の鹿島アントラーズだけだ。その年以外は、リーグチャンピオンが決勝進出したことすらない。いかにリーグ優勝がチームに疲弊と弛緩をもたらすか、ということだろう。鹿島は2000年にナビスコも優勝しているから、いかに強かったか。もっとも、「三冠」という目標があったから天皇杯までモチベーションが維持できたのかもしれない。

 去年の今頃「アジアへの扉を開いた」と話していた。そしてこの天皇杯優勝で、2008年もACLに出場することが確定した。この意義は果てしなく大きい。2008年のACLはただの「2回目」ではなく「2年連続」だ。いわば扉が開きっぱなしになっているのだ。初出場の今年でアジア制覇を果たせなかったとしても、翌年すぐに2度目のチャレンジができれば、改善すべきことを改善するにも容易だ。
それと先発メンバーがリーグ戦と半数くらい入れ替わった天皇杯で優勝したという事実は、2007シーズン、Jリーグを戦いながらアジアで勝ち抜いていく準備がすでにできている、ということだ。今になってさあ補強だ、とやっているのでは遅い。他から見ればぜいたくな陣容だったかもしれないが、この1年間こういうメンバーでやってきた本当の意義は、これから発揮されるのだ。

 ナビスコ杯やリーグと違って、終わればすぐにオフとなる天皇杯は優勝に浸る余韻が短いことを去年実感した。だが考えてみれば、ACLという形で余韻は長く続いていくのだ。
(2007年1月5日)
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