Presented by 埼玉縣信用金庫
Weps うち明け話
#100
新ユニフォーム
 今季からの新しいユニフォームと、トップスポンサーが今日19日に発表された。
 メーンのユニ胸は国内大会が明治製菓でロゴはザバス(先頭のSが鏡文字なので出ない)、そして海外での大会用がDHL。ともにレッズとは初めてのお付き合いだ。
 スポンサーフィーがいくら、ということは正確には知らない。でも世間では3億円とか4億円とか言われているし、それと大きく違っているはずはない。金額自体は僕ら庶民が一生かかっても稼げない(自分の収入として)額だからすごいと思うし、同じJリーグのクラブでももっと低額で売っているところもあるだろうから、親会社の資金補助の意味でなく純粋に宣伝媒体としてのレッズのユニフォームは国内で最高の価値があるのだと思う。年間70万人を越えるホームゲーム入場者、テレビの全国放送の多さなどを考えれば、それは当然だろう。
 話が横道にそれるが、発表会見のとき、思ったことがある。
 同じJリーグという団体のトップリーグに属していて、同じルールに基づいたサッカーというスポーツをし、勝ったり負けたりしながら、宣伝媒体としての価値はチームによって大きく違う。そしてその価値は、そこで展開するサッカーの質とは直接に関係がない。言葉を変えれば、どんなに面白いサッカーをして勝っていても、そのチーム目当ての観客が少なければ、宣伝媒体としての価値は低い。逆に、観客さえ常に満員ならば、サッカー自体が面白くなくても、宣伝媒体として高く売れるのだ。
 もちろん面白いサッカーをして勝っていけばだんだん観客も増えてくるかもしれないし、つまらないサッカーでしかも勝てなければ観客は減ってくるかもしれないから、サッカーの内容やチームの強さと宣伝媒体価値はまったくの無関係ではないが、即反映されるものでもない。
 新聞も同じようなところがある。載せる内容は各紙で同じものが多い。記者の仕事内容もあまり変わらない。しかし何部出ているかによって、広告媒体価値は違うし、記者の給料も違う。特に官庁の記者クラブなどでは、各紙の記者が同じ場所に陣取り同じ取材対象を見ているのだから、隣の机に座って同じような仕事をして同じような記事を書いていても、新聞社によって給料が違う。だから僕が昔勤めていた埼玉新聞社で、記者クラブに属している記者は不平不満が多かった。もちろん部数が違うのだから仕方がないが、自分の仕事の質と給料がリンクしないいらだたしさを一番強く感じてしまうのだ。そこで「なにくそ、給料は安くても記事は俺の方が上だぜ」と奮起するか、「給料が安いんだから、全国紙の記者と同じだけ働くのは馬鹿馬鹿しいや」と手を抜くか、「周りに認めてもらい同業他社に転職するぞ」と頑張るかは個人によって違った。僕は三通りの記者を見てきた。
 Jリーガーが自分の着ているユニフォームの胸ロゴがいくらで売れているか意識しながらプレーする選手はいない。「レッズは4億で、うちは1億か。くそ、1億でも4億に勝てるところを見せてやる」とは思わないだろうが、入場者数や注目度、マスコミへの露出の違いなどは感じているだろうから、プロスポーツ選手ならそういう意識がレッズ相手にモチベーションにはなっても、ひるむ材料にはならない。
 今年もガチンコ勝負がいっぱい見られそうである。

 本題に戻る。
 大企業の宣伝予算が年間いくらなのかは知らないから、ユニフォームの胸ロゴが1年間で3億、4億というのが高いのか安いのかはわからないが、レッズに関わるものとしてはありがたいことだと思う。
 でも、ふと考えるとレッズの昨シーズンのホームゲーム平均入場者が4万5千人。チケットの平均額が3500円とすると、ホームゲーム2試合でチケット売り上げは3億を越えてしまうのだ。またJリーグ優勝の記念グッズの売り上げが4億と聞いた。スポンサー収入と違い、チケット売り上げがグッズ売り上げは、その金額がそのままクラブに入る訳ではないが、動くお金の額は同じである。
 ユニフォームの胸ロゴ広告収入と同じ金額が、ホーム2試合の入場料やリーグ優勝記念だけのグッズ購入費と同じというレッズのファン、サポーターが凄い、と言えばいいのだろうか。それとも、レッズのサポーターが2試合で使う入場料の総額を、ポンと胸ロゴ代で出してくれるスポンサーが凄い、と言うべきなのだろうか。
 いずれにしても、年間17試合で77万人という入場者でなければなし得ないことは間違いない。今さら言うのも何だが、選手の年俸を中心とするクラブの支出を支えるのも、企業がパートナーとしてレッズに協力してくれるのも、そして選手たちがモチベーション高く戦えるのも、すべて多くのファン、サポーターの存在がベースである。
 チームの強さや入場者数に見合わない広告収入をどこからかもらっている訳じゃない。
 クラブの財政につながらない入場者数を「作って」いる訳でもない。
 タイトルもないのに人気だけが抜群な訳でもない。
 今のレッズは、プロサッカークラブの進むべきまっとうな道を歩んでいる。まあ、ここ数年でようやく軌道修正された、というのが実態だが。
 一番大事なことは、このまっとうな道を踏み外さずに歩み続けることだ。「日本のリーディングクラブ」と言われるようになってしまった浦和レッズだが、それはシーズン二冠達成や天皇杯連覇という成績だけで評価されているのではない。ベースを踏み固めながら歩いていかねば、長続きはしない。
(2007年1月19日)
〈EXTRA〉
 国内大会用の右袖のマーク(1)。昨年は天皇杯優勝の印で「E」がついていた。また2005JリーグチャンピオンのG大阪の右袖のマークには「J」がついていた(2)。二冠のレッズは「☆」となる。ちなみに海外大会用の右袖(3)はACLのマーク(ACLのカップがモチーフらしい)。
 明治製菓さん、DHLさん、よろしくお願いします(4)。とりあえず体重減らすためのザバスを愛用するか。

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