Weps うち明け話 文:清尾 淳

#374(通算#739)

同じじゃん

 1月29日の火曜日。1日だけ宮崎キャンプに行って来た。
 当初、キャンプは指宿の二次キャンプにだけ行くつもりだった。正直なところ経費もだいぶかかるし、「望年会」の準備など、やることも少なくなかったから。

 しかし、1月18日にキャンプの日程が発表されて、29日に大分との練習試合とあり、聞くと2試合やるということだったので、急に行きたくなった。知らないうちに、レッズに飢えていたのかもしれない。
 練習試合だけ見ればいいと思ったが、日帰りよりはるかに安くあがるので1泊することにして、予約を入れた。キャンプのリリースを見てから3時間ぐらいで決めた。

 前日まで風が冷たかったという宮崎は、スウェットがいらないくらいの暖かさだった。ミシャに「俺が好天を持ってきたぞ」と身振りで冗談を言ったのだが、たぶん通じただろう。

 他のクラブなら来なかったかもしれない。J1に復帰して意気上がる大分だから来る気になったのだが、それは正解だった。第1試合のレッズは去年の控え組が中心のメンバー構成だったが、昇格プレーオフで活躍した森島や、マリノスから移籍してきた松本らの元気の良い、力強いプレーに、レッズがタジタジとなる場面も多かった。実際、前半2点を先行され、後半にようやく追いついて、レッズは「ホーム」の面目を保った形になった。

「ホーム」と言ったが、雰囲気は決してそうでもなかった。レッズのグッズや小旗を持った人もいたが、青いレプリカを着た方々がかなりスタンドや芝生に座っており、大分のチャンスに歓声を上げている。どうやら大分からの応援バスツアーが催されたらしい。平日だったから、お勤めの人は参加しにくかったのかもしれない。かなり年配の方が多かった。
 練習試合に、隣の県までバスツアーで行く。相手がレッズということがあったのかどうか。おそらくそれより、これもJ1復帰の勢いなのではないか。何だかいいなあ、と思ったが、もちろん「J1復帰」はもうたくさんだ。

 第2試合は去年の先発組がほぼそのまま先発だった。平川が様子見で、宇賀神が左、梅崎が右に入っていた。
 試合はレッズの優勢だったが、前半の終了間際にセットプレーから大分が先制して、バスツアーの参加者を大いに喜ばせてしまった。おいおい、そりゃまずいだろ。
 後半は興梠、森脇、関口が登場する予定。それは楽しみだが、逆転はできるのか。心配しながらハーフタイムを迎えたが、ここで「異変」。旅行会社の人(かな)が「ツアー参加者のみなさん、バスにお戻りください」と呼びかけて回っている。え、もう帰るの?ここからが佳境じゃん。

 列車ツアーならともかく、バスツアーであと50分ぐらいが伸ばせないのか、と気の毒だった。だが、しょせんは他クラブのこと。観客がごっそり抜けて後半が始まった。
 早々に興梠が同点弾。ボールを受けてからシュートに持って行くまでがうまかったし、シュート自体も良かった。
 そしてマルシオが逆転とダメ押し弾。さらに3点目を狙う際に倒されてPKを獲得するなど好調ぶりを見せた。なぜ自分で蹴らなかったのだろう。
 キッカーを任せた槙野のシュートはクロスバーのはるか上を通過した。ラグビーなら旗が上がって得点になるところだ。見学していた鵬翔高校のサッカー部員たちが笑い転げていた。本番では頼むぜ、槙野。

 考えてみたら、大分からのバスツアーのみなさんは、この3失点を見ないで帰ったのだから、ある意味、幸せだったか。

 マルシオは去年ケガで出遅れた。今年はこのまま好調で開幕を迎えて欲しいものだ。
 あれ?去年のマルシオの復帰弾は、鹿島戦の逆転弾とダメ押し弾じゃなかったっけ?今日と同じじゃん。
 スコアも3ー1だったよな。今日と同じじゃん。
 しかも、あの試合で鹿島のゴールを決めたのは興梠だったな。今日と同じじゃん…。

 だから何だと言うんだ。朝早く出て、駅からグラウンドまで50分間歩き、2試合分取材した疲れがどっと出たのだろうか。帰りのバスの中では記憶と妄想がメロメロになっていた。

 

(2013年2月1日)

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