Weps うち明け話 文:清尾 淳

#379(通算#744)

満開

 まだ満開にならないなあ。

 

 とっくに散り始めてるだろうって?

 いや、桜の話ではない。レッズファミリーの試合のことだ。

 

 男子のトップチームは2月26日のACLで幕を開け、3月2日のJリーグ開幕で本格的にシーズン突入を迎えた。

 男子のジュニアユースは3月3日が関東ユースリーグの初戦で、もう4節を終えている。なんと3勝1分けで負けなし。しかも4試合で15得点3失点の好成績だ。今度の週末は試合がない。

 先週の土曜日にはなでしこリーグが開幕し、レッズレディースはホーム浦和駒場で3-0の快勝だった。明日はアウェイでジェフレディースと対戦する。

 4月7日には、プリンスリーグ関東が開幕する。レッズユースは埼スタ第3グラウンドで大宮アルディージャユースとのさいたまダービーだ。昨季、惜しくもプレミアリーグから降格してしまったが、プリンスリーグ関東の参加チームは、プレミアリーグイーストと、遜色ないレベルだ。試合数は同じ18だから、育成という点では良い環境だと思う。

 4月13、14日は関東女子リーグの開幕日だ。レディースユースは14日にアウェイで武蔵丘短期大学と対戦する。

 レディースジュニアユースがやや遅くて、5月26日に埼玉県女子リーグが開幕する。レディースジュニアユースは14歳以下のチームだが、県女子リーグには大学生や大人のチームも参加している。その前に全日本女子ユース(U-15)選手権につながる埼玉県女子ユース(U-15)大会があって、これはもう予選リーグが始まっている。

 

 全部で6つのカテゴリー。細かく言えば、ユースは現在静岡に遠征して大会に参加しているし、ジュニアユースも同様だ。またシーズン中は学年別の大会もある。だが、各カテゴリーの最強チームが、ほぼ1年間を通して覇を競うリーグ戦を挙げるとこういうことになる。

 6つのカテゴリー全部が開幕すれば、花盛りという感じだ。もっと言えば、土日ですべてのカテゴリーで試合があり、しかもそのすべてでレッズが勝てば、超満開と言える。別に春でなくてもいい。もっとも、その6試合すべてに立ち会うことはかなり難しいと思うが。

 

 どうしてこんなことを書いているかというと、こういうわけだ。

 レディースの開幕戦で藤田のぞみが今季ファーストゴールを挙げた。そのシュートシーンが、たまたま(謙遜)撮れていたので、昨日取材でレッズランドに行ったついでに写真をあげた。

「ちょっと俺のいる角度が良くなかったので、あまりカッコよく写ってないけど」と言って渡したところ、藤田は「あ、ごめんなさい。槙野さんに『カメラ位置、意識しろよ』と言われてたのに」と笑った。

 槙野ぉ!何、教えてんだ(笑)。いや藤田さん、そりゃ試合中の話じゃないから。

 そういう冗談をかわして別れたのだが、槙野と藤田の間で、そういう会話があったというのが微笑ましかった。

 

 あの3月23日のなでしこリーグ開幕戦、開場の駒場には槙野を始め、柏木、加藤、宇賀神…(ほかにもいたはずだが、僕は見てない)ら、男子の選手が何人も来ていた。去年も何試合か来ていたと思うが、開幕からみんなで来るとはうれしい話だ。

 だいたいJリーグは土曜日で、なでしこリーグは日曜日が多い。だから男子の選手が女子の試合を見に行くのは、比較的時間が合う。逆は厳しい、女子にとってはJリーグの試合が自分たちの試合前日にあたるからだ。それでも、シーズンのうちには何試合か可能な日があるはずだし、去年もレディースの選手ほぼ全員で埼スタを訪れた試合があった。

 

 レディースの試合では、先発の11人がロッカーを出て、リザーブやベンチ外の選手、スタッフたちとハイタッチをかわしながら、入場待機場所に移動するのだが、23日は、そのハイタッチ列の最後に加藤たちもいて、彼女たちを励ましていた。

 良い光景だなあ、と思った。

 

 今季は、5月4日(土・祝)の13時から浦和駒場スタジアムでなでしこリーグ第7節・レッズレディース対INAC神戸が行われるが、同じ日、同じ会場で16時から、プリンスリーグ第5節・レッズユース対前橋育英が開催される。初めてのジョイントだ。

 また、7月15日(月・祝)には同じく浦和駒場で、13時から関東女子リーグのレディースユース対太田LSC戦が、16時からなでしこリーグカップの予選リーグ第7節・レッズレディース対吉備国際大学戦が行われる。これも初めての試みだ。

 

 桜の花は、一輪だけ見てもきれいだが、こんもりと咲き茂っているところが、やはり美しい。

 レッズも、一つひとつのカテゴリーで戦い、応援すると共に、応援する者もプレーする者も、みんなレッズファミリーとして一つの意識でシーズンを過ごせたら、レッズがもっと楽しくなるに違いない。

 今年、やってみませんか。

(2013年3月29日)

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