Weps うち明け話 文:清尾 淳

#381(通算#746)

ダービー前日に

 明日はさいたまダービー。第7節で順位を口にするのは気が早いが、レッズが2位、大宮が3位というのは、やはり感無量になる。これまでは、日本で唯一の「本物の」ダービー、というのが一番のウリで、それに加えてどちらかの、あるいは両方の残留争いが注目される、という状況だった。

 今回は、共に6戦無敗同士の戦いで、しかも大宮はリーグ戦で昨季から通算して連続無敗のJタイ記録を作り、ダービーに新記録樹立がかかっている。

 

 阿部勇樹「うちから始まった記録らしいから、うちが止めないと」

 原口元気「すごいね、17戦無敗って。すごいと思う。でも次でうちが勝つから」

 

 こんなにポジティブなことで話題になるさいたまダービーは初めてで、それはうれしいことではあるが、ただ試合に他の要素が入って、本来の力が出にくくなることは避けたい。

 

 大宮には勝ち倒したい。ただ勝つだけではなく圧倒的な差で勝ちたいという意識があるのは事実だ。さらに今回はアウェイとはいえ引き分けると、9勝9分けでJのリーグ戦連続無敗新記録を樹立させてしまう。

 どうしても、そんな意識が入り込んでしまいがちだが、試合は試合として、まず勝つことに集中した方がいい。そして勝たなければいけない試合ほど、自分たちのサッカーに集中しないといけない。

 

 考えたくはないが、先制される可能性もある。0−0の時間が長く続くこともある。大事なことは、そこで慌てないこと。いや慌てさせないことだ。

 スタンドの近くで写真を撮っているとサポーターの声がよく聞こえる。まだ0−0なのに、レッズが少し後ろで回して攻めどころを探しているとき、あるいは相手に食いつかせようと誘っているとき「来いよ!レッズ」という声が聞こえる。

 それが、子どもだったりすると<周りの大人が、今のレッズのやり方について説明してやってくれよ>と思ってしまう。もっとも子どもは周りの大人の真似をしているのかもしれないが。

 

 今のレッズは、攻撃を急ぐとき、落ち着いて攻め手を探すとき、その判断がしっかりしていると思う。相手陣内にブロックが敷かれていなければ、縦バスに誰かが走り込んでシュートまで持っていく。しかし相手の守備陣形が整っているところに放り込んでも、みすみす相手にボールを渡す確率を増やすだけだから、ゆっくり攻める。

 普通で考えれば明らかなことが、焦っている状況だとその判断の精度が鈍るものだ。だが去年1年間の実践で、その状況判断はだんだん的確になってきている。

 僕も見ていて、<あべちゃん、そこで打てないかよ><ウガ、そこは戻さずクロスじゃねえか?>などと、思うこともある。しかし、スタンドから俯瞰して見ていれば、あるいはプレーが終わった後でなら、100パーセントに近い「正解」がわかるかもしれないが、実際にはピッチで戦っている選手たちの判断がすべてだ。今はそれを信じたいし、信じるに足る実績を彼らは作ってきている。

 

 そうすれば必ず勝てるとは言わない。だが今のレッズは、頑なに自分たちのサッカーをやり続けることが、回り道のように見えても勝利に確実に近づく道なのだということは間違いないと思う。

 

 10月にもう一度、さいたまダービーがある。そのときにもこういう上位同士での対戦になっていれば、ホームタウンはさらに盛り上がるだろう。僕が出演させてもらっている、毎週金曜18時からの(あ、今日か)NHKさいたま「週刊☆サッカー王国」(FMラジオ)も、番組名と実態が一致して、全国に誇れるようになるだろう(今でも誇れる番組だが)。

 だが正直言って、相手の順位が28節にどうなっていようと、関係ない。

 浦和レッズがずっと10月にも11月にも上位に居続け、そして12月にはさらにその上に居るために。

 明日は浦和レッズのサッカーを貫いて欲しい。

(2013年4月19日)

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