#385(通算#750)
破るべき壁
34という数は17と2しか約数がない。36なら3でも4でも割り切れる。
J1が19クラブになればリーグ戦は36試合になり、「3分の1」とか「4分の1」という、ちょうど良い区切りで語ることができるな。
だからといって、試合休みの節が出る奇数クラブ制は、2ステージ制と共に真っ平御免だが。
34の3分の1は、11.33…。だから12試合を終えた現在は、リーグ戦の3分の1強を消化したと言える。
現在6得点の原口元気が、このペースのままゴールを取り続ければ、シーズン終了時には17点か18点取っていることになる。え? そんな曖昧な言い方でなく
6÷12×34=17だって?
そうか。2試合に1点取っている計算になるのか。
いや厳密に言うと、大宮戦で負傷退場して以降の時間と、欠場した清水戦、そしてC大阪戦で途中出場するまでの時間を引くと10試合分で6得点だという見方もできる。
6+6÷10×22=19.2
そんな話を本人にしたら、「すごいね」と言いながら、「あ、でもまずは2ケタ」と気を引き締めていた。
去年、ホームの鳥栖戦で2得点したとき「1試合2ゴールってなかなか取れないんですよね」と、自分のハードルを一つ越えたことがうれしそうだった。
そんな原口が次に挑むハードルは、3試合連続ゴール。
一昨年、国立の柏戦で0-3から1点を返し、翌節のC大阪戦で先制ゴールを挙げた。今回の2試合(鳥栖戦、柏戦)連続ゴールは、それ以来となる。そして3試合連続はまだない。
「壁だね」と言う口調には、壁にぶち当たって悩んでいる深刻さはなかった。むしろ、それに挑めることを楽しみ、達成できる実感を抱いているようだった。
「自分自身、仙台から取ったことがないし、3試合連続もない。でも次は取りたいし、取れると思う」
FWが取れると思った試合で必ず点を取れるなら、全員が得点王候補だろう。だが、取れると思う自信は必要だ。
本人が言うとビッグマウスに聞こえてしまうから代わって言おう。
大宮戦の負傷が明けて、途中出場したC大阪戦でいきなり同点ゴール。鹿島戦でも梅崎のゴールをアシストし、鳥栖戦、柏戦で連続ゴール。柏戦ではマルシオの2点目を完全にお膳立てした。現在、原口の貢献度の高さは計り知れない。
仙台戦は、レッズにとっても一種の壁。過去3シーズン、リーグ戦で6試合してレッズが一度も勝ったことがないチームは、他にない。現在の順位は下だが、それには関係なく、あの粘り強いチームには、今後のためにも勝たなくてはいけない。
今日は、二重の意味で壁を破る試合にしたい。
(2013年5月29日)