Weps うち明け話 文:清尾 淳

#411(通算#776)

17年ぶりの雄たけびを

 これを現場で体験したレッズサポーターは多くない。
 1996年10月2日(水)、Jリーグ第22節、三ッ沢球技場。
 前節、札幌で第21節のホームゲームが行われ、アビスパ福岡をPK戦で破った浦和レッズは順位を2位に上げて、アウェイの横浜マリノス戦に臨んだ。
 そして1−0でマリノスを破ったのだ。

 気になるのは、他会場の結果。携帯電話はだいぶ普及していたが、通話以外の機能がほとんどなかった時代で、僕も試合後はグラウンドでサポーターの写真を撮っていたので、情報を得ることができなかった。わりと低い三ッ沢のスタンド越しにサポーターから「どうなったの?」と尋ねられても答えようがなかったのを覚えている。
 頼りは試合が終わった後に流れる場内アナウンス。勝利の喜びに浸っていたレッズサポーターも、耳を澄ませた。
「……。この結果、浦和レッズが首位に立ちました」

 朝井夏海さんのアナウンスではない。マリノスのホームゲームだ。そこで他会場の結果に続いて、相手サポーターが盛り上がるきっかけをわざわざ作ってくれたマリノスのスタッフには感謝している。
 あのとき三ッ沢の地でサポーターと共に上げた雄たけびは一生忘れないだろう。
 ちなみにレッズは次の土曜日、ジュビロ磐田に敗れ、文字どおりの「三日天下」に終わってしまったのだが、96年は初めてJリーグが年間1シーズン30試合で行われた年で、22節と言えば第4コーナーに差し掛かるところ。レッズがそういう時点で首位に立ったのは初めてだった。

 明後日、8月28日は水曜日。アウェイでF・マリノスと対戦。23節と時期も似ている。
 だから勝つぞ、などと簡単に言うつもりはない。
 もう7年も前になってしまった、リーグ初優勝の06年。首位に立ったと思ったら、次は2位や3位になるなど、24節まではガンバ大阪、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズらと何度も順位を入れ替えてきた。首位の座を守り続けたのは25節からだ。
 今季は2位から4位までを動きながらここまで来た。優勝争いをしてきたといえるが、まだ首位に立ったことは一度もない。リーグ戦は最後に一番上にいることが大事とはいっても、もう23節。そろそろ一度首位に立っておきたい。水曜日、マリノスに勝っても、首位になれるとは限らないが、直接対決の機会を逃してはいけない。

 この日は、試合開始時間が経会場より30分遅いので、試合の終盤は日本中のサッカーファン、サッカーメディアの注目を集めるだろう。
 17年ぶりに横浜の地で勝利の雄たけびを上げて、浦和に戻って来たい。
 今はそれだけ考えよう。

(2013年8月26日)

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