Weps うち明け話 文:清尾 淳

#818

これからの恩返し

 当時のことを思い出しながら原口元気の育成時代の写真を何枚も見ていて気が付いた。
 おいおい、もう一つ大事な恩返しがあるじゃないか。

「#817」で述べた、クラブにタイトルをもたらすことと移籍金を残すこと、という原口が考えていた、レッズへの二つの恩返しの他に、彼がなすべき、もう一つのこと。
 それは、原口元気という選手がブンデスリーガで、さらにヨーロッパで大活躍をすることだ。

「先週の元気」がテレビで報じられ、日本中のサッカー少年たちの憧れの存在になること。それがレッズのジュニア、ジュニアユース、ユースに所属する選手たちに、いかに大きな誇り、希望、モチベーションとなることか。
 レッズの育成から、プロで活躍する選手がなかなか出なかった時代は昔のこと。いまJ2を含めればプロとしてレギュラーで頑張っているレッズの育成出身選手は少なくないし、直輝や原口のように、日本代表を経験した選手もいる。彼らはレッズのエンブレムを付けた小中高生たちの、目に見える具体的な目標になっているはずだ。

 その目標が初めて世界へ飛び立った。
 飛び立っただけでなく、そこで雄々しく羽ばたき続けることで、若い選手たちは自分の目標をさらに高い位置、遠い場所に定めることができる。困難を乗り越える原動力がパワーアップされるのだ。
 レッズでプロになろう。レッズで主力になろう。レッズで活躍して日本代表になろう。そして、いつかは海外からオファーが来るような選手になろう。原口元気のように。
 育成の選手たちは、そんな気持ちを抱いて練習に励むに違いない。
 
 元気よ。
 きみが在籍中に果たせなかったタイトルという目標は、チームとサポーターの力で必ず達成するだろう。
 だが、後輩であるダイヤモンドの原石たちの心を、世界に向けて輝かせるという仕事は、今はきみにしかできない。きみ自身が彼らの目標になり、少しずつ高みに上っていくことが、これから長く続いていく、浦和レッズへの恩返しなのだ。

 さて八王子を過ぎた。
 まずは今日の甲府戦を、原口抜きで勝たなければならない。

(2014年5月28日)

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