Weps うち明け話 文:清尾 淳

#829

進行中

 何か物事がまだ終わっておらず進行中であっても、それがネガティブなことであるとき、人間は「もう終わった」と思いたがるのかもしれない。それは自分の実感として、非常に良くわかる。
 頭を下げて時間が過ぎるのを待っていれば本当に終わるのなら、それでもいいかもしれない。だけど、そうではなく主体者が努力して終わらせなければならないときは、待っているだけでは終わらない。

 クラブから先日、「サポーターミーティングの報告」が発表された。ミーティングには6月から7月にかけて、計18回行い、226人の参加があったという。
 参加した人全員から意見を聞き、通りいっぺんでないやり取りをするためには、1回の参加者を10数人から20人程度に抑え、何回も行うというやり方は適切だったと思う。今回のサポーターミーティングはトークショーでもクラブからの告知の場でもないからだ。今回、その中で出された意見がまとめ的に見られるようになっており、これはこれで重要だ。
「申し込み期間が短かった」「申し込んだのに返事がなかった」「回によって進行のやり方が違った」というサポーターの批判的な意見を聞いた。クラブとして初めての試みだったから、いろいろな齟齬があってもやむをえないと思う。今後はシステムの改良や、今後の日常的な開催、進行者の錬度などによって改善していって欲しい。
 
 だが、一番残念だったのは、精力的に行ってきたそのミーティングの内容が、同時並行的に発表されなかったことだ。翌日は無理でも数日後「◎月×日△時・○○会場開催分」としてオフィシャルサイトに掲載していって欲しかった。
 そうすれば6月の末から7月初旬にかけて、この問題がまだ進行中であり、クラブがそういう認識であいること、そして細部がベストであったかどうかはともかく、クラブがこれまでにないやり方でサポーターとのコミュニケーションを深めようと努力していることが、少なくないサポーターに知らされただろう。

 再開後、何人かのサポーターから「応援の規制を解除するには今が良いタイミングだろうに」「クラブは問題の解決のために何もやっていない」という意見を聞いた。
 前者は、時間が解決してくれるもの、という誤解。後者は、情報不足による誤解。みんなで同じ土俵に立って話し合っていかなければならないときに、多くの誤解があっては解決が遅くなる。
 事態はまだ進行中であることをみんなが理解することが大前提だと思う。

(2014年8月19日)

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