Weps うち明け話 文:清尾 淳

#830

つまり

 小学生低学年のころ、僕は生意気だった。今でも生意気なのだろうだが、この年齢になるとそうは言われなくなる。
 生意気だったから、たまにクラスメートから囲まれて攻撃された。と言っても、昨今のいじめのような陰湿なものではなく、ふだんは普通に仲良くしているのだが、たまに何かのはずみで、誰かがみんなから攻撃の的にされるのだ。僕以外の誰かが標的になることもあり、そのときは僕も攻撃する側に入っていた。たいてい1日だけで終わる。ある意味、退屈しのぎのようなものだったのかもしれない。
 ただし1人だけは攻撃の対象にならなかった。9人しかいないクラスの男子の中の大将だ。当然ながら腕力が強く、喧嘩もいとわなかった一方、機知に富んだ言動や行動力で人気もあった。その子の気分で誰かが攻撃されることになった。その子の機嫌を取るため、誰かが“ご注進”に及ぶこともあった。僕とは仲が良かったという記憶がある。いいかげん、その子の虫の居所を気にするのが嫌になり、殴り合いしたこともあったが、クラスの中で一番好きだったのも、たぶんその子だった。

 僕が生意気だと思われた理由は、いろいろあっただろうが、記憶にあるものの一つは、僕が「つまり」という言葉を多用していたからだった。自分たちがあまり使わない言葉を使う奴が鼻についたということだろう。だが、底流にはこういう心理もあったのかもしれない。
 僕が誰かと会話をしているときに、「つまり、こういうことですよね」と横から他の誰かに結論めいたことを言われて、ムカつくことがよくある。「お前と話してるんじゃねえよ」「勝手に話をまとめるなよ」と。
「つまり」という言葉には、議論を要約する意図があるが、同時に議論を終了させる機能もある。この場合は、その2つを勝手にやられることで、頭にくるわけだ。小学生がそんなふうに考えることはないだろうが、心理的には同じなのかもしれない。

 #829にこう書いた。

「今回、その中で出された意見がまとめ的に見られるようになっており、これはこれで重要だ」

 PDF9ページにまとめられたこれは、ジャンルごとにわかりやすくなっており、労作だ。資料としては非常に貴重なものだと思う。
 だが、#829で書いたように、進行中であること示すには、「つまり」でまとめるのではなく、毎回出た声を載せたほうが良かった。毎回、PDF9ページ以上になるかもしれないが、仕方がない。
 そうすることで、まずは多くのサポーターに、いまこういうことが行われていると認識してもらうことができる。
 また、どういう意見が出されたのか、ナマに近い形で知ることができる。
 そして参加した人は、自分の意見が(主旨でも)ちゃんと載っているのを見て、参加した意義を見出すことができる。
 さらに、これからミーティングに出席する予定の人に「この意見は、もう何度も出ているから違う意見を言おう」という参考になる。「同じような意見がたくさん出ているから、読む人が大変だろう」という配慮がクラブにあったと思うが、この種の意見をこんなにたくさんの人が言っている、ということが大事なのだ。読む側(聞く側)は「何度も」かもしれないが、話す側は「一度」なのだから「以下同文」では失礼だ。

 埼玉新聞社にいたころ、長い会議を嫌う役員がいた。
 たしかに、ただダラダラと時間だけ長い会議はムダに思える。しかし、その役員の考える会議は「上意下達」の場であって、社員の議論を彼は想定していなかった。会議には上意下達のものもあるが、ブレーンストーミングに近いものも必要だ。たとえ自分の意見がそのまま通らなくても議論に参加することで、意思決定の場の一員を構成していたことになる。それは、その後のやる気にも影響してくるはずだ。
 だから、短い時間で多くの人間が発言するような会議を運営することは、何かを作り出そうというときに、非常に重要だと思う。

 サポーターミーティングは、1回1回で何かを作り出そうというものではなく、作り出すための材料となる場だ。
 つまり、でまとめる前に、多くのサポーターに材料を提供した方がベターだったと思う。
 これから、また機会があるらしい。クラブは大変だろうが、踏ん張りどころだ。簡単に言うなよ、と思われるだろうが、やって欲しい。
EXTRA
 #828〜#830は連作だ。一度に書くと長くなるので3回に分けた。掲載日も分けようかと考えたが、天皇杯の試合当日になってしまうのは避けたかった。


(2014年8月19日)

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