Weps うち明け話 文:清尾 淳

#831

次の試合で出した答え


 MDP457号に書いたコラム「テーマの展開」の答えが、いくつか8月30日の大宮戦で出たような気がしている。

 一つは、今季先制ゴールを挙げた試合で勝てていない、という梅崎司の嫌なジンクスめいたものを払拭する、というテーマ。
 8月23日のF東京戦は、それまで先制点を挙げた3試合(ナビスコ柏戦、アウェイ神戸戦、アウェイ川崎F戦)がいずれも逆転負けだったのが、ドローで勝点1を取ったのだから、一歩前進じゃないかとも思うが、勝率が高くなるはずの先制試合でドローというのは、アウェイとはいえ、満足いかないことだったろう。本人もそう言っていた。

 大宮戦の梅崎は、オープニングシュートを始め、惜しいシュートを何本か放った後、2試合連続となる先制ゴール。宇賀神のクロスに対して興梠が受けようと待ち構えていた手前で、まるで“横取り”するかのようなスライディングシュートだった。大宮のGK北野は、興梠からシュートが来ることを予想していて意表を突かれたのかもしれない。梅崎は今季公式戦7点目にして初めての埼スタでのゴールだ。
 さて問題はここから。川崎F戦、F東京戦はすぐに同点ゴールを食らってしまい、リードしている時間が短かった。急いで2点目を取りに行くのではなく、今の大宮なら1−0のまま時間が過ぎることで精神的に優位に立てるはずだから、少し落ち着かせた方がいい。ビルドアップのボールを奪われ、大宮の攻撃をしのいだシーンを見て、記者席でそう話していた矢先だった。
 僕たちの会話をあざ笑うかのように、センターサークル手前でボールを受けた梅崎は一目散に相手ゴールへドリブル。打つかと思われたが左の柏木に送り、これまた打つかと思われた柏木は浮き球で逆サイドへ。大宮DFが梅崎と柏木に引きつけられたため、完全にフリーになった興梠が確実に頭で叩き込んだ。
 自分が挙げた先制ゴールを勝利に結びつけるためにも、2点目を。その言葉どおり追加点をお膳立てした梅崎。ふだんから話している「自分の出来がチームの勝敗に直結していると思っている」という決意をプレーで表わした。

 もう一つは森脇良太のテーマ。F東京戦の前半3失点に絡んでしまい、何としても逆転へ自分の力を。そう意気込んで迎えた後半だったが、引き分け止まりで満足はしていなかった。
 大宮戦では前半17分に西川へのバックパスがピンチを招き、結果的に文化シヤッターの「NICE SAVE」を表示するなど、ヒヤッとするプレーもあった森脇だが、最終的にはしっかり無失点に抑えた。だけでなく、後半4分に左CKから見事なヘディングシュート。
 今日の出来なら大丈夫だろうと思いつつ「前半2−0は危ないスコア」という格言は頭にあったから、それを消してくれる貴重なゴールだった。しかも今季は後半戦に入ってもまだゴールがなかっただけに、うれしさもひとしおだっただろう。
 もっとも森脇の場合は、昨年3ゴール、一昨年4ゴールを挙げているのだから、それからすると物足りない。今季は失点を減らすことに重点を置いているとはいえ、あの左足でのミドルシュートでネットを揺らすシーンを見せてくれるよう要望しておこう。

 FC東京と大宮アルディージャ。違うチームとの2試合を結びつけて考えるのは意味がないかもしれない。しかし、実際にプレーしている選手は、試合が違っても自分の中では常にテーマを持っているだろう。ある試合で出た宿題への答えを、次の試合で出すことだってある。
 毎試合を一つの試合としてだけでなく、こういう見方もできるのは、シーズンを通してレッズを見続けているサポーターならではの楽しみ方と言えるのではないだろうか。
 
EXTRA
 ちなみにMDP457号のコラム「Reds-fool live」に「東京のCKのに際、ニアで河野に前を取られシュートを許した」と書いてしまったのは僕の勘違い。森脇が河野へ与えたPKがよほど頭に刻まれていたのだろう。東京の1点目は高橋秀人だった。ここでするのも筋が違うが、お詫びして訂正します。

(2014年9月2日)

  • BACK
  • 埼玉縣信用金庫 Top Pageへ
  • キャンペーン一覧
  • 浦和レッズ オフィシャルホームページ
  • ファンファンレッズ
 

Copyright © 2012 The Saitamaken Shinkin Bank. All Rights Reserved.