Weps うち明け話 文:清尾 淳

#839

ハードルを越えるために

 応援は、サポーターによる自由な発想がベースであるべきだと思うし、それなくして日本一の浦和レッズの応援は生まれなかった。
 現在、そこにストップを掛けているのがクラブであることは間違いない。

 発端となったのは、サポーターが掲げた差別的横断幕だが、その後のオフィシャルフラッグ以外の掲示物が禁止されていること、太鼓(トラメガなども)の利用申請制度が導入されたことで、今の状況が生まれているのだから、ストッパーを外すか外さないかは、まずクラブに判断が委ねられている。

 僕はこう思う。

 まず、掲示物の禁止と、太鼓などの問題は別に考えなければならない。
 どちらが先に、とかいうことではなく、制限をしている意味が違うからだ。
 ダンマク、ゲーフラ、大旗などの掲示物を禁止しているのは、文字どおり「差別的文言」の再発防止にほかならない。正直な考えを言えば、日本社会の中に差別意識が存在している現状で、スタジアムの中だけはその意識が根絶されている、などということはあり得ない。また差別的文言に限らず、政治的スローガンなどを書いたダンマクを持ち込み、テレビに映りそうなタイミングで掲げようとする行為を、完全に防止することは難しい。
 だからといって、いつまでも禁止したままで良いはずがない。野放図に規制撤廃するのではなく、当面はクラブが例に挙げてきた、掲示物の登録制とか事前チェック制などを経ることになるかもしれないが、掲示中のチェック強化など再発防止のための措置をしっかりした上で、掲示を認める時期なのではないか。
 時期というのは、優勝の可能性が高まってきたから、というのではない。次に待っている、より難しい問題に集中するためだ。

 次に待っている、より難しい問題とは、平たく言えば、誰が、どういうグループが今後応援のリードを取っていくか、ということだ。
 ここで思うのだが、まず4月4日付けで発表された「リーディングアイテムの利用申請」制度を廃止してはどうだろう。
 クラブは「太鼓の持ち込み・使用の禁止ではない」「申請した人たちの間で話し合って、太鼓はまだ早いということになっているのが現状」と言っているが、「事前申請」制度というのは、緩やかではあっても規制には違いない。現に、レッズはダンマクも太鼓も禁止されている、と思っている人が少なくない。
 3月8日まで応援の発信源になってきたサポーターグループが解散し、応援のリードを取るサポーターがいなくなった当初は、混乱を(ぶっちゃけて言えば、我れも我れもと大勢が太鼓を持ってきて、無茶苦茶になるのを)防ぐために、事前申請制にしたというが、その時期はもうとっくに過ぎた。
 本来、応援に当たって誰がリードを取るか、というのはクラブが決めるものではない。そのことはクラブも何度か明言している。で、あるならば、わかりやすくするために、まずはその「本来」に戻した方がいい。
 その上で、誰が太鼓を叩いて、誰がリードを取るか。それはサポーター自身が決めることです、とはっきり打ち出してはどうか。

 サポーター自身が決めること。今はそれが、より難しいことはわかっている。
 かつて浦和レッズが誕生したころは、サポーターという明確な存在はなかった。だから声を上げ、まとまりだしたサポーターが中心になっていった。もちろん、それに対してクラブは何の異も唱えなかった。
 しかし今は、すでに何万人というレッズサポーターが存在している。その組織上のリーダーでなくても、最も大事な行為である応援のリードを取るサポーター(たち)を決めるのは簡単なことではないだろう。
 クラブが決めることではないにしても、そのためにクラブがしなければならないことは少なくない。規制を外して、あとはお任せ、には絶対にできない。

 クラブもサポーターも、越えるべきハードルがまだあちこちにある。ハードルを越えるためにも、まずストッパーを外すことだと思う。
 また時間が来てしまった。ハードルに関しては来週に。

(2014年9月27日)

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